迷い込んだのはリリカルな世界 By Build   作:Plusdriver

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55.新たな龍の目覚め

一斗は龍斗達と比べれば小さな体で次々にガーディアンを倒していく。

 

「後三体...」

 

地面に手を付いて息を整えていれば、一本のボトルが転がってくる。

 

「ぐあっ...ちぃ...限、界かよ....」

 

「先輩!」

 

ボトルを拾い上げればクローズマグマは変身が解除され、龍斗はこれ以上戦えそうにない。

 

「如何やらまだ身体はボロボロのようですね。そんな状態では私には勝てませんよ?」

 

「くっ...あいぼう...一斗を頼んだ....」

 

龍斗は気絶すると同時に転移魔法陣に飲まれていく。クローズドラゴンは龍斗の指示通りユニゾンを解除するとすぐさま一斗の元へ飛んできた。勿論マッドローグに牽制も忘れない。

 

「ドラゴン...手を貸して!!!」

 

「変身できない貴様などを相手にしている時間はない」

 

グランディアは攻撃をしてくる一斗を無視して病院へと進んでいく。チマチマとした攻撃に嫌気がさしたのかグランディアは一斗へと急接近するとそのまま吹き飛ばした。

 

「ぐぁっ、...うぅ...」

 

「しつこいんだよ。このままここで始末しておくのも有りか」

 

受け身がうまく取れたものの痛みは全身を駆け抜けている。クローズドラゴンも心配して一斗の周りを飛び回り炎の円形の結界を一時的に張っている。

 

「ありがとう、どらごん」

 

『♪~~~~~!!!』

 

感謝の言葉をクローズドラゴンに伝えた後に、龍斗が落としていったドラゴンエボルボトルを見詰める。

 

「僕が変身出来ていたのは、エボルトの遺伝子を持っていたから。そしてこれは、エボルトが造ったボトル...」

 

一斗は思い付いた。このボトルがエボルトが造ったものならばもしかして、自分が使えばライダーの力をもう一度使えるようになるかもと。

 

「...ドラゴン、力を貸してほしいんだ」

 

『♪~~~~!』

 

ドラゴンの力を上手く引き出せるのはクローズドラゴン。一斗はそのことに気が付き、協力をお願いした装着していたビルドドライバーに変形して手元に落ちてきたクローズドラゴンにボトルをセットしてからセットする。

 

『クローズドラゴン』

 

ハンドルを回すがライドビルダーが展開されることはなかった。だが、それでも諦めなかった。このままグランディアを野放しにすれば被害は拡大し、自分の大切な人達にも被害が及ぶ。

 

「僕は.....()は.....こんな所で諦められるかァァァ!!!!!!!!!!」

 

一斗の目は赤く染まる。それと同時にクローズドラゴンとボトルにエネルギーが収束される。

 

『グレートクローズドラゴン』

 

一斗のエネルギーによってクローズドラゴンは新たな姿へと進化していた。ボトルも含めてエボルに似た色合いに変化している。

 

『ARE YOU READY?』

 

「変身!」

 

エボルトの遺伝子を奪われた一斗だったが、エボルボトルを使う事でその遺伝子を自ら作り直したのだ。それはエボルトすら予想できなかった一斗だけの進化だった。

 

『ウェイクアップ・クローズ!』『ゲット・グレートドラゴン!』『イェーイ!!!』

 

「今の俺は....負ける気がしねぇ!!!!」

 

「ば、馬鹿な!?失ったあの方の遺伝子を創造したのか!?」

 

グレートクローズへと姿を変えた一斗は龍斗から預かっていたブリザードナックルを使い動揺して動きが鈍っているマッドローグの腹部へと向けての一撃を放った。

 

「いっけぇぇぇ!!!!!!!」

 

「うっ」

 

威力はクローズマグマの放った一撃よりも軽い。だが、それよりも芯を捕えておりグランディアは完全に動けなくなってしまう。

 

「このまま行くぞ!ユニゾン・イン!!!」

 

ドラゴンとユニゾンしベルトが空になったところにフォレスをセットする。

 

『フォートレス』

 

一斗が創り上げた新たな龍は更なる力と共に、厄介な者に新たな希望を与えていた。


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