迷い込んだのはリリカルな世界 By Build   作:Plusdriver

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※この先、『デート・ア・ライブ』本編のネタバレがあります。ご注意ください。



それでも良い方はどうぞ。


誰かの記憶

「ん...」

 

エボルトは手をかざすことでブラックホールを全て消滅させる。彼女の本来の目的は達成された。

 

「次は世界を...力が流れてこない?」

 

だが吸収したはずの戦兎から得られるはずのものが流れてこない。

 

「....まだ、抵抗しているのか...」

 

エボルトは完全に吸収する為にその場で目を閉じて動かなくなった。

 

 

_____________

 

 

「....頭、痛い...」

 

戦兎は酷い頭痛を感じながらも、その場に立ち上がる。

 

「ここは...天宮市?」

 

辺りを見渡せばそこは訪れたばかりの天宮市だった。だが、戦兎以外は全て白黒で出来上がっていた。

 

「確か...エボルトに吸収されて...」

 

誰もいないはずの街に声が響く。

 

「ほら、こっちだ!」

 

「ま、待って...」

 

たった二人だけ、少年が少女の手を引いて走ってくる。

 

「誰だ?」

 

戦兎の真横を通過していった彼らには戦兎の声は聞こえていないのか、そのまま素通りされてしまう。

 

「...一体、どうなっているんだ?」

 

その言葉すら、誰の耳にも通ることはなかった。

 

しばらくすれば、辺りは薄く色づいていく。戦兎の周りの景色が変わる。

 

「おにーちゃん、まだ?」

 

「もうすぐ焼けるからな。ほら、お待たせ」

 

「わ~い!ハンバーグ!」

 

そこは幼い琴理とその兄の姿があった。

 

「...ここは、五河士道の記憶の中か..」

 

今迄見てきたものから戦兎はその予想に辿り着く。だが、疑問は有った。

 

「さっきの男の子は一体?」

 

その答えが得られる時間もないままに再び景色が変わる。今度は、空の一部を除いて色を失っていた。

 

青空で色の抜けた雲が流れる中、大きな音が響く。ブレーキを咄嗟に掛けた音だった。

 

「人がホームに落ちたぞ!」

 

「もう手遅れだ!」

 

「う、うわあああああああああああああ!!!!!!!!」

 

「きゃああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

 

駅のホームに、悲鳴が響く。既にパニックに陥った人々は只々自身の携帯電話を触り始める。

 

「なんだよ...これ....」

 

戦兎は隣りに立っている人物に気が付いた。その人物は先程ホームから落下したスーツを着た人物だった。

 

「俺...死んだのか?なぁ、アンタ。俺が見えているんだろ?教えてくれよ....さっきホームから落ちたのは誰なんだ(・・・・・・・・・・・・・・)!!??」

 

戦兎はその口を開くことが出来なかった。理由は分からない。だが身体がゆう事を聞いてくれなかったのだ。

 

「...折角、夢の始まりに、到達したっていうのによ....あんまりだぁ!!!!!!」

 

その人物は白黒の世界から消し飛ばされた。戦兎の体には彼のものと思われる血が付着した。

 

そして、事故があった駅では何時も通りの運行が始まった。それはそこで誰も死んでいないかのように。

 

世界は暗転し、再び世界は白い色を手に入れた。

 

戦兎は口が動かなくなってから、只々それを見ていることしか出来なかった。

 

ある少女は、目の前で両親を焼き払われた。

 

ある少女は、只々暗闇にいた。

 

その内戦兎は、考えるのをやめていた。気がつけば、見覚えのある場所にいた。

 

戦兎は動かすことを忘れかけていた右手をそのドアノブへと伸ばし、捻る。

 

花畑へと繋がったのは、佐野巧(桐生戦兎)の部屋だったはずの扉だった。

 

「全く、遅いぞ。今迄何やってたんだ?」

 

「へ?」

 

隣で原っぱに寝転がる龍斗からの問いで戦兎は我へと返った。

 

「あ、ああ。何だか長い間とても苦しい夢を見ていた気がするんだ...」

 

「....なぁ、それってこんな感じか?」

 

龍斗の声で原っぱ、この世界から色が失われていく。戦兎は直ぐに立ち上がり龍斗から距離を取ろうとする。

 

だが、それは叶わない。何故なら戦兎の身体は既に自身の足から闇に飲まれていたのだ。

 

「___________!!!!!」

 

誰にも、戦兎の声は聞こえない。それでも戦兎は飲まれた闇の中で逃げ回った。

 

捕まればきっと完全に吸収されてしまうであろう漆黒から。

 

________

 

 

「...ビルドの反応が、ロストしました...」

 

ミカによって結界外に転移されたフラクシナスには、沈黙が流れる。

 

「...まだ、マスターは生きています」

 

『!!!』

 

その沈黙を破ったのはビルドの仲間であるミカだった。彼女がそれを確信したのは、戦兎の反応がおかしな消え方をしたことにあった。

 

「どうして、なの?」

 

まだ完全に回復していない琴理は、自身の副官である神無月を椅子にしながらもミカへと疑問を投げる。

 

「そのシステムで確認できるのは霊力反応ですが、私には生命反応を確認する事ができます。それが点滅しているのです」

 

「つまり...」

 

「マスターの反応は途切れておりません。きっと、エボルトの中で未だに戦い続けているのでしょう」

 

「だから」とミカは続けてフラクシナスメンバーに話す。

 

 

 

 

「私はマスターの事を諦めるつもりはありません。皆様の力を貸して下さい」

 

 

 

 

 

全員がミカが張った結界の維持に全力を注いだ。





お待たせしました。

今回は、エボルトに取り込まれた五河士道とその前世×2と短く鳶一折紙と夜刀神十香(過去がまだ明かされていないので作者の想像です)の過去を巡り、自らも自身の過去へと飲まれていくというものでした。

これに飲まれれば、本当の意味で吸収されたことになります。

勿論戦兎以外は既に____



後何話でクロスオーバー編終わらせられるかな?
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