迷い込んだのはリリカルな世界 By Build   作:Plusdriver

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44.地獄少女 後編

「海鳴市...こんなに早くここに来ることになるんなんて...」

 

誰も予想していなかったのだ。あのエボルトが動くなら滞在している世界から破壊するものだと思っていた者が多い中で海鳴市にて戦兎が捕らわれていることが判明したのだから。

 

「一斗君、こちらは頼まれていた通りビルドドライバーを作っておいたよ」

 

「ありがとうございます」

 

一斗達は拠点として葛城の元を訪れていた。なのは達は故郷に住む家族の元に滞在しようとしたが、彼らが動き出してしまえば確実に全員が巻き込まれる事態になりかねないので同じ様に研究所に滞在していた。

 

今回の戦兎救出作戦はユーノを除く皆でエボルト達のアジトを叩くというものである。既に海鳴市の戦兎が以前再購入した八神家にはやてとティーダ、ティアナにスバル、シグナムが待機している。他のメンバーはもしもに備え、ミッドチルダに残っている。

 

「だがよ、簡単に戦兎は助け出せないだろ?」

 

「はい、龍斗様の言う通り簡単にはいきません。だからこそ彼女を頼ってみようと思います」

 

「ベルナージュだね」

 

ミカに宿っているベルナージュの力を使い、戦兎を助け出すのが目的なのだが一切ベルナージュ本人からの返事はない。

 

「全ては今日の12時ジャスト。全てはそこから始まる事になる」

 

葛城の言葉で皆がその身を震わせる。誰もが怖いのだ。あの戦兎をも無効化してしまう程の奴のことが。

 

___________

 

 

「作戦開始!」

 

『はい!』

 

それぞれが配置に付いた事で作戦が開始される。最初に廃ビルに突撃したのはなのは達遠距離支援部隊だった。

被害を最低限に控えるためにはやてが結界の維持を。なのはとティアナが廃ビルの内部に突撃できる穴を開ける。

 

「やっぱり簡単には進ませてくれへんか」

 

予想通りに穴が開けば中から複数のガジェットとガーディアン達がその顔をのぞかせている。そこにクローズマグマがナックルのスイッチを押し込みながら近づいていく。

 

「食らっとけ!!!!」

 

『ボルケニック・ナックル!!!!』

 

穴にはまってしまっていたガジェット達は身動きが取れない中、受けきれない攻撃が機体を貫いていく。大きな爆発が起こり廃ビルが跡形もなく吹き飛ぶが内部は無事なのか、入口が姿を現した。

 

「作戦続行!このまま突撃開始!」

 

仮面ライダー達は入口をこじ開けると内部へと侵入した。

 

________

 

 

「おや、予期せぬお客の襲来みたいだ」

 

「この場所を割り出されるとは...スカリエッティ、既に別拠点の用意は?」

 

「済ませてあるよ。早速転移するかい?」

 

「いえ、私はここに残ろうと思います」

 

グランディアはギアを2本とも持って研究室を後にする。

 

「なるほど、実戦というわけだ」

 

グランディアの後ろ姿を見ながらスカリエッティは誰にも見せたことがないような顔で笑っていた。

只々目の前のおもちゃがこれから使い物にならなくなってしまうのを知っていながらも無邪気に遊ぶ子供のように。

 

__________

 

 

「よお、よく来たな」

 

「返してもらうぞ、エボルト」

 

ライダー達は乗り込んだ末にエボルトが待つ開けた場所にやってきていた。

 

「戦兎を取り戻したいようだがそれは不可能だ。お前ならそのことを一番よく知っているんじゃないか?」

 

エボルトはクローズマグマ(龍斗)を指さしながら話を続ける。

 

「折角だからな。俺とお前らの力の差をハッキリさせておくには丁度いい」

 

エボルトは戦兎の体に手を突っ込むとエボルボトルを生成する。

 

「この場で潰れてもらうぞ」

 

『ラビット』『ライダーシステム』『エボリューション!』

 

ベルトにボトルをセットするとハンドルを回す。ティーダ達は改めて武器を構える。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身」

 

展開されたライドビルダーに挟み込まれたエボルトは新たな姿へと進化する。

 

『ラビット!』『ラビット!』『エボルラビット!』『『フッハッハッハッハッハ!』

 

「フェーズ3、完了」

 

「行くぞ!」

 

「「はい!」」

 

戦兎を取り戻すための戦いが始まった。

 

____________

 

 

「おや、貴方もここに来ていたのですね」

 

「私達のギアを返してください」

 

翼はネビュラをグランディアへ向けて構えていた。

翼は今回の作戦に参加していない。だが、ミカに頼み込むことで内部を把握したタイミングでアジトへと転移していたのだ。

 

「いいですよ。これはもう必要ありませんし」

 

「!?」

 

翼の予想とは異なりすんなりとグランディアはギアを翼の足元に投げる。

 

「どういうつもりですか?」

 

「言ったではないですか。もう必要ないのだと。ただ一つだけ忠告を」

 

翼はそれが本物だと確認すると拾い上げてギアエンジンだけを収納し、ギアリモコンをネビュラにセットしようとする。だが、グランディアの口からでた不穏な言葉にその動きを止めることになった。

 

「今それを使えば貴方のハザードレベルは急上昇し、肉体は消滅してしまうことでしょう。それでも使うのですか?」

 

話しながらもエボルドライバーを装着したグランディアはボトルを振る。

 

『コウモリ』『発動機』『エボルマッチ!』

 

「いいのですか?」

 

「答えは決まっています」

 

翼は躊躇することなくギアをセットした。

 

『ギアリモコン』

 

「私が消えようとも貴方を倒す。ただそれだけなので...潤動!」

 

彼女はネビュラスチームガンのトリガーを引いた。

 





これからどうしていこうか...

少し投稿日が開くかもしれません。


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次回、『意地』

ある者は、その身を_____

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