迷い込んだのはリリカルな世界 By Build   作:Plusdriver

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41.絶望の淵で

あれから5日が経った。

 

世界中はパニックに陥り、人が様々な事をしていた。そんな中、エボルトは翔の姿でパンドラタワーの頂上から見下ろしながら3日前の事を思い出す。

 

あの日、管理局は全ての管理世界に伝えた。エボルトの存在を。そして、全てを破壊しようとしていることを。

 

それはただ信憑性がなかったからか一部の人々は以前と変わらないように過ごしていた。それが気に入らなかったエボルトは自身の姿を管理世界中に放送した。俺が仮面ライダーさえも破壊したことを交えて。

 

その結果がこれだ。管理局の対処は間に合っておらず、人々は何処へ逃げるのかとエボルトはその様子を観察した。

 

「これだから人間は面白い。少しこの星を滅ぼすのが惜しいか....」

 

彼の中にあるのは純粋な程の破壊に対する思いと、戦兎との戦い、そして人間の愚かさだけだった。

 

 

__________

 

 

既にライダー全員とライダーシステムはほぼ元通りになっていた。

 

 

ただ戦兎を除いて。

 

『私の方から出来るのはこれくらいだ。』

 

「ありがとうございました。」

 

『......戦兎君の様子はどうかね?」

 

 

ディスプレイ越しでティーダと葛城はライダーシステムの全メンテナンス、強化を終わらせた事について話していた。

 

 

「戦兎さんは、今もベッドから動こうとしていません_______」

 

あれから5日が経った今も戦兎はベッドから離れることはなかった。既にティアナ達は管理局に呼ばれて仕事に向かっている。学校は殆どが休校状態だ。勿論、St.ヒルデ魔法学院も例外ではない。聖王教会自体が機能していないようなものなのだから。

 

 

『龍斗君は今日も?』

 

「はい。今日は、一斗とヴィヴィオも一緒に。」

 

2人が視線を向けた先にある戦兎の病室に、彼らは今日も向かっている。

 

_____________

 

 

「戦兎」

 

「....今日も来たんだな。」

 

戦兎は身体を起こして外を眺めていた。自分がいたパンドラタワーを。

 

「父さん......」

 

「パパ....」

 

以前からこうやって話をしに来ていた龍斗。遂に機能しなくなった学校へ行くのを辞めた2人も来ていた。

 

「戦兎、聞いてくれ。」

 

「.................」

 

戦兎から返事が返ってくることはない。だから、龍斗はそのまま話し出した。

 

「俺達の使うライダーシステムは葛城さんによって強化された。それを使って2日後、戦うつもりだ。」

 

龍斗は先に完成した戦兎のビルドドライバーを机の上に置く。

 

「俺達は戦う。最後の最後まで。」

 

そう言って、龍斗は部屋から出ていった。残ったのは、一斗とヴィヴィオ

 

「父さん、聞いて。僕も、また戦うことにしたんだ。今度こそはエボルトを倒すために。」

 

「...........そんな事、出来るわけがないじゃないか」

 

戦兎は一斗の言葉にそう返す。

 

「このままただ見ているだけなんて僕にはできないんだ。」

 

「....その先に待っているのは破壊だけだぞ!俺は.....博士達にどう顔を見せればいいんだよ!」

 

普段とは違い、戦兎は一斗に強くあたる。警告を込めて。

 

「僕は父さんみたいな、カッコイイヒーローに憧れたんだ。」

 

「そんなもの、只の幻想にしか_____」

 

「そんなことはない!原に父さんは何度も世界を救ってきたじゃないか!」

 

一斗ははやてから聞かされていた。自分の父親が今迄何をしてきたのかを。戦兎は唇を噛み締め俯く。

 

「パパ、聞いて?私も、皆戦うことにしたんだよ」

 

「無駄なことを________」

 

「無駄なんかじゃない!!!!!!」

 

ヴィヴィオは返してきた言葉を否定する。今迄、みんながやってきたことを全部その言葉で片付けて欲しくないから。

 

 

「なら_______俺はどうすればいい!!!!!」

 

戦兎は2人に向かって言い放った。この絶望的な状況で、あと2日しか無い状態で何が出来るのかを。

 

「一緒に、戦って。そして勝つんだ。エボルトに」

 

「世界を救うんだよ」

 

そんな戦兎に二人はそう言った。そして部屋から出ていった。

 

「俺は__________」

 

戦兎のその言葉は誰に聞こえるわけでもない。机の上に置かれたままのビルドドライバーが彼の視界に入っていた。

 





エボルトへの恐怖。戦兎の決断。

そして、動き出す最終兵器。


『ジーニアスは止まらない』
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