迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
はやてからの連絡は無限書庫が襲われているというものだった。戦兎はすぐさまハードガーディアンを破壊できるだけ破壊し、転移魔法陣を展開する。
「ミカ!」
『了解!』
転移した先の無限書庫は無残な姿だった。幸い、依然組んだ緊急避難プログラム(本)によって別の場所へ本が転移されているためか本棚と機材が破壊されているだけだった。
「一体、誰がこんな事を...」
戦兎はすぐさまその答えを叩き付けられる事になった。
「がああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
「! ティーダ!!!」
戦兎が歩いているとローグが本棚を突き破って飛んでくる。戦兎はそれを受け止めるが、変身が解除されたティーダは意識を失ってしまっていた。
「しっかりしろ!ティーダ!」
「あ~あ、折角楽しめると思っていたんだがなぁ」
戦兎がティーダに声をかけている中、聞き覚えのある声が聞こえた。
「なんで...お前がここにいる!!!!!!!!!!!!」
「そりゃあないだろう?一度は身体を共有した仲じゃないか」
「黙れ....黙れ黙れ黙れぇぇぇ!!!!!!!!エボルトォォォォ!!!!!!!!!!」
かつて倒したはずのエボルトがそこにいたのだから。姿が変わっていても変わらない声だけで戦兎は相手の正体に辿り着いた。
「再会を祝してお前と遊びたいところなんだが、目的のものを探さなきゃいけない
んでな。チャオ♪」
すぐさま戦兎はエボルトの後を追おうとするが
「ミカ、総合病院の残り受付人数は?」
『後10人です。負傷者の数が多すぎます』
病院へ負傷者達を転移するのをミカに任せ、ティーダに軽く治癒魔法を使いすぐさまエボルトの後を追う。
「なんだ、遅かったな」
だが、既にエボルトはパンドラボックスを手に入れていた。戦兎はバスターを召喚しそれを蹴飛ばす。威力は余りないものの飛んできたバスターで視界を狭めている間にラビットラビットの速度を利用して倒れていた魔導士を回収、安全地帯へと運びスチームブレードで弾き上げられたバスターを掴みそのまま攻撃を仕掛ける。
「またハザードレベルが上がったみたいだな。かなり早くなってやがる」
「そんなことはどうでもいい!!!」
お互いが攻撃をし、それを受け止めたり、隙を作ったりとしている中で戦兎はエボルトに疑問を投げかける。
「どうやってお前は復活した!?あの時、ボトルは完全に破壊したはずだ!!!」
「ああ、それか。それならお前の後ろにいる奴が一番よく知ってるはずだぞ?」
「何?がっ!?」
エボルトにバスターを掴まれ動けないビルドの背中に銃口が突き付けられてそのままトリガーを引かれる。その勢いで変身が解除されてしまい、戦兎はその場に倒れてしまう。
「なん...で...貴方...が...」
「言ってませんでしたね、
ネビュラスチームガンをクルクルと回しながら構え直したのは戦兎がよく知る人物だった。
「4年も掛かってしまいましたが、これで全てが揃いました。エボルト様、これを」
「フハハハハハ!!!!!これでこの世界は終わりだぁぁぁ!!!!!!!!!」
その男、グランディア・マクラウドはエボルトへボトルの嵌められた6枚のパネルを渡す。エボルトはそれを何の躊躇いもなくパンドラボックスへと叩きつける。
一枚、また一枚とパネルは嵌められていき、ミッドチルダは地震に襲われた。
「やめ...ろ...」
「これで、終わりだぁぁぁぁ!!!!!!!!」
最後の一枚がセットされたことでパンドラボックスは真の姿を現し、無限書庫のあった位置を中心として地面が上へと上がっていく。戦兎の耳には、轟音と人々の悲鳴しか聞こえていなかった。
「パンドラタワーの完成だ!!!!!」
世界は再び破滅へと歩み始めた。
エボルトによって破滅の塔は建てられてしまった。
変身すらできない戦兎はこのままどうなってしまうのか!?
次回は、戦兎が連絡を貰い駆け付けるまでを描こうと思います。
つまり『マッドな世界』!!!
それではまた!