迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
リンネが頑なに強さを求める理由が悲しい過去にあることを知ったフーカは、リンネをぶちのめしてから話をするという心境でウインターカップに挑む事になった。
そんな裏で一斗はナカジマジムに一人お客を呼んでいた。
「お待たせ、一斗」
「翼姉さん!」
そう、翼である。彼女をフーカが見た瞬間に驚愕した表情に変化する。
「翼さん!?」
「は~い、フーカ。久しぶりね」
戸籍上姉妹になったことを知らないフーカは再開した姉に混乱している。
「知り合いだったんですか?」
そこで疑問を持った者達の中でノーヴェが質問する。
「ええ。彼女のいた孤児院に私もいたのよ」
それは何処か運命的な物である。
「それに今は戸籍上では本当の姉妹よ」
「え!?」
そしてフーカに翼は説明していく。自分が桐生家の一員で今フーカは桐生家の一員である事を。
「てっきり会長が戸籍を管理してるものだとばっかり.....」
「そこは今のノーヴェには任せられないのよ。これ以上無茶をして貰うのも困るしね」
「あたしもですか!?」
フーカの戸籍は元から戦兎が受け入れるはずだったのだが、ノーヴェの所に住込みで働く事にも成ったので皆が悩んだのだ。その際にノーヴェの姉であるスバルが最近ノーヴェが忙しいそうにしていることが多いと言い出したのだ。その先の話し合いはお察しのように戸籍は桐生家が管理する事になったのだ。
「姉貴....余計な心配を....」
何処か嬉しそうに言うノーヴェ。それを見ながらヴィヴィオは口には出さないがニヤニヤしている。
「姉さん、聞かせて欲しいんだ」
「了解、今から仮想スクリーンで構成を説明しながら話すわね」
そして翼は語り出した。リンネが引き取られてから何があったのかを。
_______________
義父さんは2年前に亡くなったリンネの義祖父、ロイさんと知り合いだった。彼は管理局に長年勤めた技術者だった。
義父さんとロイさんは年がかなり離れていたがお互いがいい友人だった。だが、しばらくして義父さんの仕事は忙しくなっていった。この時期は特に仕事の予定が詰まっていて義父さんとロイさんは中々会うことができなくなっていった。それでも連絡は取り合っていたらしい。
ある日、子供に恵まれなかった娘夫婦の養子に少女を招いたと連絡が来たらしい。この頃義父さんには病床に伏している事を隠していたのだが、2年前に容態が急変して他界する。その時には義父さんは仕事を放り出してまで葬式に参加した。葬式の中で泣き続ける少女を見つけたらしい。それがリンネだろう。如何やら学校で何かがあった為にロイさんの最後に立ち会う事が出来なかったらしい。
この出来事への後悔が強くありたいという人格を形成させた可能性がある。
________________
展開した仮想スクリーンを閉じながら翼は結論を述べる。
「リンネは自分の後悔から強くなることに執着している。何時か壊れてしまう程に」
「だからこそ、ワシが止める。ウィンターカップでぶちのめしてから話をするんじゃ!」
「フーカが決めたならそれでいいと思うよ」
翼はネビュラを取り出して構える。
「さぁ、フーカ。特訓を始めようか?」
「へ?」
フーカが向けられた銃口に混乱している中でヴィヴィオが何かに気付いた。
「てことは、フーカさんは一兄の妹ってことになるんだよね?」
「そうなるのかな」
余り自分でも理解できてなかった一斗は曖昧にそう答える。その後ろでゆらりと動き出すアインハルト。
「翼さん、お手伝いします」
「そう、それじゃあよろしくね」
「はい」
「ハルさんまで!?」
この後、ボロボロになった上に完全に気絶できずに目を回し続けるフーカが一般の人々に目撃されてナカジマジムには怒らせてはいけない子がいるというしょうもない噂が暫く流れた。