迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
がむしゃらに殴るんじゃない。確実に相手の芯を付いて行くんだ。
士さん達と旅をする中でユウスケさんから教えてもらったパンチのやり方。それを龍斗は今一度思い出しながらナックルを叩き付ける。それの繰り返し。
「威力が上がっている!?」
「力がみなぎる!魂が燃える!!」
スイッチを押し込み
「俺のマグマが迸る!!!」
『ボルケニック・ナックル!!!』
武器で防御しようとするがスチームブレード・ネビュラスチームガンは威力に耐え切れず破壊されてしまう。これで終わる龍斗ではない。
『ボトルキーン!』
龍斗はもう片方のナックルにボトルをセットしスイッチを押し込んだ。
『グレイシャル・ナックル!』
「ぐぁっ、あ、足がッ!」
殴られた勢いで吹き飛びそうになったマッドローグの両足が凍りつく。それにより吹き飛ばされかけている態勢のままに身動きが取れなくなっている。
「武器も壊した。これで...」
ハンドルを回していくクローズマグマ。グランディアは脱出する為にもがくが氷は砕ける様子はない。
「まだ...私はぁ!こんなところでぇぇぇぇ!!!!!」
『READY GO!』
「もう誰にも止められねぇぇぇぇ!!!!!!!」
羽を使い浮上したクローズマグマは空中で体制を整えマッドローグへ向けてキックを放つ。
『ボルケニック・フィニッシュ!』
だが、キックは当たることはなかった。
「ハハハハハハハハ!!!!!感謝するぞ万丈!お前のお陰で俺は更に進化できる!!!」
「何!?」
エボルトはエボルトリガーを向けることでキックのエネルギーを吸収していく。ほとんどのエネルギーを吸収したことでクローズマグマはバランスを崩して地面に落下してしまう。
次の瞬間、強大な風がクローズマグマを襲った。
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戦兎は一度切り札を使おうと思った。だが、自身が消滅する可能性があるために使えないでいた。
「ちく、しょうが!!!」
「オイオイ何を焦っているんだ?まさか戦う気が失せたんじゃないだろうなぁ?」
「んなわけあるか!!!」
どうにかエボルトと戦えてはいるが葛城さんに見せてもらった動画からエボルトの姿は3つ。バランスのとれたコブラフォームと互角に戦えてもこのままだと負けてしまうだろう。
『タンク&タンク』
「ビルドアップ!!!」
『タンクタンク!』『ヤベーイ!』『ツエーイ!』
タンクタンクに姿を変えボトルホルダーからボトルを取り外しバスターにセットする。
『スパイダー』『ドライヤー』『ジャストマッチで~す!』
「食らっとけ!」
『ジャストマッチ・ブレイク!!!』
放った一撃はクモの巣を連射しエボルトを拘束後熱風を放つ。
「ぬぅ...小癪な真似を!!!!」
拘束時間は短かったがエボルボトルをエボルトのホルダーから2本とも外すことに成功する。
「調子に乗るなァァァ!!!!!」
戦兎は決断した。切り札を使い、ここでエボルトを仕留めると。
「これで終わりだ、エボルトォォォォ!!!!」
ベルトからフルフルラビットタンクボトルを外し、葛城さんと共に創り上げた切り札をセットする。ハンドルを回す度に電撃が走るがそれにも屈せずに回しエボルトへ向けて突撃する。
「あああああああああ!!!!!!」
「お前は...いつだってそうだったなぁ!!」
エボルトはビルドに触れた際にそのハザードレベルが急上昇している事に気が付いたのだ。それも人間の限界値である6.0を超えて。
「オラァ!!!」
「ぐっっ!?」
「お前は、悪い意味で俺の予想を超えてくれるなぁぁ!!!!」
エボルトはハンドルを回してエネルギーを右拳に貯めて放とうとするがビルドに簡単に止められてしまう。
「俺と、このまま仲良く...消滅しようぜ..」
拘束しようとするが、エボルトに跳ね除けられてしまう。
「アアアアァァァ!!!!!お前、なんかにぃ...破壊されてたまるかァァァ!!!!」
エボルトはどこかへ走り去ってしまった。その後を追うために走り出すが中々スピードが出なかった。そこへ強風が襲った。
限界を超えていたビルドは錆びていくかのようにアーマーが消滅していく。
「あ...」
髪は色が抜け白くなっており、そのまま戦兎は地面に倒れ込んだ。
ANOTHERルートもそろそろ終盤へ__