迷い込んだのはリリカルな世界 By Build   作:Plusdriver

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57.学院祭

「はやてちゃん、迎えに来たよ」

 

「おはよう、巧にぃ」

 

今日は学院祭当日。戦兎はヘルメット片手にはやてが家から出てくるのを待っていた。

 

「おはよう。ほら」

 

「よっと」

 

戦兎の後ろにヘルメットを被ったはやてが座る。

 

「いくよ」

 

「♪~~~」

 

はやての鼻歌を聞きながら戦兎はバイクを運転した。

 

 

___________

 

 

「さて、一斗のクラスは何をしているのかな?」

 

「楽しみやな~」

 

俺の右腕ははやてちゃんがくっついている。少し周りの目が気になるが.....

 

 

「巧にぃ、ここ。1年B組の出し物」

 

辺りを見渡しながら、会話をしていた俺達は体育館にでた。

 

「スポーツバー?」

 

「はい、ようこs....皆大変!!!ビルドが、本物が来ちゃった!!!!!!!」

 

「あらら...」

 

俺は看板を読み上げただけなんだが....

 

受付と思われる少女は慌ててクラスメイト達に駆け寄っている。気が付いたみんなも静かに慌て始めている。

 

「あ、父さん」

 

「よう、一斗」

 

 

荷物を運んできた一斗に会った瞬間、体育館はざわつく。

 

本当だったんだ.....

 

って台詞が多く聞こえる。この学校の先生方は一斗の事をちゃんと理解してくれている為、ライダーだって事は以前の総当たり戦を知らないと知りえないことになっている。

 

「こんにちは、一斗さんのお父さん、八神司令」

 

「こんにちは、アインハルト」

 

一斗が荷物を置きに行くと行ってこの場を離れると入れ替わるようにアインハルトがリングから降りてきて挨拶をする。

 

「魔法少女みたいな恰好やな♪」

 

「これは皆さんに着せられて....」

 

 

彼女は何処か気恥ずかしそうに答える。すると、腕がつねられた。目線を逸らすとはやてちゃんに強制的に目を合わせられた。

 

「ここで....しちゃう?」

 

「な、何を言ってるんだ!?」

 

「?」

 

アインハルトはその言葉の意味を理解してないようだ。流石に彼女を止めなければならないので頭をつかんでいた両手を話してもらい、話題を変える。

 

「アインハルト、アームレスリングって何をするんだい?」

 

「あ、それは....」

 

俺はアインハルトにルールの確認をする。はやてちゃんはその顔を膨らませたが直ぐに元に戻っていた。

 

 

 

__________

 

「勝ちました」

 

「おめでとう、アインハルトさん」

 

俺はアインハルトに負けた。俺の力は絶対じゃない。悪いけどこれで理解してくれただろう。俺も一人の人間だと。ライダーシステムが無いとただの魔術師でしかないと。

 

「お疲れ様ー」

 

ドリンクを注文して待っていた。はやてちゃんからそれを受け取る。軽く飲むつもりだったんだが、殆ど飲んでしまった。

 

「ありゃ、父さん負けちゃったか」

 

「ん、仕方がないだろう。俺の力はライダーシステムあってのものだからな」

 

 

それは俺もそうだけど...と何か言いたげな一斗に俺は続きを話す。

 

「お前は龍斗としっかり特訓したから今の力があるんだ。俺も格闘技はできるけど、最低限だからな。流石にインターミドル出場者と戦うと...まぁ、簡単には勝たせないけど」

 

そう言って一斗の髪を少し雑に撫でまわす。

 

「敵わないなぁ父さんには」

 

一斗はそう言って少し嬉しそうに微笑む。

 

「さて、そろそろヴィヴィオのところにも行かなきゃな」

 

「またな~、ハル、一斗~」

 

俺とはやてちゃんはその場を後にした。集まっていた人達は無言でバラバラに散っていく。はやてちゃん、アインハルトの事その愛称に決めたんだ。

 

 

「やっぱり一斗君のお父さんって_______」

 

ある生徒が言った言葉に一斗は笑顔で返した。

 

「うん、自慢の父さんだよ」

 

「.........」

 

アインハルトはその様子を見ながら少し違和感を感じていた。

 

 

 

______________

 

 

 

「ほら、こっちや」

 

はやてちゃんが校内を案内してくれる。あっという間にヴィヴィオのクラスである4年A組に到着した。

 

『ようこそ、いらっしゃいませ』

 

「飛んでるなぁ」

 

「これぞファンタジー」

 

フワフワと飛び回る大量のウサギのぬいぐるみに出迎えられた。これは操作魔法かな....コロナちゃんが関わっているだろうと考える。

 

「いらっしゃいませ~。あ、戦兎パパにはやてさん!」

 

「よう、遊びに来たよ」

 

「お邪魔するな~」

 

何時ものトリオに席へと案内される。すると、意外な人たちがいた。

 

「お、来たか」

 

「久し振り、戦兎さん」

 

「あれ....はやて?」

 

「二人とも久し振り~」

 

龍斗とフェイト、ユーノになのはがいた。

 

「.....てへ」

 

俺ははやてちゃんを見ると可愛い仕草をしてトコトコと逃げていく。俺はそれを見ながらその後についていく。

 

 

彼女が楽しいならそれでいいかな。

 

 

__________

 

 

「どうかしたの、ティーダ」

 

『ああ、戦兎さん達に伝えて欲しい』

 

 

勉強の休憩中に電話が掛かってきた翼はティーダと話していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『無限書庫に保管されていた僕の使っていたトランスチームガンとボトル、パンドラパネルが一枚、何者かに盗まれた』

 

 

 

この窃盗は何も壊されておらず、内部の者の仕業だとティーダは続けて語った。

 

 

 

 

 

これが、事件の始まりだとは気が付かずに。





評価、感想お待ちしています。

それではまた!


________


戦兎達は学院祭を楽しむ。


だがその裏で物語が再び動き出した。




次回、『ナイトローグ』

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