迷い込んだのはリリカルな世界 By Build   作:Plusdriver

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56.動き出した天災

『Moving fortress! Keep shooting GREASE Fortress!』『YEAH!』

 

「砲撃、開始!!!」

 

グリスフォートレスへと姿を変え、全砲門からビームを発射する。マッドローグは言葉を発する時間もなくビームに飲まれた。

 

「いつもよりも、威力が上がってる?」

 

一斗の思った通り威力は普段よりも上がっていた。原因はエボルトの遺伝子を創造し、覚醒させたからなのだがそのことに一斗は気付いていない。

 

『フハハハハハ!!!!グランディア君!君は下がっていたまえ!』

 

「!?待て、スカリエッティ!まだ私は__」

 

マッドローグは言葉を言い切る前に魔法陣へと吸い込まれていく。そして、白衣を来た見覚えのある人が現れた。

 

「さて、知っているとは思うが自己紹介といこうか」

 

「お前の話なんて聞くわけないだろ!スカリエッティ!!!」

 

「ちがあああああああああああああああああああああう!!!!!」

 

「!?」

 

スカリエッティは大きな声で自身の名前を否定した。

 

「スカリエッティという名はもう捨てた...今の私は.....」

 

スカリエッティはハザードトリガーが装填されたビルドドライバーを装着し目を見開いた。

 

 

「NEW!スカリエッティだぁぁァァァァ!!!!!!!!!!!!!!」

 

「えぇ....」

 

さっきまでシリアスしていたはずなのに。あの一斗ですら呆れている。4年前に一瞬だけ見た彼の影は完全に消滅していた。

 

「君が、融合している...そのドラゴンは回収させてもらう」

 

「狙いはドラゴンか!」

 

渡すわけにはいかないと一斗は身構えるが動きが鈍くなり始める。

 

「あ、あれ?身体が...」

 

「ああ、言っていなかったね。このベルトは私自ら細工していてね。全てのデバイスの動きを鈍らせるのさ」

 

「ま、不味い...」

 

NEWスカリエッティは少しずつ一斗に近付き、強制的にユニゾンを解除させる。

 

『♪~☆■■△○○!....』

 

「フム。本当に興味深い。これは貰っていくよ」

 

「ま、て....」

 

気絶はしなかったものの強制的にユニゾンを解除させられたために体力が奪われてしまう。一斗は追いかけようとするが身体は動かず、只々グレートクローズドラゴンが連れていかれるのを見ているしかなかった。

 

_______

 

 

「素晴らしい!想像以上だ!!!」

 

スカリエッティは、いやNEWスカリエッティはグレートクローズドラゴンを解析していく。戦兎にも弄る事が出来ないオリジナルのドラゴンの仕組みは、彼に新しい興味を与え続けていた。

 

「やはりこれと同時に使えば更なる可能性を引き出す事が出来るのか....」

 

キーボードを叩く音が響く中、グランディアは自身の身体を治す為に治癒魔法を発動させる。

 

「さて、グランディア君。提案だ。いい加減にこれを使う気にはなったかい?」

 

「...ええ、そろそろ使わなければ、目的は果たせなさそうですからねぇ」

 

グランディアは試験管に入れられた二つのギアを見詰める。手元の情報端末には新たなマッドローグの姿があった。




ヤベ...スカさん壊し過ぎた...


次回、『対立』


全ては『   』の為に。

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