迷い込んだのはリリカルな世界 By Build   作:Plusdriver

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これが、どうしてもやりたかった!


45.意地

「これが、貴方の望みなんですね?」

 

「ありがとう葛城君。これで俺は自分の罪を償える」

 

「...相手は強敵ですよ?」

 

「それでもさ...これが俺の、『  』の意地なんだ」

 

男は葛城からアイテムを受け取り、ゲートを通る。

その背中を見守る葛城は、その背中にある人を重ねていた。

 

___________

 

 

『リモートコントロールギア!』

 

「...問題はなさそうですね」

 

『一部、室力が上昇しているようです。あまり無茶を___』

 

「ネビュラ」

 

『...ご武運を』

 

姿を変えた翼は左手に握ったギアに目をやる。エボルトに騙されて壊された片割れを思い出すかのように。

 

「こんな所で使わされることになるとは...」

 

マッドローグはスチームブレードを構える。翼はその姿から今の自分では勝てないことを悟っていた。

だからこそ、もう一度地獄へ...回数制限のある力を使うことに躊躇いが生じなかった。

 

『ギアエンジン』

 

「成程、いきなり切り札を導入してくるのですね」

 

「ええ、貴方をエボルトの元へは決して行かせません」

 

『ファンキーマッチ!』

 

翼がトリガーを引く前にマッドローグは自身の持つネビュラスチームガンのトリガーを引いたが、直ぐに展開された青と白のギアではじかれる。

これがたった5回しか変身できないヘルブロス変身の4回目。

 

『フィーバー!』『パーフェクト!』

 

「...ヘルブロス、起動!」

 

その言葉と同時に動き出したヘルブロスは召喚したスチームブレードを振り回す。グランディアはそれを上手く防御できず、アーマーに深い傷を負ってしまう。

 

「ぐっ...GAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!」

 

『やはり室力が...これ以上は危険です、マスター!!』

 

それもそのはず、全てはグランディアの計画通りなのだから。エボルトにすら話していないそれは彼の○○○○に対しての切り札なのだ。

 

「やはり!スカリエッティにっ!頼んだ!のは正解でしたね!!!」

 

「グランディアァァァ!!!!!!私達(・・)に何をしたあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

グランディアは一撃一撃を受け止め始める。それはヘルブロスが弱くなったのではなく、マッドローグが追いついたのだ。全ては世界を破壊する為に。

 

「貴方にそれを話す必要はないでしょう?」

 

「オシエロォォォォ!!!!!」

 

『マスターっ!マスター!!!』

 

ネビュラの声はマスターである翼には届かない。室力が上がった為にコントロールが効きずらい身体を無理矢理動かしている為にネビュラの声だけでなくグランディアの声まで、彼女の声以外全てが聞こえていないのだ。

 

_______________

 

 

「がぁ!?」

 

「一斗!?クソがぁ!!!」

 

「ほらほら、こんなものか?俺はまだまだ元気だぜ?」

 

エボルトに3人で闘いを挑んだもののやはりその力には圧倒的な差があった。

 

「ん?」

 

「今です龍斗さん!このまま僕が押さえつけるので、早く!!!」

 

「っ!!!」

 

『ボトルバーン!』

 

ティーダがエボルトを抑え込んだのを見逃さない。龍斗はナックルを突き出す。

 

『ボルケニック・ナックル!』

 

「これが拘束のつもりか?」

 

「なっ!?」

 

エボルトは放たれた一撃を冷静に対処する。その方法は__

 

「野郎、ティーダを壁にしやがった...」

 

「あ...」

 

「所詮お前らじゃこれくらいが限界だ。見逃してやるから帰れ」

 

変身が解除されたティーダを投げ捨てる。生身のまま壁に投げ埋められたティーダはその後動く様子がない。

 

「諦め、られるかよ...あいつは、何度だってお前に闘いを挑んでいったんだ...」

 

「ほぉ...」

 

エボルトは改めて万丈龍斗という人間について考え直した。戦兎と同じ位因縁のある相手であり、何度倒されても決して諦めないその心に自分が関心を示すほどには。人はそれを「うっとおしい」というのだが、エボルトはその言葉にすら興味はない。

帰らないのならばとエボルトは攻撃をしようとしたが背後に現れた気配が近づいて来ている事に気が付き攻撃を止める。

 

「こいつの言う通りだ。君たちは一旦帰って体制を整えてくれ」

 

「えっ」

 

「ん~?」

 

「なんで、あんたがここに...」

 

その声の主は、決してここにいるはずのない人物だった。

 

「なぁに、ミカちゃんが葛城君に連絡を取った時に話を聞いていてね。流石に動かずにはいられなかったのさ」

 

「今更お前が出てきた所で何ができる?」

 

「簡単さエボルト、これはオジサンの意地なんだ。そして...」

 

『コブラ』

 

トランスチームガンにフルボトルをセットして上に構えトリガーを引きながら下へと降ろし、スチームを身にまとう。

 

『ミストマッチ!』

 

『返してもらうぞ、俺の息子を!!!!」

 

『コブラ…コッ・コブラ…』『ファイヤー!』

 

花火と共に黒いスチームは晴れていき、そこにはかつてのエボルト『ブラッドスターク』の姿があった。

 




サブタイトルの『意地』

それは自分がどうなってでも家族を守る父親の意地を指しています。


________

次回、『戦兎救出作戦、終了』
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