迷い込んだのはリリカルな世界 By Build   作:Plusdriver

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必ず、書き続けてみせる...どんなに時間がかかっても、だ


72.ジーニアスは止まらない 前編

エボルトは一斗で遊ぶように戦っている。

 

「ほらほら、どうした?そんなものかぁ?」

 

「相変わらず、人を煽るような、言葉ばかり使うな!」

 

一斗の攻撃をかわしながらエボルトは答える。

 

「人の反応は面白いからな。いくらでも弄ってやるよ!」

 

「うおおおおお!!!!!!」

 

ナックルとツインブレイカーを使いエボルトを攻め立てていく。だがそれすら、エボルトにとってはただの遊びに過ぎないのだ。

 

「おっと、そこまでだ」

 

「なっ!?」

 

突然攻撃を交わすのではなく受け止められた一斗は驚きその動きを遅くしてしまう。

 

「もう少しでパネルが完全に完成する。それさえできればこの世界に用はない。サッサと壊させて貰う」

 

「ぐっ、がぁっ」

 

両手首を握りしめられてそのままねじられる。一斗はその痛みに耐えきれずに武器を落としてしまう。

 

「お前も世界を一周させるエネルギーになるんだよ」

 

「俺は、なるきは、ないっ」

 

一斗にはまだ伝えられていない事があった。今もなお病室で独り自身の帰りを待っている彼女に、その言葉(・・)を。

 

「ここまでなんだよ。チャオ、一斗」

 

 

エボルトは片手を離してトランスチームガンを眉間に突き付けトリガーを引こうとした。

 

 

「そこまでだ、エボルト」

 

だが引けなかった。そのトランスチームガンを砕き壊したビルドがいなければ。

 

「ようやくか、戦兎ォ!!!!」

 

 

「お前は後だ!」

 

 

戦兎はエボルトの攻撃を受け止めて反撃し後退させる。その隙に一斗を連れて一旦その場を離れた。

 

「父さん...」

 

「ありがとう、俺に思い出させてくれて。俺はもう迷わない」

 

変身が解除された一斗を木陰に寝かせてすぐさまエボルトの元へと戻る。

その間に、一斗の元へミカが現れた。

 

「一斗様、お疲れ様でした」

 

「...これで、よかったんですよね」

 

一斗は知っていたのだ。自分達こそがこの世界を一周させるのが目的なのを。

 

「既にティーダ様は旅立たれました。このパネルも間もなく完成です」

 

「...ミカさん、今の僕はこれ以上動けそうにないです。だから、アインハルトさんに_________」

 

 

「...分かりました。必ず、お伝え致します。ですが、必ず一斗様自身の口からお伝え下さい」

 

「また、会えるなら...必ず...」

 

一斗はパネルへと吸収されていった。白いパンドラパネルは後一人、強大な力を持つ者(・・・・・・・・)が吸収されることで完成する。

 

 

「おやすみなさいませ、一斗様。貴方様の伝言、確かに伝えさせて頂きます」

 

ミカは静かに礼をしてその場を後にした。最後の目的地であるパンドラタワーの頂上へと。




少しずつ物語は終盤へと進んでいく。

残された仮面ライダーは二人。

仮面ライダービルド(桐生戦兎)

仮面ライダーエボル(純一郎/エボルト)

どちらが勝っても、世界は____

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