迷い込んだのはリリカルな世界 By Build   作:Plusdriver

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65.英雄は散る

「戦兎さん!」

 

「待たせた、一斗とヴィヴィオは!?」

 

戦兎は転移することで学院にやって来る。如何やら二人共目立った外傷はないらしく、保健室で眠かせているらしい。

 

「そうか......先生、遅くなって申し訳ございません。」

 

「いえ....私達は何もできませんでしたから.....」

 

一斗の担任である彼女とはかなり長い付き合いだ。

 

「それでも謝らせてください。自分が遅れていなければ、ここまで被害は出なかったはずですから」

 

戦兎は視線を校舎へと向ける。そこには結界を越えて壊された校舎が有った。

 

「取り敢えず修復します。先生はこのまま生徒に被害がなかったかの確認を」

 

「はい!」

 

先生とコロナ達が校舎の中に戻っていたのを見送った戦兎は大きな魔法陣を展開する。

 

「ミカ、あそこをさっさと直s

 

戦兎がそう言い終わることはなかった。

 

あれ.....何で俺は倒れているんだっけ.....?

 

ドサッとグラウンドに倒れ込む。ミカが直ぐ人型になる。

 

「マスター!しっかりしてください!!!」

 

だが、飛んできた銃弾で撃たれ動けなくなる。

 

「......とんだ収穫でした。貴方が出てきてくれるなんて。」

 

結界の端から、グランディアが顔を出す。

 

「グランディア......!」

 

「デバイスですか.....まぁいい。あなたでもエレキスチームが通用することが解りました。そして、英雄。貴方のもつボトル。頂きます。」

 

戦兎はその腹から血を流している。その衝撃で落ちた二つのボトルをグランディアは拾い上げた。

 

「これは......後1つ......」

 

その光景をミカは見ていることしかできなかった。

 

「感謝しますよ、英雄。あなたのおかげで私の彼岸は叶う」

 

そう言って今度こそ煙の中に消えていく。

 

「先生!しっかりしてください!先生!せんせぇ!!」

 

ミカは叫び続けた。

 

「何が....一斗さん!?」

 

様子を見に来たリオによって戦兎は病院へと運ばれた。

 

 

_____________

 

 

 

「ああ、残り一つ。それがそろえば、私の....」

 

 

グランディアは自身の眼鏡をかけ直す。ロストボトルはパネルにはめ込まれ色が変わっていく。

 

「これで私があの方の力を手に入れる!!!!」

 

『エボルドライバー!』

 

グランディアはエボルドライバーを装着してパネルから取り外した2本のフルボトルをセットする。

 

『オリヴィエ』『クラウス』『ベルカマッチ!』

 

ハンドルを回していくと全身の血管が浮き上っていく。

 

「まだ....このくらい、なら!」

 

ボトルの成分は抜けていきエンプティボトルへと姿を変える。

 

「あとは....これを....」

 

そして、一斗に突き刺したボトルを自らの腕に刺す。

 

「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

全身の血管は次々に元に戻っていく。叫んだグランディアは微笑んだ。

 

「遂に、遂に手に入れたぞ!!!あの方の、エボルトの力を!!!」

 

それはただの再現でしかない。だが、既に英雄は動けない。

 

「今こそ、世界を破壊するとき!!!!!!!!!」

 

 




戦兎は倒れた。ミカすらもう動くことができない。


グランディアはパンドラボックスを手にする為に無限書庫へ向かう。


そこには龍斗とティーダが。


次回、『マッドな世界』

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