迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
「勝手な事を...」
『良いじゃァないか、これは相棒が提案してきたんだぜ?』
「お前に言ってるんじゃなくてな。父さん、本当に良かったの?」
純一郎は腕に巻き付いたヘビを背中に移動させてから戦兎と顔を合わせる。
「ああ、これでいいんだ。それにエボルトが俺の中に居ればいつだって倒せるだろ?」
『まぁ、簡単にやられるつもりはないからな』
トランスチームガンを使いエボルトと再度融合した純一郎。エボルトは身体を小さなメカメカしいコブラへと姿を変え、純一郎の身体に巻き付きながら動き回っている。純一郎の挑発的な言葉に反応した為に背中から顔を出した。
「顔を出すなよ」
『それくらいは俺の自由にさせてくれよ』
「エ・ボ・ル・ト?」
『Ciao!』
「逃げるんじゃない!!!」
純一郎の身体を軸に始まった追いかけっこは直ぐに終わることなく続いていく。
この行動は、少しの平和を感じさせた。
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あの
「これで最後!」
「ふぅ、ようやく完成したね。早速お披露目会といこうか」
葛城と戦兎はそれぞれが完成させた新たなアイテムを持って病室から病院の外へと運び出す。
「お、やっと来たな」
「待たせたなっと、フォレス、フク、スタッグ、行っていいぞ」
『『『♪~~~~~!!!』』』
「お帰り、そして初めましてだね」
一斗の元へ向かった三匹は進化した一斗の室力を調整出来る様に調整し直したのだ。その中でも新たな仲間であるスタッグは恭也のボトルの成分を使用できる様に成っている。今の一斗になら操れるだろうと戦兎が開発したのだ。
「こいつも渡しておく。自分のタイミングで使ってくれ」
「ありがとう、父さん」
ビルドドライバーも渡しておく。一斗の戦力を増やすには拡張性がないスクラッシュドライバーでは全力を出せないという事で渡されることになったのだ。
「ほい、龍斗にはこれだろ」
「ああ、待ってたぜ」
龍斗にはマグマナックルとブリザードナックル、スクラッシュドライバーを渡す。
「マグマナックルは以前よりも威力を挙げておいた。上手く使ってくれ。ブリザードナックルには新しいボトルだ」
「氷、か」
「上手く威力を調整できなくてな。これでだけは変身するな。最悪ハザードレベルが急上昇して消滅の可能性もある」
「わかってら。
「...ならいいがな」
戦兎は自身が記憶を取り戻した頃から龍斗の様子がおかしいことに気が付いた。でも、それを指摘できないでいた。
「......」
それはフェイトも同じだった。
「ティーダ様、こちらを」
「僕にも、ですか?」
「はい」
ミカはティーダにビルドドライバーを渡す。
「貴方の為のパワーアップアイテムが有りますので、後にそれを受け取って下さい」
「分かりました。ありがとうございます」
「それでは」
ミカは仕事を済ませるとビルドフォンへと戻り、戦兎の元へ飛んで行った。デバイスである彼女にも流石に疲労が溜まっているのかそのままスリープモードへと移行してしまう。
「ティーダには、これを」
「これを、僕にですか」
「俺達が戦えない間にもこの世界を守る為に戦ってくれた君にしか、こいつは使えないよ。頼んだぞ」
「はい!」
ティーダは戦兎からフルフルボトルに似た物を受け取った。全てのアイテムを分け終わったときに、ビルドフォンに通信が入った。
『スカリエッティがエニグマを完成させ、世界を飛び回っています』
「分かった。俺達も行くぞ!!!」
戦兎はすぐさま座標を合わせてエニグマを起動させる。
「わりぃ、戦兎」
「え?」
ゲートを開くと戦兎の身体は飛ばされていた。龍斗がタックルをしたのだ。その衝撃でエニグマを手放してしまう。それを龍斗は拾い上げ、一人でゲートをくぐり抜けていった。
この先、投稿がかなり時間が空いていくと思います。
テストやテスト、テストが多々待っているので暫しお待ち下さい。
受験生なのもあるので、突然の投稿停止もあり得ますので頭の片隅に残しておいてください。
では。
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独りでスカリエッティに戦いを挑む事を選んだ龍斗
その理由が通信を繋いだ先で語られる。
次回、『暴龍の叫び』