迷い込んだのはリリカルな世界 By Build   作:Plusdriver

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Be The One

金と銀の混ざったビルドに、アーマーが追加されていく。腰にはローブも出現する。

 

『ラビット!』『ドラゴン!』『Be The One!』『クローズビルド』『 イエーイ!』『イエーイ!』

 

「うそ~ん..」

 

「俺は絶対にできるって思ってたからな....さあ、最後の実験を始めようか」

 

龍斗は今の状況が理解できて居ないのだが、元の身体は戦兎の為にいつも通りにドラゴン側の複眼の先を撫でる。

 

「貴様が、貴様らがいなければ....我々の計画はあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 

「うわっ...怖ぇ」

 

「正直に言わない。さっさと倒して、サクッとこの世界を守っちまうぞ!」

 

「おう!」

 

ブラッドが、全身から漆黒のオーラを垂れ流しているのを見て龍斗は正直な感想を言う。戦兎はそれを指摘しつつもクローズの様に構える。格闘で強いのは龍斗だからだ。

 

「いくぞゴラァ!!!!」

 

「あああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

「あ、龍斗。俺達飛べるみたいだ」

 

「そういうのは後にしろよ!!!!!」

 

そう言いながらも龍斗の拳は確実にブラッドへと叩き込まれる。だが、それで止まるブラッドではない。

 

「死ねぇェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!!!」

 

「やべっ」

 

「俺が交わす!」

 

龍斗が避けられないようなオーラが纏ってある拳がビルドへと迫っている中、ラビットの成分である高速移動を使って戦兎はその一撃を避ける。

 

「ナイス!今度はこっちの番だ!」

 

「貴様ら....ふざけているのかぁぁ!!!!!!!」

 

それを言われたら何も言い返せない。という訳でもなく二人はそろって返す。

 

「「ふざけてなんてない。大真面目だ!」」

 

「俺に出来ない事が出来るのが龍斗で」

 

「俺に出来ない事をやるのが戦兎だ」

 

「お前が今相手にしているのは」

 

「「一人じゃなくて二人(・・)なんだよぉ!!!!!」」

 

台詞と共にクローズビルドは飛び上がり、クローズドラゴン・ブレイズやラビットラビットアーマーに似たエネルギー体を召喚する。

 

「貴様ら仮面ライダーは、この世界の人間に英雄としてあがめられているが、それと同時に痛み嫌われているのだ!それは別世界を見てきた貴様らならわかっているはずだろう!?」

 

ブラッドも空中へ飛び上がり、真っ黒なコブラを呼び出す。コブラとドラゴン・ラビットアーマー、ブラッドとクローズビルドがぶつかり合う。

 

「確かに仮面ライダーの力は、強大で危険な力かもしれない」

 

「それでも、何の見返りも求めずに誰かの為に闘うんだ」

 

「「それが仮面ライダーだって、信じているから!!!」」

 

二人の思いが乗った拳は、ブラッドに受け止められる。

 

「ふん。そんなものに何の意味がある。人はいつだって自身の事しか考えていないではないか!」

 

「お前にはわからねぇよ!エボルトのやつが戦兎に負けた理由すらな!!」

 

「一族の使命を果たすことしか出来ない機械に、分かってたまるかよ!!!」

 

「どわっ!!」

 

ぶつかり合っていたエネルギー体は爆発し、唯一消えなかったラビットアーマーがその身をオーラに替えてクローズビルドの拳へと収束され、ブラッドはそれを受け止めていられなくなる。

 

「龍斗、わかってるよな?俺達が戦う理由」

 

「んなもん、士さん達の元にいる時から変わってないぞ」

 

クローズビルドはベルトのハンドルを回す。彼らにとっての戦う理由であり、今一番求めているものを取り戻す為に。

 

『READY GO!』

 

『『ラブ&ピースフィニッシュ(の為だ)!!!!』』

 

2人は同時に叫んだ。それと同時に爆発した煙の中からドラゴンが再召喚され、その身を使ってブラッドを拘束する。クローズビルドは一旦地面に足を付けると、そのまま落下してくるブラッドへ目掛けて飛び蹴りを叩き込む。

 

「「はあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」」

 

「ぐああああああああ!!!!!!!!!お、の、れ....おのれおのれおのれおのれおのれおのれぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

ブラッドはその蹴りを胸部に食らい、その身を貫通されてしまう。爆発が起こる中、クローズビルドは地上へと戻って来た。

 

「おっと...」

 

「奇跡もここまでってか」 

 

それと同時に変身が解除され、クローズビルドは二人へと戻ってしまう。戦兎と龍斗はハイタッチを交わした。

 

「後でホントにラーメン奢れよ?」

 

「...2杯までな」

 

「待てよ、今の間はなんだ?」

 

「全く、そういうところは鋭いんだから...」 

 

戦兎は、先程変身に使ったクローズビルド缶が粒子に変わり始めていることに気が付いた。

 

「本当に奇跡の変身だったんだな。」

 

「こいつが無くても、この世界を俺達が守れればいい。それだけでいいんだからな」

 

ビルドフォンに結界を解除したと翼から連絡がきた。伊能が倒されたことで、洗脳が解けたのだ。

 

「後は、一斗達だけか...」

 

「まだ闘ってるんだろ?加勢に行こうぜ!」

 

だが、戦兎はそれを止める。

 

「お前は伊能と何度も融合したんだ。ちゃんとした検査を受けろ。それに...」

 

「あ」

 

龍斗は自身が加勢に行けない理由に気が付く。

 

「お前のビルドドライバーとドラゴン、あそこで燃えてるんだよな」

 

「ちょ、待てよ!」

 

龍斗はそれを走って取りに行く。戦兎はそれを見ながらも、自分の傍に落ちてきたハザードトリガーを拾い上げる。

 

「お疲れさん。俺はお前の事は単なる暴走装置とは思ってないからな?」

 

返事があるわけでもない。ただの機械であるハザードトリガーにAIなど搭載されていないのだから。でも戦兎には、まるでただいまと言っている様に見えていた。




クローズビルドの戦いは、これにて終了!

残るは、グリスとローグのみ。

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