迷い込んだのはリリカルな世界 By Build   作:Plusdriver

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GOOD ENDルートを読んでいる方はこの話で彼等の秘密が明かされるでしょう。


他のルートを読んでいる方は既に知っているはずなので流して読んでいただけると幸いです。






23.一斗と戦兎の秘密

ミカはビルドフォンへと戻り俺はみんなのもとへ向かった。しばらくするとはやてちゃんがみんなの前にやって来る。

 

「えー、ほんならひとまず一段落ってことで。私たちはこの子を連れて行ったん戻るなー。ほら、ファビア」

 

「......ごめんなさい」

 

「被害者一同どう?」

 

と、魔女っ子ことファビアが謝るとみんなは普通に許してくれた。そうさ、これでいい。これが俺の求めたものだから。他人を許せる強さをこの子達は持っている。それを知れただけで十分だ。

 

そしてファビアを連れてはやてちゃんはこの場を後にした。気が付いたら彼女は俺を見ていた。きっと、ミカのことが気になっているのだろう。

 

【今度会いに行くか?】

 

『はい!』

 

ミカに念話をするとそう帰ってくる。きっと遠くない未来、彼女が笑う姿を見ることができるだろう。

 

俺はとある本を持っていた。

 

『双王物語』

 

かつてパンドラボックスを封印していた本であり、今は俺の手持ちとなったこの本。

 

この本には以前物語が記されていた。だが今は最後の1ページを除いて白紙である。

 

そこには

 

 

『異星からの破壊者はまだ生きている』

 

と記されている。

 

それが意味することを理解している戦兎はみんなと別れ龍斗と共にパンドラボックスの元へ向かった。

 

____________

 

 

第27回インターミドル・チャンピョンシップ。

 

その本選開会式はもう明日に迫っていた。

 

俺達仮面ライダーは既に調整を済ませて、万全の状態でいる。

 

そんな中、ベルナージュに教えられた真実を今日、集った皆で聞くことになっている。

 

なのだが.....

 

「あの....ミカさんや。なんで俺はこのような姿に?」

 

「すいませんマスター。興味があったもので。」

 

「ナイスやミカ!これで巧にぃを独り占め....えへへへへ....」

 

「私、頑張りました。」

 

「よくできましたね、ファビア。」

 

「......////」

 

そう、ミカに動きを止められてファビアの魔法により幼児化させられたのだ。そして今ははやてちゃんに捕まっている。そしてミカに自分の頑張りを伝えて褒められているファビア。彼女が主犯ではない。我が妹はやてちゃんが主犯である。そしてファビアは遊びに来ていたヴィヴィオ達と部屋の外へ行ってしまう。

 

 

「放してくれますか?」

 

「嫌やで?」

 

残念ながらこのまま話を聞くことになりそうだ。

 

既に一斗と龍斗に助けを求めるのは諦めている。

 

「さて、話を始めさせていただきます。」

 

ああ、始まっちまったよ。リインが俺の頭に乗ってくるが気にしない。もう考えないようにしよう。

 

「まずはマスター、桐生戦兎についてですが....」

 

そうだ、俺はただの一般人として生きてきたんだ。一体何が俺に残っているんだ?

 

「ベルナージュが希望を託した一族の末裔です。」

 

ま、

 

「マジかよ.....」

 

こればかりは驚かずには居られない。まさか火星人の血が混じっているとは。

 

「マスター、あなたは最後の希望です。エボルトがいない今、もうエボルトと戦うと7いう使命はないので安心してください。」

 

だが、俺にはまだ気になっていることがある。あの本に記されていたあの言葉。あれが本当の事ならば....

 

「次に、一斗様。あなたには、本当に大変な運命がつきまとっています。」

 

「な、何があるの?」

 

一斗は少しおびえながらも聞こうとする。

 

「貴方は、エボルトと同じ者です。」

 

『!』

 

全員が驚きを隠せない。はやてちゃんなんかは俺を拘束していた腕の力が抜けていった。少し楽になったな。

 

「エボルトの遺伝子は貴方の両親が住んでいた町に放たれました。その結果お腹の赤ちゃんに取り憑いたのですが、全てがリセットされ普通の人間として産まれました。あなたがハザードレベルを持っていたのはそのせいです。」

 

これで納得がいった。何故一斗がハザードレベルを持っていたのか。そして研究所が火事に襲われたのは。

 

「私が教えてもらったのはこれですべてです。」

 

俺はすぐにはやてちゃんの拘束から抜け出して一斗に抱きつく。

 

「父...さん....」

 

「大丈夫。君が何者であっても君は俺の、博士たちの息子だ。だから....」

 

「わかっているよ....」

 

精神が安定していない。そんな一斗をあやすように呟く。今俺は身長が一斗と同じため、抱きかかえる事はできない。

 

「.....ん、もう大丈夫だよ。父さん。」

 

「そうか...」

 

俺から離れていきミカと目を合わせる。

 

「僕は、過去に何があっても父さんの息子だ。それ以外の何物でもないよ。」

 

「.....その言葉を聞いて安心しました。これからもよろしくお願いします、一斗様」

 

「うん!」

 

 

ああ、なんて一斗は強い子に育ったのだろう。昔から誰かのために戦うことが出来る優しい子。

 

きっとこれからも、その本心は変わらないだろう。

 

 

そんな一斗を俺は見守り続けたい。

 

 

そう思いたかった。アイツが戻ってくるまでは。

 

 

 

 

 

 





遂に明かされた秘密。

それを乗り越えた少年。

そんな中始まる大会。


そう、彼らがぶつかり合う。


次回、『総当たり戦』


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