迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
※デート・ア・ライブ本編のネタバレ注意
それでも良い方はどうぞ。
「フム...」
ラタトスクに所属し、フラクシナスメンバーの中で琴理の次に士道とよく会う人物、村雨令音は纏めた書類を自身の記憶にしっかりと残した後、全て処分していた。
戦兎達が元の世界に戻ったと同時に、世界には修正が入った。彼らが来た、彼らが出会った人、そして士道の暴走。そのすべてが無かった事にされたのだ。それも、世界そのものから。
「シンの中にいたエボルトは消えた。これで私の計画も____」
記録映像を確認すれば、
「...全く、先は長いね」
彼女は決して諦めない。自分自身の目的のために。沢山犠牲になってしまった者達の為に。
必ず
今日も彼を想いながら目を閉じる。決して眠れなくでも、それで彼を感じられるのだから。
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「なぁ琴理。昨日の数分の記憶がないんだが...」
「奇遇ね。私もよ。それだけじゃない。この世界そのものから昨日の数分が切り取られているみたいなの」
世界はあの事をなかったことにするために数分の時間を切り取った。後に『空白の数分間』と呼ばれるその時間にあったことは全て記録に残ることはなかった。
「まぁ、考えていても仕方がない。今日の夕飯を買いに行くぞ。何がいい?」
「そうね...十香もまだ食べたことがない物がいいかも知れないわね」
「なら、魚なんてどうだ?今日は鮎が安いみたいなんだ」
「本人に聞いてみましょ」
消えたはずの記憶を、しっかりと覚えているものもいるのだが。
「いらっしゃい!今日は何にする?」
「鮎を三匹!」
「おう、三匹な!」
この男、この世界のエボルトもその人である。
「そら、600円だ」
士道は琴理と十香が3件ほど離れた駄菓子屋に向かっている間に買い物を済ませようとする。
「ピッタリだな。兄ちゃん、ついでにコーヒー飲んでくか?」
「魚屋でコーヒーって...オッサン就いた職間違えたんじゃないか?」
「いいじゃねえかコーヒー。俺結構好きなんだぜ?でもよ...」
600円を受け取った店主は近くの机に置いてあったカップを口へ運ぶ。
「なんでか不味いんだよな~」
「あ、何となくわかる。俺もコーヒー淹れるの
「シド~~!」
「お兄ちゃ~ん、これ買って~!」
「っと、呼ばれてるみたいだ。また来るよ」
「ありがとうな~」
士道が去っていくのを目尻で確認しながらも店主はコーヒーを入れ直す。
「やっぱダメか...仕方がない。今日もマスターのとこに行くかね」
いくらコーヒーが好きでも、入れても不味いものしか出来上がらないエボルトは取り敢えず彼の行く末を見続けることにした。
「チャオ♪」
補足
士道の中にいたエボルトがこの世界から居なくなったことで、起きた事件が無かった事にされた。それと同時に、戦兎達がこの街に来たこともなかったことになった。その為に世界が時間を削り取ったのだ。
それを知る者はこの世界のエボルトと■■■■のみである。
因みにこの世界のエボルトは店主の体に擬態して、地球生活を満喫している。
「やっぱり不味くなっちまうんだよな...」
「もう少し蒸らしてみますか?」
「そうだなぁ...マスター、もう一杯頼めるか?」
「ええ、勿論ですよ」
行きつけの喫茶でいつものコーヒーを飲む姿がよく目撃されるくらいには。
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これにてクロスオーバー編完結です!
いやはや、どうやって物語を混ぜようか考えているとそう言えば使えそうなタグが...と思い出すとやはり「転生者」というものがありまして...
で、精霊の数も考えると...初めての『十香デッドエンド』を使うかなっとなりましてそのまま士道君を転生者にしたら特典何がいいかな?と考えた結果がビルド本編で戦兎達に倒されて新世界の誕生に使われたエボルトに吸収能力だけを残して中に潜んでもらうことにしました。
するとどうでしょう?
折紙さん(依存系ヒロイン)と十香(ほぼ無知)、士道(前世と前々世)を吸収してとんでもヒロイン?が完成してしまいました。
自分でもビックリですよ...
さて、このくらいでクロスオーバー編の裏話は置いといて、次に進む物語なのですが...
ANOTHERルートを投稿していこうと思います!!!
いや~ジオウ編とどちらを先にしようかと悩んだのですが...まだ
というわけで、次回からはまた時間が戻りますよ~
あ、因みに本編で消えたように描いたエボルト(ヤンデレ)の封印されたボトルはまだ消滅していませんよ~
ではまた!