迷い込んだのはリリカルな世界 By Build   作:Plusdriver

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61.ロストボトル

一斗は無事に家に帰ってきて、何事もなかったのように学院生活へと戻っていった。

 

戦兎は自身の仕事であるデバイスのメンテナンスをする為に無限書庫を訪れていた。

 

「あ、戦兎さん」

 

「お疲れ様、ユーノ。今回はこれだけか?」

 

定期的に無限書庫で使われるデバイスをメンテに来ているのだが、今回は普段より少なかった。

 

「昨日の事件のせいで、幾つかデバイスがダメになってしまったんです」

 

相手はデバイスを破壊したようだ。だからこんなに少なかったのかと戦兎は納得した。

 

「この際だから、警備を強化しようと思うんですよね」

 

「それはいいと思うぞ」

 

なんだかんだ言ってこの書庫、年中無休で局員不足なのだ。警備を強化することで安心出来る仕事場を提供しなきゃならないユーノなりの考えなのだろう。

 

「ボトルを集めている?それって...」

 

「ああ、犯人はまたやろうとしてるんだ。」

 

ユーノに昨日ティーダと話した事について話す。

 

「ですが、ボトルを作ることはそう簡単にできるんですか?」

 

「いや、出来ない。でも、特例がある」

 

「特例ですか?」

 

そう、葛城さんがアイテムを完成させる為に実験しているときに生まれたベストマッチが存在しないボトル。それがロストボトル。

 

「あれは、今全部で5本あったはずだ。もし、全部集めれば....」

 

「パンドラボックスを開けられるんですね」

 

 

単なる仮説に過ぎない。こっちの世界にあるのは2本だけだ。フクロウとキャッスルは奪われたけど、地球にはスタッグがあるし、残されたのはハンマーとゼブラだったはず。

 

「こっちで葛城さんに連絡を取ってみる。今はお互いに仕事に集中しよう」

 

「そうですね」

 

戦兎はユーノと別れてそれぞれの仕事へと向かっていった。

 

 

____________

 

 

「残り、3本.....もう少しです......」

 

ナイトローグは集めたボトルをパネルへとはめ込んでいく。

 

「最後は、彼らを襲うだけ....」

 

その壁には、もうしばらくすると行われる戦技披露会の張り紙が赤色で塗り潰されていた。

 

 

「ああ後、貴方の力を手に入れなければ....」

 

そしてナイトローグは戦兎の家に向かった。狙いは、エボルトの残したエボルドライバーである。

 

 

「私が....あなたの代わりに........」

 

 

彼は既に同僚達が知っていた彼とは違っていた。エボルトの圧倒的な破壊に憧れた狂人者はその足を進めた。もう一度、ミッドチルダを、この腐った世界を破壊する為に。

 

 

 

「待っていてください......私が神の力を手に入れて貴方達の復習を終わらせます」

 

机に置かれた写真。そこには親子のものだと思われる写真があった。

 

 


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