迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
『極熱筋肉!』『クローズマグマ!』『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』
「オラァ!!」
クローズマグマへと姿を変えた龍斗はその拳をエボルトに叩き込む。
「ぐぉ....ハザードレベル5.5か....お前も一斗の様に成長し続けているみたいだな!」
食らったエボルトはそのハザードレベルを測り、嬉しそうに攻撃を放った。紫のオーラをまとった左拳が龍斗の腹部を襲い、龍斗はマグマで有ってものけぞらされてしまう。
『ドラゴン』『ライダーシステム』『エヴォリューション!』
『エボルドラゴン!』
「お前にはフェイズ2がお似合いだ!」
コブラエボルボトルをドラゴンエボルボトルへと交換してドラゴンフォームへと変化したエボルトは呼び出したビートクローザーで斬撃を放つ。
「うおおおおおおお!!!!!!!!!!」
複数放たれた斬撃は周りの建物を破壊する事ができるものだった。全て交わすことができるクローズマグマだが、建物の中に人影を見付けてそのビルを守るようにその斬撃を受けた。
「ぐはぁ....はぁ......」
変身が解除されて地面に崩れ落ちる。威力を自分の体で相殺した為、服の下から血が流れ始めていた。
「ビルにいた奴を庇ったか....まぁいい。お前のハザードレベルは測れた。後は戦兎だ。」
「ま......て.....」
龍斗は薄れていく意識の中でエボルトの後ろ姿をぼんやりと覚えていた。
その後、ノイズの反応が有った為にやってきた装者達に発見されて病院へと運ばれた。
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「龍斗....」
戦兎は自身の病室に連れてこられた龍斗を見つめた。体は健康そのものなのだが如何せん切り傷が大きく完治するのに1月は掛かるといわれてしまった。まだ意識がぼんやりとあるからか、龍斗は戦兎に手を伸ばした。
「......戦兎、これを」
龍斗が渡してきたのは、金色に輝くボトルだった。
「それには.....愚者の石の.....成分が.....」
「分かった。もう休んでいてくれ」
全て言い終える前に龍斗は眠りに付いた。戦兎は静かに自身のベッドから降りて私服へと着替えビルドドライバーを装着した。
「龍斗。仇は取ってくる。」
戦兎はそう言って病院の窓を開け飛び出した。ここは病院の二階なのだが、地面に降り立つ前にマシンビルダーを起動させ、目的の場所へ向かった。一斗達から聞いた鏡写しのオリオン座を一望できる場所はただ一つ。そこにあいつもいるだろうと思いながら。