迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
「今こそ、あの日を再び!!!!」
パネルに後一つのボトルをセットする必要がある。だが、それはこの世界にはない。それでも、パンドラボックスにグランディアはセットしようとした。
「ぐっ.....ゆうことをきけぇぇぇ!!!!!」
だが、パンドラボックスはそれを受け入れなかった。
「......ふざけるな.....後1本、それさえあれば......」
グランディアは聞こえてきた足音に視線をずらした。
「ああ、まだ....いや、これでいい.....」
その先には、彼等がいた。
「待っていたぞ、仮面ライダー!!!」
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「ティーダさん!ミカさん!」
「アインハルト!一斗君も!」
あの日、パンドラタワーが建った場所。今は石碑がある場所。既にこの街にはあの日と同じ様にスカイウォールが出てこようとしている。街から逃げていく人々の中から彼等は出会った。
「一斗様、その体では「それでも!」
ミカの言葉に一斗は答える。人々が流れ去っていく雑音の中、それははっきりと聞こえた。
「僕は戦います、ヴィヴィオの分まで!!!」
ああ、それは____
「行こう、一斗君。僕達は勝たなきゃならない。戦兎さんと龍斗さんも分まで」
「.......くっ」
一斗はここでそれを知った。でもそれを表に出そうとはしなかった。
「はい!」
彼等は人混みの中を進んでいく。グランディアを止めるために。
_________
『デンジャー』
「変身!」
『クロコダイル in ローグ』『オーラァ!!!』
すぐさまティーダは姿を変えて、スチームブレードで切りかかる。
「そんなことをしても無駄だ.....お前たちが持つボトル。全ていただくぞ!!」
『バットエンジン!』
グランディアはマッドローグに変身した。互いのスチームブレードはぶつかり合った。
「パンドラボックスを開けるのを辞めろ!」
「俺は世界を、変えるんだぁ!!!!!」
『聖王の鎧』
マッドローグは体から虹色のオーラを放つ。
「それは、オリヴィエの!?」
一斗はツインブレイカーにキャノンモードのフォレスをセットして構えたまま、何も言わない。ただでさえライダーに変身していても何とか耐えられる集束砲を放ったのだ。それをもう一度すれば、一斗の体は本当に壊れてしまう。
既に日が傾き始めている。マッドローグとローグの戦いは夕陽をバックにした。
「一斗様、ユニゾンしましょう」
「えっ?」
「すれば貴方の体へのダメージは減らせます」
ミカの提案に一斗は一度はためらうもすることにした。
「お願いします!」
『『ユニゾン・イン!』』
アインハルトは何時でも参戦出来るように構えていたが、気になり目を向ける。
「安定、してます!」
髪が伸びて何処か大人びた一斗がいた。目の色もミカと同じ青色に変わっている。
「アインハルトさん。このまま狙い撃つから僕を受け止めてくれる?」
その問いに頷いた。アインハルトはすぐさま一斗の後ろに回る。
「ティーダさん!」
「ああ!」
『クラックアップ・フィニッシュ!』
ローグはすぐさまレンチを押し下げて、両足で鰐の顎を形成して挟み込む。
「こんなもので....」
「今だ!」
聖王の鎧はローグの必殺技を受けてそちらの対処に回されていて、腹部以外にオーラは見られない。
「ティーダさん!離れてください!」
「無理だ!今僕がここを離れたら、完全に守られてしまう。だから早く!!!」
それを聞いた一斗は、泣きながら引き金を引いた。
「あああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「まだ、こんな所でぇぇぇ!!!!!!!!!!」
「またね、一斗君」
反動で吹き飛ばされた一斗はアインハルトが抑える。
「ぐ、うおおおお!!!!!」
アインハルトは両足で今迄した事がないほどに踏ん張った。そして
「これで、揃った」
ティーダは変身が解除され転がっており、クロコダイルクラックフルボトルがマッドローグが持っていた。
「そんな....」
アインハルトの驚愕の台詞は、彼らの心を代弁していた。
「お前を最初に壊すんだったな。シネ」
『スチームショット』『バット』
ユニゾンが解除されてミカはビルドフォンへと戻り遠くへ飛ばされてしまった。既に一斗はもう動くことができない。アインハルトはその一撃が一斗の体を捉える前に_____
「がふっ....」
「えっ...」
その身を盾にして一斗を守った。血を腹から流しながら倒れてバリアジャケットが解除される。彼女の制服は赤く染まり始めていた。
「アインハルトさん!!!」
「諦めないで、下さい....貴方が最後の希望で....」
そこで彼女は喋らなくなった。
「アインハルトさん!アインハルトさん!」
一斗は身体を引きずりながらもアインハルトに声をかけ続ける。
「かばった奴が死んだか。なら」
もう一度、マッドローグはライフルモードを構える。
だが、それは飛んできた援軍に止められた。
『♪~~~~』
「お前は、龍王の!?」
ドラゴンは連続で炎を吐きながら攻撃を続ける。だが、
「邪魔をするな!」
ブレードで切られて一斗の足元に転がる。
「ドラゴン!」
ドラゴンは自分に入ったボトルを飛ばす。それは
「!、父さんの....」
ラビットエボルボトルだった。
「これで邪魔するものはいない。今度こそシネ!!」
放たれた銃弾が自分に当たる前に一斗はそれを交わした。
『ビルドドライバー!』
「今更ベルトを手にしてどうなる?お前は、もうライダーにはなれないんだよ!!」
連続で放たれた銃弾を全て交わしていく。
「僕は、こんな所で止まってられないんだよ....」
そう言って、最後の銃弾を交わす。その手には、大きく傷のはいったグレートクローズドラゴンが。
「シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ!!!!!!!!」
狙わずに放たれた銃弾は、当たりの街並みを破壊した。
「父さん。先輩。力を貸してもらうよ!」
爆発が続く中、一斗はグレートクローズドラゴンを変形させラビットエボルボトルをセットし、スイッチを押す。
『超覚醒!』
その音の後にベルトにセットしハンドルを回す。
「ぐっ....おおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」
全身から血が噴き出る。それでも、ハンドルを回し続けた。
「僕は、みんなを守るんだぁぁぁぁ!!!!!!!!」
一斗の目の前に銃弾が放たれる。
『ARE YOU READY?』
『ラビットドラゴン!』
「ああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
銀と金のアーマーをまとったビルドが、マッドローグを吹き飛ばした。
遂に一斗復活!
みんなの思いを胸に、マッドローグへと挑む!!
次回、『正義のぶつかり合い』