迷い込んだのはリリカルな世界 By Build   作:Plusdriver

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ようこそ、天宮市へ

葛城さんの地下研究所で一夜を明かした俺は、町の展望台へと足を進めた。

 

「久しぶりだな。ここに来るのも」

 

『私が目覚めた時以来ですか...』

 

ビルドフォンのロックが解除され、何千年振りに再会してからまだ5年しか経っていない。

 

『ご両親への挨拶はいいのですか?』

 

「今回は俺一人で来てるからな。また今度一斗達と来るときまで家には顔を出さないよ」

 

エニグマに表示された世界へのゲートを開くために、エニグマを起動させる。

 

「ここから先は、一体内が起きるかわからない。準備はいいか?」

 

『勿論。忘れ物もありません』

 

俺達はゲートを通り過ぎた。

 

_______________

 

「琴理、霊力反応が有った。天宮市の街外れだ。」

 

「なんですって!?」

 

現在進行中で十香と戦争(デート)中の士道をラタトスクからサポートしなければならない彼女達の元に、未確認の霊力反応が観測された。

 

「空間震の発生は!?」

 

「確認できていない。それに、これは精霊ではないかも知れない。」

 

令音が霊力を辿って調べていくが、ほんの一瞬だけ観測できたらしい。

 

「何が起きたからわからないわね...」

 

今は大切な初デート。士道のサポートもしなければならない以上、クルーの殆どが商店街のスタッフを演じに街へ降りてる為人員を割くことは出来ない。

 

「...仕方ないわ。このまま士道のサポートに徹底するわよ。このデートが終わったらその都度反応があった場所を調べて頂戴。」

 

「了解した。」

 

琴理は不安を感じながらも、商店街へと降りるために準備に取り掛かった。

 

 

_________________

 

『森の中、みたいですね』

 

「俺達は大きなクレーターの淵にいるみたいだな」

 

ゲートを抜ければ、底には大きなクレーターの中にある街が一望できる。

 

「ミカ、時差はあったか?」

 

『いえ、特にはないです。取り敢えず街に降りてみましょうか?』

 

「そうだな」

 

マシンビルダーを展開してもらい、アクセルを入れる。まともな道に出た後、でかでかとこの街の名前を知ることになった。

 

「『天宮市』か....」

 

『マスターの世界には存在しない街ですね』

 

騒がしい町の中をバイクで通り抜けていく中、高校生と思われる学生たちをよく見かけた。

 

「今日は祝日だったか?」

 

『この世界の事は調べられそうにありません。何処かで情報を集めてみましょう』

 

「了解」

 

ざっとこの街を見た感想だが、如何やら魔法は存在していないようだ。それにこの様子だとかなり海鳴市に似ている。

 

「っと、ちょっと新聞買って来る」

 

『待ってますね』

 

人前でバイクをスマホに戻すのは危険だと判断した。如何やらまだこの世界ではそこまで技術が発達していないようだ。いや、誰かが隠している可能性もあるが。

 

「いらっしゃいませ~」

 

俺は近くのコンビニに立ち寄り新聞を手に取る。表紙にはでかでかと『空間震』にて出た被害が載っていた。

 

「....こいつはまた厄介な...」

 

学生たちがこんな昼間から街中にいる理由が分かった。如何やら昨日あった空間震で学校が壊れてしまったらしい。

 

「今、あっちの商店街何だかすごいことになってるってよ。行ってみようぜ」

 

「おう」

 

「ん?」

 

コンビニから出ていく学生たちが如何やら商店街へ向かうらしい。取り敢えず今わかったことをミカに伝えつつ、その商店街に行ってみることにした。





ANOTHER ルートですが、このクロスオーバー編が終わり次第、投稿していこうと思っています。

それにまだジオウ編もありますからね。ジオウ編はジオウ本編が程よく進んだ頃に執筆する予定です。

この作品はまだまだ続きますので、これからもよろしくお願いします。


あ、感想お待ちしてます。

ではまた。

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