迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
マリア達はカリオストロに遭遇していた。
「なーんだ。色々残念な三色団子ちゃん達か」
カリオストロの登場により切歌と調は挑発をうけてしまうが、マリアがそれを止める。
「今日は私達に出来る事を全力でやるんでしょう!?」
カリオストロはその言葉からLINKERを使い切った事を理解してすぐさま装者が来る前に始末しようとノイズを召喚しようとしたその時だった。
「きゃあ!?」
「「「!?」」」
「一体何処から!?」
いきなり砲撃がカリオストロを襲ったのだ。その銃弾が発射された茂みから、タンクタンクアーマー達が飛び出してくる。
「二人とも、今のうちよ!」
マリアは背中に先程出会ったお母さんを背負って走り出す。タンクタンクアーマー達は彼女達が離れるまで砲撃をやめなかった。
「なによこれ!?」
ボロボロになったカリオストロは今度こそノイズを召喚した。その時には、クリスが現場に到着した。それを確認したタンクタンクアーマー達は後退を開始した。
「待っていたわ!女性ホルモンが煮えたぎりそうよ!」
ミサイルに乗ってきたクリスはカリオストロが放つ攻撃をかわしながらノイズへ攻撃を続けていく。その内ミサイルに数発当たり、爆発した。そのまま放たれ続けた攻撃により、クリスは砂埃に隠れてしまう。そして、大技を発動させていた。
「焦って大技を繰り出すと」
カリオストロはそのすきを見逃さす、クリスへと接近する。
「そのすきが命取りなんだよね」
「ああ、誘い道によって隙だらけだ」
カリオストロはクリスの言葉に後ろへ振り向くが、以前見た時と違い速くなった響によって肘を腹に入れられてしまう。
「あぅ....」
「映画は何でも教えてくれる!」
カリオストロは起き上がるが、自身の後ろに何かがあることに気が付く。
「壁?」
「壁呼ばわりとはぶしつけな。剣だ」
カリオストロはこの状況に舌を打つ。だが、サンジェルマンから念話が来たことによりすぐさま転移していく。勿論捨て台詞を忘れずに。
「にしてもお前来るのが早すぎないか?」
「ああ、それはこの子のおかげだよ。」
響は脚に装着していたアーマーを取り外すとそれは茂みの中に消えていき、ラビットアーマーが顔を出した。
「戦兎さんか。あたしが来る前にもタンクアーマー達がカリオストロを射っていたしな」
クリスは自身を助けてくれた戦兎を思い出した。
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「私お水貰ってくるデース!」
「待ってきりちゃん。私も」
切歌と調は水を取りに行ってしまう。マリアはお母さんに聞く。
「お怪我はありませんか?」
「むしろあんたらの方が大変じゃったろうに。ワシがグズグズしてたばっかりに迷惑かけてしまったたねぇ」
「私達にも守る力があれば、お母さんをこんな目には....」
マリアの視線の先にはタンクタンクアーマー達がいる。自分達に力があればと考えてしまっているのだろう。お母さんは話題を変えることにした。
「そうじゃ!せっかくだからこのトマト、あんたも食べておくれ」
お母さんは背負っていたかごを降ろしてそこから一つトマトを取り出しマリアに差し出した。
「私、トマトはあんまり....」
そう、マリアはトマトが苦手なのだ。それを知らない彼女の優しさを断れずマリアはそれを受け取り食べた。
「甘い!?フルーツみたい...」
それを見たお母さんは嬉しそうに笑った。
「トマトを美味しくするコツは厳しい環境においてあげること。ギリギリまで水をやらんと自然と甘みを蓄えていくもんじゃよ」
マリアは問いかけた。
「厳しさに、枯れたりはしないのですか?」
「むしろ甘やかしすぎるとダメになってしまう。大いなる実りは厳しさを耐えたその先にじゃよ」
「厳しさを耐えたその先にこそ...」
「トマトも人間も、きっと同じじゃ」
マリアはそこに、今の自分を当てはめた。
トマトは自然に育っていく。
飼育する中で大切なのは、たまの水やりと病気になっていないかの確認だけ。
その先に待っている実りを楽しみにしながらも、厳しさを与え続ける。
この季節は、トマトが美味しくなる時期です。
このまま、ミカさんは登場しないのか!?
『早く出しなさい』
あ、はい....