迷い込んだのはリリカルな世界 By Build   作:Plusdriver

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商店街、散策コース

商店街に入る前に、人気のない路地に入りビルドフォンへと変形させる。

 

『面倒ですね』

 

「まぁ仕方がないかな。それにあの世界でも似たようなものだっただろう?」

 

以前、スキー合宿へ行こうとした際に巻き込まれた世界を思い出す。

 

あれは厄介だった。またエボルトと戦うとか、俺は二度としたくない。

 

「さてと、見て回りますか」

 

俺達は街へと足を進めた。この商店街、凄く賑わっているんだが。

 

『如何やらあのカップルを中心にこの賑わいを見せているようです』

 

「....みたいだな」

 

ミカに指摘されたカップルを見ると、中々初々しいデートをしているようだ。

 

「ん?おう兄ちゃん。ここらでは見ない顔だな?」

 

「今丁度旅行で来てるんですよ」

 

魚屋の店主に話しかけられた。

 

「そうかい。でもあまりこの街には観光出来そうな場所はねえと思うぞ?」

 

「バイクで日本一周を目指して各地を回ってるんです。今この街で大きな事件とかありました?」

 

「ああ、ここ最近頻繫に空間震が発生していてよ。昨日も高校が破壊されたんだよな」

 

新聞で見た内容と変わってはいない。

 

「だがな、俺はあの連中を見たことがねえんだよな」

 

店主は商店街の中心で福引抽選会を開いている一団を指差す。

 

「? どういうことですか?」

 

「俺はいつもここで店を開けているんだけどよ。あの連中は今日初めて見たんだ。それに、福引なんてこんな時期にはチケットすら配られていないんだぜ?」

 

「それは___」

 

俺が理由を聞こうとしたとき、大きな魔力を感じた。

 

『マスター、ここら一体に何かをされました』

 

「おじさん、大丈夫か!?」

 

目の前で目を回している魚屋の店主の両肩を大きく揺さぶる。

 

「ん、あ、ああ。悪い、何だか意識がもうろうとしてな...」

 

「で、あの一団は何者なんだ?」

 

「ん?あの連中は何時も福引抽選会を開いている奴らだ(・・・・・・・・・・・・・・・・)。中々いい奴らでな。一緒に飲むときは何時も奢ってもらっちまってる。ホントに感謝しなきゃいけない連中さ。」

 

「え....」

 

さっきまで見たことがないと言っていた一団を何時も飲む仲(・・・・・・)と話している。おかしい。あの魔力で洗脳されたか。

 

『マスター、こちらから魔力の発生原因を特定できそうにはありません』

 

「...ありがとう、おじさん。そこの鮎貰えるかな?」

 

「おう、何匹だ?」

 

「2匹」

 

「600円でいいぜ。ありがとな、また来てくれよ」

 

少しの氷と共にビニール袋に詰められた鮎2匹を持って商店街の散策へと戻る。

 

「あのカップルは?」

 

『見失ってしまいましたね』

 

取り敢えず鮎を家の冷蔵庫に転移させる。鮮度がかなり良かったからな。刺身でも食べられることだろう。

 

「取り敢えず、あの魔力の発生源を探すとしますか」

 

『了解、何時でも行けますよ』





ANOTHER ルートの内容を少しネタバレ。

vivid編から少しずつIFを加えたルートでお送りしていく予定です。

番外編に、TRUE ENDルートの続編を描いた作品を追々投稿させていただきます。


感想お待ちしています。

ではまた。

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