迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
だが、安心する事は出来なかった。
「ただいま~」
「.....」
戦兎と翼は家に帰ってくる事に成功した。だが、前者は無言のままだった。
「ああ、お帰り....ビルド!?」
「....噓、だろ...」
武器を取りに行くためにはやては玄関から直ぐに離れようとするが、ミカが画面からの強力な発光で止めた。
「あれ?私は何を...」
どうやら
「良かった...」
戦兎はリビングにて身体を休める為にはやてにリビングのカーテンを閉める様に言う。
「....翼、一体、何が起きてるんだ?」
ティーダから聞いたことを、翼は戦兎に伝えた。
ある事件の犯人の口から、『別世界から来た異星人だとよ』と言っていたことが分かったこと。
気が付かない間に退職したはずのリンディを含めた3人が管理局のトップになっていた事。
それを、一部を除いた人々はおかしいと思っていなかった事。
「そいつらは、何者なんだ?」
「分かりません。私達も、特定の人物としか連絡が取れなくなっているんです。」
残りの仮面ライダーである龍斗にすら、連絡が取れていない。
戦兎達が情報を整理している中、戦兎の部屋からミカはエニグマを持ってきた。
「マスター、通信が来ていました」
『たく...み...君...たく...』
「! 葛城さん!」
平行世界にも何かあったのかも知れないと、戦兎は葛城へと連絡を取ろうとする。が、通信がうまくいっていない為に声は途切れ途切れになってしまっている。
「魔力を使いますが、通信を安定させられます。どうしますか?」
「なら、私のを使って」
ミカの提案にはやてが魔力を出す事でミカは通信を安定させる。
『ああ、繋がった!巧君、大丈夫かい!?」
「その答えは、NOですね」
どうやら、あっちの世界でも何か起きたようだ。戦兎は通信があまり長く持たない事を確認して、早々と情報を交換することにした。
『なるほど、そっちの状況は把握したよ。こちらでも3人、人が消えている』
「! その人達の名前は?」
『伊能賢剛、郷原光徳、才賀涼香の3人だ』
戦兎はその名前に聞き覚えがあった。
「その3人って確か...」
『ああ、君も覚えているだろう。君の父親、佐野純一郎と共に火星へ行ったメンバーだよ』
ここで、戦兎の中でパーツは揃った。
今回の事件の犯人はエボルトと同じ様に地球外生命体である可能性がある事。
何かの拍子にこちらの世界へやってきたのだと。
だが、まだ分からない事がある。
「もし彼らが異星人だとしたら、何で同じ異星人のエボルトと共に行動しなかったんだ?」
『僕も、それが分からない』
犯人が地球外生命体だとして、その目的がエボルトと同じとは限らない。
「ごめん巧にぃ、そろそろ...」
魔力が多いはやてであっても、平行世界へのアクセスで殆ど使い果たしてしまったのだろう。顔色が悪いのに戦兎は気が付いた。
『巧君、最後に一つだけ』
「何ですか?」
葛城は通信が終了する前に、戦兎に鍵を残そうとする。
『ビルドドライバーの構造________』
「葛城さん!?葛城さん!」
はやての魔力が底を尽き、通信が強制終了してしまう。はやては気を失って倒れてしまう。
「ビルドドライバーの構造、か...」
そういえば、他のアイテムはボトルが一つしかセットできないのに、ベルトだけ2本もセット出来る事に一度も疑問を持ったことがなかった事に、戦兎は気が付いた。
翼がはやてをソファーの上で横にしている間に、戦兎は再び龍斗へと連絡を取ろうとするがやはり繋がることはなかった。
「龍斗、アリシア...無事でいてくれよ....」
同じく連絡の取れないアリシア達のことを、戦兎は心配していた。
______________
戦兎に対して殲滅計画が始動したころ、龍斗は路地裏で気絶したフェイトを人質に取られていた。
「全く、無駄な足搔きを」
「おりゃああああ!!!」
「お前が、計画の一部でなければ、ここで始末したのだがな」
「何をいってやがるぅぅぅ!!!!!!!」
『ボルケニック・ナックル!』
クローズマグマのナックルがスマッシュの頭部に当たる所で、それをリンディに止められた。
「ここで君に居なくなられては困る」
「リンディさん!?何でこんな奴らと!?」
「...君がこの世界で一番我々に近いのだ。一緒に来てもらうぞ」
龍斗はリンディに攻撃する事が出来ず、洗脳されてしまう。
「君が新しい我が一族の一人、
「はい。全ては一族の使命の為に」
スマッシュは元の姿である郷原光徳へと戻る。龍斗は変身を解除し気を失ったままのフェイトを抱きかかえた。
「その女は大切に扱え。これで残るはハザードトリガーのみとなった」
魔法を解除した男、伊能賢剛は高らかに笑った。
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