迷い込んだのはリリカルな世界 By Build   作:Plusdriver

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26.エピローグ

「よ、もう退院か」

 

「魔法で治療したからな。やっぱり早えな。」

 

龍斗は退院を果たした。エボルトを倒して終息した事件から既に3日が経っている。今日は出来なかった響の誕生会を開くらしい。

 

「龍斗さん、荷物は持ちますよ」

 

「悪いなティーダ。頼む。」

 

ティーダは龍斗から荷物を受け取った。

 

ティーダとミカだが、響が繭になっている間に再会をする事に成功しており、戦兎の作戦で歌うことになっていたヴィヴィオとアインハルトの警護に当たっていたのだ。ミカが使ってきたエニグマの修理はもう済んでいる。

 

ふと、戦兎はエニグマに表示されなくなった数字を思い出した。

 

「393か.....」

 

今ならその数字の意味が分かる気がしたのだ。

 

愛する人の為に、ラスボスとなってしまいそうな彼女の事だろうと。

 

きっと今も響の隣には彼女がいる。その思いが打ち明けられる事はないかも知れないが、戦兎は彼女の幸せを願った。

 

「さて。龍斗も退院したことだし、最後の仕事をしに行くぞ!!」

 

「おう!」「「はい!」」

 

一斗、龍斗、ティーダ、戦兎は目的の場所へ向かう。今夜は満月なのだから。

 

____________

 

 

既に響の誕生会の準備は整っている。クリスは腕を振るって料理中だ。

 

そんな彼女たちは知る由も無いだろう。今から起きるとんでもないことに。

 

 

「あのバカが戻ってくるまであとどれくらいだ?」

 

「大体2時間といったところか」

 

「調、ここも飾り付けるデス!」

 

「そうだね」

 

 

彼女達にひと時の平穏が訪れているのだから。

 

 

____________

 

 

「それじゃあ、先に戻るね」

 

「お待ちしてます」

 

エニグマを起動させてゲートを開き、ヴィヴィオとアインハルトは海鳴市に戻っていく。

 

ゲートが完全に閉じたことを確認して戦兎はエニグマを停止させる。

 

「3人とも、いける?」

 

「あまり期待すんなよ。病み上がりなんだから」

 

「全力でいけます」

 

「確実に破壊するよ!」

 

どうやら3人とも準備は完了しているみたいだ。全員がベルトを装着する。ここはあの日の戦場。

 

『ジーニアス』

 

『クローズマグマ』

 

『フォートレス』

 

『クロコダイル』

 

 

「「「「変身!」」」」

 

『ビルドジーニアス!』『スゲーイ!』『モノスゲーイ!』

 

『クローズマグマ!』『アーチャチャチャチャチャチャチャチャチャアチャー!』

 

『Keep shooting GREASE Fortress!』『YEAH!』

 

『クロコダイル in ローグ!』『オーラァ!!!』

 

全員がライダーに変身する。そして、戦兎はゲートを開いた。

 

「あの遺跡を破壊する!」

 

「「「おう!」」」

 

それぞれが武器を構える。

 

『ファイナルマッチで~す!』『ラストマッチで~す!』

 

『READY GO!』『スペシャルチューン!』『ヒッパーレ!』『ヒッパーレ!』『ヒッパーレ!』

 

『READY GO!』『ボトルチャージ!』『ネクストジェネレーション!』

 

『ギアリモコン!』

 

武器にフルボトルをセットしていき、最大火力を放てるようにし、ベルトを操作した。

 

『ワンサイド!』

 

それはカウントダウンに聞えた。

 

『逆サイド!』

 

ゲートの先には複数の魔法陣が連なっている。その先には月の遺跡があった。

 

『オールサイド!』

 

『『READY GO!』』

 

「今だ!」

 

全員がトリガーを引いた。

 

『ジーニアス・フィニッシュ!』『ラストマッチ・ブレイク!』

 

『ボルケニック・フィニッシュ!』『レッツフィニッシュ!』

 

『フォートレス・フィニッシュ!』『レッツフィニッシュ!』

 

『クラックアップ・フィニッシュ!』『ファンキードライブ!』『ギアリモコン!』

 

「「「「届けえええええええええええええええええええええええ!!!!」」」」

 

 

放たれた砲撃は魔法陣を通りその威力を上げ、更には一つに纏まり月の遺跡に衝突する。

 

そして、月は消滅した。落下を始める月の破片は次々に魔法陣に吸い込まれていく。

 

 

「エニグマ、最大室力!」

 

戦兎は無人世界の地球とこの世界を繋げた。そして、その世界の月を転移させていく。

 

「ぐうううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

一斗達が地球の周りに張っている結界は全ての衝撃波を受け止めている。

 

変身が解除されてもなお、彼等は耐えた。

 

そして、月は入れ替わった。

 

 

「「「「終わったぁ!!!!」」」」

 

4人は喜んだ。こうして『バラルの呪詛』の源と結論付けられた月は破壊された。

 

「父さん。僕、エボルトを受け入れようと思うんだ。」

 

一斗は語った。今迄考えていたことを。エボルトにもっと世界を見て欲しいと。

 

「一斗が決めたことだ。俺がとやかく言うことじゃないさ」

 

残されたあいつの遺伝子は、静かになりを潜めていった。

 

歴史に名を残した破壊者は一斗を除いて完全に消滅した。

 

 

「さあ、帰ろう!みんなが待ってる!」

 

戦兎はゲートを開いた。その先には、愛する人が待っている。

 

「お帰りなさい!!」

 

「ただいま!!」

 




S.O.N.G.本部にとあるメールが届いた。その内容は、彼等を困惑させた。

月があるものの別世界のものだというのだから。

「確かに、遺跡が見当たりません!」

「やってくれたな、戦兎君...」

今はなき友がしたことに頭を抱えた。

「このことは全て隠すぞ!」

「「「はい!」」」

弦十郎は残された情報を隠した。別世界の英雄達の残したことは、きっとこの世界を平和に導くだろう。

これから起こるかもしれない響と未来の争奪戦を軽く想像した弦十郎は、彼女達を守るために全力を尽くす事にした。


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これにてシンフォギア編は完結です。

皆さまは作者の小技にお気づきでしたでしょうか?


目次のサブタイトルを縦読みすると......?




まぁ、お気づきの方は多かったと思います。

今月はなるべく毎日最新を心掛けていましたので最新はゆっくりでした。

これからは自分が受験生ということもあって最新が遅れていく可能性があります。

ここまで本当に長々とお付き合い頂きありがとうございました!!!

それでは次の章でお会いしましょう!


それではまた!

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