迷い込んだのはリリカルな世界 By Build   作:Plusdriver

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55.あれからどうなったのか

「んぁ......戻ってきたみたいですね」

 

「ああ、小さい一斗さんの感覚がががg......」

 

彼女達は無事に元の時代に戻ってきた。

 

「何やってんだ?」

 

そこにこの時代の一斗が花束を抱えてやって来る。

 

「一兄、久しぶり!」

 

「おう。さぁいくぞ。ハル、ヴィヴィオ」

 

一斗はその足を先に進めていく。

 

「待って下さい~」

 

その後を彼女達は駆け足で追いかけた。既に龍斗は目的地で待っているという。

 

「よっ。久し振りだね」

 

先輩が順番を譲ってくれたと言いながら一斗はその石に話しかける。

 

ここは聖王教会。英雄、創成王の眠る地である。

 

「会えてよかったよ、パパ」

 

ヴィヴィオが流した涙は、誰も気が付く事はなかった。

 

 

____________

 

「今日は龍斗さんいないんですね」

 

「ああ、今日はあの人の命日だからなぁ.....」

 

 

ふと耳に入った会話から今日見た夢を思い出す。

 

「ビルドと共闘したんだよな....」

 

トーマは横にいたリリィに言葉をこぼす。

 

「あの夢、とってもすごかったよね」

 

彼等は思い出していた。夢であった英雄達のことを。

 

『アイシス、トーマ、リリィ!今すぐに司令室に来い!!!!』

 

ヴィータの声で現実に戻された二人は、先程壊してしまったトレーニングシステムについて怒られた上に、3 on 3によってボロボロになるのだがそれは別の話。

 

 

___________

 

 

彼等は今頃、何をしているだろうか。

 

俺達は元の時代に戻って来てそれぞれの生活に戻った。

 

今日も龍斗と一斗はナカジマジムへ行っているらしい。

 

俺は_______

 

 

「ここが......エルトリア.......」

 

 

依然聞いていた無人世界というものではなく、有人世界となっていた。まぁ、今は静かな世界となっていた。

 

 

「.........やっぱりな」

 

戦兎は依頼されていた遺跡に到着して中に入ると、大きな壁画があった。

 

白い羽を広げた女の子。赤みがかった黒い拍翼を持った女の子。

 

青い髪をしたツインテール。そして、静かに佇む茶髪の女の子。

 

 

そして、仲良く背中合わせで描かれた二人の女の子。

 

 

「よかった......」

 

 

石版の下には日本語でこう彫られていた。

 

『ありがとう、小さく強い魔術師達』

 

 

俺には彼女達と会う手段がある。でも、会いにいこうとは思わなかった。

 

 

彼女達は今何処で何をしているのだろうか。それは誰にも分からない。

 

 

遺跡という名の一軒家から出てきた戦兎の手には、あの日渡したボトルが握られていた。

 

_________

 

 

「父さん、これを渡せば未来は変わるんだろ?」

 

「ああ。だが、それに失敗したら二度とこの時代に戻っては来れなくなる。」

 

一斗は戦兎から2本のフルボトルを渡されてエニグマの前に立つ。

 

「頼んだぞ.....」

 

転移が完了したのと同時に戦兎は気を失った。

 

「あ~あ、この世界だと、アイツが俺から逃げていくんだな」

 

研究室に乗り込んできた異形は思いっ切り破壊を開始した。




1:TRUE ENDルートの未来の一つ。はやては龍斗に教えてもらった戦兎の残した物を集める旅に出ている。Force編は無い。


2:TRUE ENDルートの未来の一つ。龍斗は戦兎の墓参りに行っている。一斗はなのはと模擬戦をしていた。


3:我らが主人公生存ルートの未来。過去のエルトリアが変化したことで、未来が変った。

報告書には、エルトリアを救った6人の石碑が有ったと綴った。


4:A‘s編でグリスが登場した理由。あの世界は、万丈龍斗と旅に送り出した世界と繋がっていたりする。

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