迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
「君は逃げて!」
少年は助け出した少女を逃がした。だが、彼の右足に異形の触手が迫っていた。
「ステファン!!!」
彼の姉らしき女性が叫ぶ。だが、その触手が少年の足にたどり着くことはなかった。
『紅のスピーディージャンパー!』
それは、漆黒の体に目立つ赤いアーマーを装着した、
「もう、大丈夫」
『ラビットラビット!』
ヒーローが、ノイズを倒したのだから。
少年があっけにとられていると既にヒーローはとても早くにノイズを切り伏せていく。
その光景を目の当たりにした装者達も我に返り次々にノイズを倒していく。
「きゃああああああああ!!!!!」
突然少女の悲鳴が上がった。先程少年が逃がした彼女がノイズ達に迫られていた。既に逃げ場はない。彼女は泣きながら覚悟した。自身がここで灰になってしまうのだと。
『READY GO!』
『ラビットラビット・フィニッシュ!』
突然彼女の視界に腕が伸びてきた。その腕は迫って来ていたノイズを一発で消滅させた。そして、すぐさま彼女はヒーローに抱き抱えられてその場を離脱した。
「レミー!」
「お父さん、お母さん!」
彼女を連れたヒーローはすぐさま彼女の親の元へ向かい、彼女を預けた。
「待って、貴方は?」
少女は知りたかった。救ってくれたヒーローの事を。
「今は、あいつらを倒すのが先だ」
そう言ってヒーローは戦場へと戻っていった。既に数を減らしていたノイズ達はすぐさま消滅した。
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ヒーローはすぐさま先程助けた少女の元へ向かった。
「今度こそ、聞いてもいい?」
「....誰にも言わないと約束できるなら」
「うん、誰にも言わない」
少女はその言葉に深く頷いた。
「俺は、仮面ライダービルド。創る、形成するって意味のビルドだ」
少女にそう言ってヒーローは立ち去ろうとする。だが、それをシンフォギア装者が許さなかった。
「止まれ。貴様には用がある」
翼はヒーローに剣を向けた。正体不明のだからだろうと戦兎はすぐさま理解する。既に共に吸い込まれたであろう龍斗達の行方は分からない。見つけるための情報を入手する為に。
「一緒に来てもらおうか」
「その前に、変身を解除してくれ。俺もするから」
そう言ってヒーローは瓦礫の後ろへ進んでいった。
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「こちらは既にギアを解除した。早くお前も解け」
戦兎はベルトからフルフルラビットタンクボトルを取り外す。外れたアーマーがウサギの形にまとまりそして、完全に変身を解除する。
「!」
一人だけ、戦兎に見覚えがあった。
「戦兎、さん?」
「ん?俺を知っているのか?」
横にいた響と翼は驚きを隠せない。
「クリスちゃん、知り合いだったの!?」
「.......あんたは8年前両親を助けてくれた、桐生戦兎だよな?」
響の質問を無視してクリスは確認を取る。戦兎はそんな彼女から、以前出会った彼女の面影を感じ取った。
「もしかして、クリスちゃん?」
「.........なんだよ....こんなところにいたじゃねえか」
「雪音?」
翼の声すら届いていないのか、クリスは一人戦兎に向かっていく。そしてその内、戦兎にぶつかった。
「良かった....本当に....」
あのクリスが人前で泣いている。たったそれだけで彼女達の中ではパニックが起こっていた。
自分達の知っている雪音クリスは、こんな感じだっただろうか?
その答えは、覆ることになる。
原作崩壊!
彼は足をなくすことはない。
その代わりに、別の物が犠牲になった。
次回、『んだ事はわかってらぁ!』
さぁ、原作を破壊して行こうか?