迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
『クロコダイル in ローグ!』『オーラァ!!!』
『ドラゴン!』『ドラゴン!』『エボルドラゴン!』『フッハッハッハッハッハ!』
「フェーズ2、完了」
ライダーへと変身した二人が対峙し合う。ティーダは被害を出さない為にエボルトに提案した。
「このままここで僕は戦いたくない。場所は変えられないのか?」
「残念ながらその提案は飲めない。つまり...」
エボルトは左手をベルトの近くへと運びビートクローザーを召喚する。
「ここが戦場だ」
たった一振り。されど一振り。エボルトによって病院はティーダとエボルトの姿が外からでも確認できる程に破壊された。
「JIM、今の一撃での被害は!?」
『幸いあの病室の患者は今日の午前中には退院している。被害は病院のみだ』
JIMの言う通り病院のみに被害がでたもののあの一撃で死人が出ていないことが幸いしていた。
『マスター、このまま戦闘してもアイツに勝てる可能性はとても低い。どうする?』
「そんな事決まってるよ。一斗君を守るんだ。できなくてもここで時間を稼ぐ!」
ティーダはスチームブレードとJIMを構える。
「ティーダ、確かにハザードレベルも上がり更に闘いを経験したみたいだがな__」
エボルトはベルトからドラゴンエボルボトルを取り外すとそれをビートクローザーにセットした。
『スペシャル・チューン!』
「お前じゃ相手にならないんだよ」
そしてトリガーを引いた。
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「一斗!」
突然、病室にはやてたちが駆け込んだ為に大きな音が響き布団に潜り込んでいた一斗は驚いた。
「一斗、そのままでいいから聞いて。今、龍斗に化けたエボルトが取引を提案してきたんや。巧にぃやユーノ、龍斗と一斗を交換しようというものなんやけど___」
続くはずだったはやての言葉を聞くこともなく一斗は布団を吹き飛ばし廊下へと飛び出す。
「行かなくちゃ...」
走り出した彼の後をフォレス達は追っていく。はやて達でもその動きに追いつく事が出来ず、廊下に出たときには既に一斗の姿は見えなかった。
一斗には自分にしかできないことをする為に走っていた。自分自身を犠牲にするだけで戦兎達を助けられる。そんなことをあのエボルトが提案してきた時点でその狙いが
「っ、ティーダさん!」
守ってくれた人達にその恩を返すために。
「来ちゃダメだ!」
「おっと、まさかお前の方から来てくれるとはな。一斗」
エボルトによって地面に突っ伏していたローグの姿を見ながら肩に乗ったフォレスを変形させてエボルトへ向けて構える。
「僕が行けば、父さん達を返してくれるんだね?」
「勿論だ。さぁ、こっちへ来い」
「その前に...」
エボルトからの返事から狙いが確定した為に一斗は構えていた右手を降ろす。そして銃口を
「先に父さん達を返して。もしもダメなら僕がこの世界から消滅する」
自身に向けた。
「....いいだろう。グランディア、あいつらを連れてこい」
エボルトは変身を解除し龍斗の姿へと戻る。ゲートを開きアジトにいるグランディアに指示を出す。しばらくすれば拘束された戦兎とユーノが運ばれてきた。
「...これでいいだろぉ?さぁ取引だ」
ティーダは無理矢理身体を動かして一斗の元へ行き考え直すように言うが一斗はそれを聞き入れなかった。
「大丈夫ですよ。僕は必ず戻ってきますから」
「一斗君、君は___」
ティーダの横を通って一斗はエボルトの元へ行った。
「先に父さんたちの拘束を解いて」
バインドの魔法は解除され、気を失っていた二人は地面に倒れてしまう。
「この体ともおさらばだ。さぁ来い!」
グランディアを後ろに待機させたエボルトは龍斗の身体から分離し、赤黒いスライム状の姿へと変化する。そして一斗の身体へと飛びかかる。だが、それを邪魔するものがいた。
「ミカ、後は頼んだぞ!」
「はい!」
一斗へと飛びかかったエボルトをその身を盾にして庇った者がいるのだ。
「と、父さん...」
「悪いな。でもお前にここでエボルトに吸収される訳にはいかないんだ...やれ!!!」
戦兎はミカに頼んでおいた特大転移魔法陣を展開させすぐさま転移させた。
「お前の周りの人間を、一人残らず消してやるよ。徹底的にな!!!!」
何もない土地に残された戦兎の体を乗っ取ったエボルトは固く決心した。そしてその後ろで待機しているグランディアは仲間に渡された資料を再確認していた。
今週のジオウ、アナザーライダーがアナザーライダーになるっていう実験をした新しいタイムジャッカーが一番怖かった...
あれ?ウォズの方がやばかったかな?
ではまた!
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一斗を庇って乗っ取られた戦兎
「返してもらうぞ、エボルト」
ライダー達によって戦兎救出作戦が決行される!!
「私達のギアを返してください」
そしてグランディアと対峙する事になる翼
「いいんですか?」
次回、『地獄少女』
彼女はその身を亡ぼすつもりで彼らに挑む。