迷い込んだのはリリカルな世界 By Build   作:Plusdriver

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アインハルトってデバイスなしであそこまで魔法が使えるんですよね。




14.デバイス

あの俺達の衝突から3回のチーム戦が終わった。

 

俺達は1回戦で体力を使い果たしてしまい参加しなかった。

 

で、今は各自休憩中。

 

ノーヴェ、スバル、ティアナは温泉へ。

 

なのはとメガーヌさんはキッチンで雑談。

 

俺達はルーテシアと龍斗、俺と参加しなかった翼以外筋肉痛で動けなくなっていた。

 

限界を超えて張り切り過ぎたのだろう。まだ軽い方の一斗は全身にマッサージをしている。

 

まあ口は動くから話が進んでいくとふと俺も思い出した。

 

「DSAA公式戦競技会」

 

「出場可能年齢10歳から19歳、個人計算ライフポイントを使用した限りなく実戦に近いスタイルで行われる魔法戦競技にして全管理世界から集まった若い魔導士達が魔法戦で覇を競う....」

 

長々とルーテシアから説明がされる。

 

「インターミドル・チャンピョンシップ!」

 

俺が思い出していたのはこの大会のことである。14年前に龍斗が参加して俺も巻き込まれた大会、その時期が近づきつつあるのだ。まぁ、この大会に俺達は参加しない。ああ、参加はしない。

 

「私達は今年から参加資格があるので出たいねって話してたんです」

 

「そうなんです!」

 

初等科トリオがかなり詳しく語ってくれる。

 

「自分の魔法、自分の格闘戦技がどこまで通じるか、確かめるにはもってこいの場所だよ。ちなみに今回は私も出る!」

 

『わーーー』

 

胸を張って参加することを伝えたルーテシア。彼女が参戦するのは中々見応えのあるものになるだろう。

 

「はぁい、みんな。栄養補給の甘いドリンクだよー。」

 

魔王、なのはの登場だ。ただ、考えた瞬間にこちらを見るのはやめて欲しい。幾つ命があっても足りない。

後ろからメガーヌさんもやって来る。少し目を合わせたくないものだ。自分達のせいとはいえ、陸戦場を破壊してしまったし。

 

なのはによって話は進んでいく。俺と龍斗は今回の事について改めて謝った。気にしなくていいと言われたが、こちらも引くことができない。

 

「あともう一つ、これ今も変わってないわよね?『安全の為にClass S3以上のデバイスを所持して装備すること』」

 

こいつは大変重要だ。これ一つで選手がどうなるか変わってきてしまう。だが

 

「デバイス....持ってないです」

 

アインハルトはデバイスを持ってはいない。通り魔事件の時、ミカにスキャンしてもらったのだがデバイスの反応がなかったのだ。ちなみにこの機能、犯人のデバイスを覚える事で追跡できるというとても便利なものだ。まぁ、アインハルトのような例外には意味がないが。

 

「じゃあこの機会に作らなきゃ」

 

「その....でも真正古代ベルカのデバイスは作るのが難しいと....」

 

「フフフ、私の人脈を甘く見てもらちゃ困りますねー。次元世界に名高い戦兎さんの大家族!」

 

ゲッ、嫌な予感が....

 

「八神家の皆さんに頼めばきっとノリノリで組んでくれるよ!」

 

その代わり俺の貞操の危機が訪れるのですが!と言いたいが教育上よろしくないため俺の中だけにとどめておく。

 

「マスター、メールです。」

 

「ん?誰から?」

 

「はやて様からです。」

 

俺は頭を抱えた。このままでは本当に危ないかも知れない。

 

「えと、ミカ?しばらくブロックしておいて。」

 

「了解です」

 

ミカに頼んでしばらくメールが来ないようにする。これで一時的ではあるものの俺の安全は確保できた。

 

 

_______________

 

 

合宿は3日目に入る。

 

昨日、一斗達に頼み込まれてしまい仕方なくはやてちゃんに連絡を取った。

 

結果は組んでくれるそうだ。まぁ、その代わりに俺が犠牲になりそうだが。

 

で、お互いに顔を見せておくことになった為アインハルトとルーテシアが連絡を取り合う事になったのだが、俺も必要だと言われてしまい、同行する事になった。

 

何故かアインハルトは緊張しているようだ。

 

「アインハルト、緊張するだけ無駄だよ。」

 

「はぁ。」

 

納得がいかなそうだが、そこは仕方がない。今すぐにでも俺はここから離れたい。

 

『あ、オッス。ルールー、戦兎』

 

「おいーっす。アギト」「久しぶりだね、アギト」

 

『デバイスの件だよな?ちょっと待っててくれ』

 

アギトが連絡に出てくれた。彼女はS.S事件の後、シグナムの相棒になり家族になった。前回は少し用事で外していたらしい。今はやてちゃんを呼びに行っているのだろう。

 

で、映ったのは

 

「た、たぬき?」

 

狸がたぬきの面を被っている。これにはアインハルトも気が抜けてしまう。

 

「はやてちゃん....ついにたぬきになったんだね。みんなに散々たぬきって言われ続けたし、それにこれで....」

 

『巧にぃ?まだなる気はないよ?たぬきになる前に巧にぃを_______』

 

ミカが通信妨害をしてくれる。危ない、こっちにはまだ中学生がいるんだぞ!しかも

 

「自分がたぬきっていう自覚あったんだ.....」

 

今明かされる衝撃の事実ぅ!何の得もないけどね!

 

「話が進まないから戦兎さんはここで退場で。」

 

「ああ。」

 

ようやく解放される_________

 

『巧にぃ、帰って来たら覚えときいや。』

 

今のはやてちゃんの言葉は聞かなかった事にしよう。そうしよう。

 

で、如何やら無事に話は進み決まったらしい。

 

俺の日常は何処へと向かっているのだろう。





読者の皆様は口を揃えて言うだろう。

「知ってた」

と。


失礼しました。

感想お待ちしています。

それではまた!

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