迷い込んだのはリリカルな世界 By Build   作:Plusdriver

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14.2人のエボルト

「まだまだいくぞぉ!!!」

 

グリスは両手に構えた武器でノイズを次々に片付けていった。

 

「ヴィヴィオさん!」

 

「はい!」

 

協力しながら魔力の消費を控えながら打撃を決めていく。数が減っていく中で響達が分裂したノイズを追って行ってしまう。アインハルトとヴィヴィオも港から街に出てしまったノイズを追って行っている。

 

片付いた頃、一斗は拍手を聞いた。それは倉庫の上からだった。

 

「いやいや、お前がここまで成長するとは思わなかったな」

 

その声の方向を向いた一斗は驚いた。何せ、自分がいるのだから。

 

「よお、一斗。戦兎の奴の居場所を知らないか?」

 

だが、先の台詞を聞いて何者なのかを判断した。

 

「エボルト!?お前は父さんが倒したはずだ!!!」

 

「ほぉ....お前たちのいた世界だと俺は戦兎に負けたみたいだな。つまりお前の中の遺伝子を回収出来てない訳か」

 

そう言いながら倉庫の屋根から飛び降りてエボルドライバーを装着する。

 

「折角だから遊んでやるよ」

 

『コブラ』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』

 

取り出したボトルのキャップを正面に合わせてベルトにセットしハンドルを回す。

 

「変身!」

 

展開されたライドビルダーはビルドと同じ様にアーマーでエボルトを挟み込む。

 

『コブラ!』『コブラ!』『エボルコブラ!』

 

エボルへと姿を変えたエボルトは一斗へとゆっくりと近付いていく。

 

「お前を父さんに会わせるわけにはいかない」

 

『ビルドドライバー!』

 

「何?」

 

変身を解除してベルトを付け替える一斗。その理由を知らないエボルトは何処かワクワクしながらその様子を伺っている。それを気にすることなくフクをロックモードへと変形させて、フルボトルをセットする。

 

『ネクストジェネレーション!』

 

『オウル』

 

ハンドルを回してライドビルダーを展開して、左胸に右拳を持っていく。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

前後からアーマーに挟み込まれて更に追加パーツを纏う。

 

『Start up Your owl! Change GREASE LOCK!』『YEAH!』

 

「それがお前の新しい力か!!!」

 

グリス・ロックフォームを見たエボルトは嬉しそうにその口を開いた。マスクで見えないその顔が一斗には笑っている気がした。

 

「おりゃあああ!!!!!」

 

「来い!」

 

グリスは先程とは違いキャノンモードのフォレスを左、ツインブレイカー・アタックモードを右に構えている。エボルトはビームとパイルバンカーの乱れ内を交わしていく。

 

「以前と違って正確に攻撃が出来る様になっているが、俺には勝てないぞ!」

 

「わかってらぁ!」

 

ツインブレイカーをコブラフォームの左肩アーマーに突き刺す。エボルトはその威力を図り切れず後退してしまう。

 

そのスキを逃さずにグリスはベルトのハンドルを回す。

 

『READY GO!』

 

『ロジック・フィニッシュ!』

 

グリスの身体中にあるスピーカーから衝撃波が発生する。ツインブレイカーが突き刺さりひびが入っていた肩アーマーは砕け散り、ツインブレイカーが落下する。エボルトは肩アーマーの破壊に驚き更には衝撃波と共に出された高音のノイズによって動きが鈍ってしまう。

 

『ビームモード』

 

『READY GO!』

 

ミッドチルダの街を破壊した異星人に一斗は一切の容赦をしない。落下するツインブレイカーを右手で拾い上げて直ぐにビームモードへと変形させてフォレスをセットする。

 

「これでも食らっとけ!!!」

 

『レッツフィニッシュ!』

 

放たれたエネルギー砲はエボルトを空中へと吹き飛ばした。

 

「がっ.....」

 

変身が解除されて一斗の姿をしたエボルトが現れる。

 

「俺はもうお前の遊び相手じゃない」

 

一斗はツインブレイカーをエボルトへと向ける。そんな中でエボルトは話し出した。

 

「俺の予想を超える成長を遂げたお前に免じて、一つ良いことを教えてやる」

 

「何?」

 

「お前が成長していく中でどうやっても俺に近付いていくことにな」

 

エボルトの言葉に一斗は思い当たる節が有った。マッドローグとの戦いの中で変身したラビットドラゴンフォームは本来ベストマッチの組み合わせではない。それなのに何時も以上の威力が出たのはエボルトの力があったから?

 

一斗はそれ以上エボルトの言葉を聞いてはいられなかった。

 

「黙れええええええええ!!!」

 

だが、放ったエネルギー弾はエボルトが開いた小型のゲートに吸い込まれていった。

 

「今度は完全体で遊んでやるよ。戦兎によろしくな、チャオ♪」

 

そのままエボルトはゲートの中に消えていった。変身を解除した一斗は呟いた。

 

「僕は、エボルトになってしまうのかな....」

 

その答えは返ってこない。一斗はそこから動かず、アインハルトとヴィヴィオが来るまで空を見上げていた。




一斗は自身がエボルトだという事を知った。

だが、余りにも考えている時間はなかった。



次回、『愚者の石』




クオリティは落ちていく。

それではまた!

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