迷い込んだのはリリカルな世界 By Build   作:Plusdriver

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お待たせしました!!!


40.万丈龍斗の覚悟

エボル・コブラフォームに向けて龍斗は攻撃を続けた。

 

「オラァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

「ハザードレベル4.1、4.2、ドンドン上がっていく...」

 

殴る、殴る、蹴りを入れる、また殴る___繰り返されていく。

全てがエボルトの計画通りという事に龍斗は気が付いていない。

 

「そうだ!もっとだ万丈!このままだと俺には勝てないぞ!」

 

「ウラァァァ!!!!!!!」

 

何度も何度もクローズマグマの拳を受け止め、流す。繰り返していくうちに少しずつ感じ始めた痛みにエボルトは笑いが止まらなかった。

 

「ハハハハハ!!!!それでいい!!!!!!!」

 

『ボトルバーン!』

 

「うるせぇ!!!」

 

『ボルケニック・ナックル!』

 

龍斗はベルトからナックルを外しボトルを刺し直しスイッチを押し込んで放つ。

 

「ぬぐぁ!!!」

 

エボルトも受け止めるだけでは済まず、押し込まれる。だが、致命傷とまではいかなかった。

 

「ハァ...ハァ...」

 

「ハザードレベル...4.8...予想以上だ...だが」

 

エボルトは腕を軽く振りながらベルトのハンドルを回した。

 

『READY GO!』

 

今の(・・)お前には俺は倒せない」

 

『エボルテック・フィニッシュ!』

 

龍斗が受け止めようとするがそれよりも早くエボルトの拳がクローズマグマの胸部に当たり吹き飛ばされる。

飛ばされた先にあったビルを破壊し、砂煙が上がる。

 

「あがっ...ちく、しょう...」

 

「俺の予想を超えたからな、俺の目的を教えてやる」

 

ボロボロになった龍斗を片手で瓦礫から引っ張り出し、エボルトはトリガーを見せつける。

 

「これを使えば俺は究極のフェイズへ移行する事が出来る。だがその為には俺が完全に元に戻ることが必要でな。その為にあいつを取り込まなきゃならない」

 

「...かず...とか...」

 

「正解!」

 

エボルトは片手を離し龍斗は瓦礫の中へと戻っていく。龍斗は痛みよりも一斗が狙われているという事実に動揺していた。もしも自分だけでなく一斗がここにいたら吸収されてしまっていた(守ることが出来なかった)だろうと。

 

そして頭の何処かで一斗がここに来てしまうのではないかと考えていた。

 

「さてと...お前にはもう少し利用価値があるからな。このまま俺と来てもらうぞ」

 

「先輩は連れて行かせない。父さんも、ユーノさんも返してもらうよ」

 

その答えは簡単に出てしまった。

 

「かずとぉ!!!逃げt」

 

「おっと、そこまでだ」

 

龍斗が一斗にエボルトの目的を果たさせないために逃がそうとするが、エボルトによって阻まれてしまう。

 

「待ってたぜ、一斗。俺の本当の目的はお前だからな」

 

「...その為に、父さんやユーノさん、先輩、関係ない人たちまで巻き込んだのか?」

 

ベルトを装着した一斗は声を震えさせながら問い掛ける。そして

 

「ああ。全てお前が巻き込んだんだ」

 

「ふざけるなぁ!!!!!!!!」

 

『ロボットゼリー』

 

『潰れる!』『流れる!』『溢れ出る!』

 

『ロボット in グリス!』『ブラァ!!!』

 

一斗はその姿をグリスへと変え左手にツインブレイカー・アタックモードを、右手にフォレス・キャノンモードを召喚して武装する。

 

「心火を燃やして...」

 

「お前じゃ戦兎も、あのユーノって奴も、そこに転がっている万丈すら助けられねぇよ」

 

その言葉は一斗を怒らせるのには(ハザードレベルを上昇する)十分だった。

 

「ぶっ潰す!!!!!!!!!!」

 

___________

 

 

一斗の声で意識がハッキリとした龍斗は、エボルトに口封じをされた為に伝えられなかったことをどうやって伝えるべきなのかを考えていた。既に体は悲鳴を上げ、少しでも動くだけで全身に痛みが走る。

 

「ぐがぁぁぁあ!!!!!」

 

痛みを叫ぶことで誤魔化す。だが上手く誤魔化すことは出来ず、脳には次から次へと痛みが伝えられる。

 

「あ、あいぼう...お前はまだやれるか?」

 

『♪~~~!!!!』

 

ユニゾンしていたクローズドラゴンからの返事からはマスターである龍斗自身の事を心配しているものだった。

 

自分はまだやれる。だがマスターはこのままだと本当に危険な状態になってしまうかもしれないと。

 

「へっ、おれのしん、ぱいをしてくれるんだな...」

 

それでも龍斗はナックルに手を伸ばした。これで最後だと自分自身に言い聞かせながら。

 

『ボトルバーン!』

 

「っ....」

 

ふら付きながらもボトルを再度セットし直し、ベルトへと差し込む。

 

『クローズマグマ』

 

ハンドルを一回だけ回し、両腕を目の前で交差させる。

マグマライドビルダーは静かにその姿を現し、いつもの位置に完全に展開される。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

頭上からバリアブルマグマを被る。痛みを我慢しながらも、アーマーが形成されていくのを待つ。 

バリアブルマグマは冷え固まる事なく流れ続ける。マグマライドビルダーの中身が空になった後、龍斗が立っていた位置にはクローズマグマが肩で息をしながらも立っていた。

 

動く度にその身体を震えさせながらも、全身から魔力を放出する。

 

『極熱筋肉!』『クローズマグマ!』

 

「いっけええええええええええぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!」

 

ボルケニックモードに移行すると同時に、背中にある飛行ユニットから巨大な炎の羽を広げ加速していく。

一斗と戦っているエボルトへ向けて加速していく中、ハンドルを回す。

 

『READY GO!』

 

『ボルケニック・アタック!』

 

召喚した8体のマグマライズドラゴン達がエボルトへ次から次へと嚙みつき空中へと運んでいく。

 

「先輩!?」

 

「お前には、ここでエボルトに吸収されたら困るんだよぉ!!!!」

 

一斗の声が少しずつ聞こえなくなっていき、ついにはマグマライズドラゴン達に龍斗は追いついた。

 

「宇宙だと!?」

 

「お前はここで、俺と一緒に地獄に落ちて貰う!!!」

 

クローズマグマはエボルトに抱きつくことで拘束し、それをドラゴン達に運ばせる。

離せぇぇぇと叫びながら抵抗するエボルトに向かって龍斗は覚悟の言葉を言い放つ。

 

「これが、俺の意識だ!!!」

 

「やめろぉぉぉおぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

『ボルケニック・フィニッシュ!』

 

ミッドチルダの周りを回る衛星に激突した彼らはそのままその星の内部まで突き進んでいく。

 

「じゃあな、皆。フェイト...」

 

そしてその星と共に跡形もなく消滅した。

 




久しぶりの投稿なのに、龍斗が物語から退場してしまうという...

最初から一斗をかばって龍斗がこうなることは考えていたけど、ここまでのものになるとは...

さて、軽く余韻に浸りながらもまた不定期での投稿を再開していきます!

楽しみにしていた方はお待たせしました!

さて、次回予告の時間ですよ!

ではまた!


________


万丈龍斗、エボルトと共に____

「そんな...」

消滅_____

「僕が、もっと早く、先輩の所へ行けていれば...!」

悲しみに暮れる中、あいつはいろんなものをぶち壊しながらやって来る

「よぉ」

次回、『アイツ』

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