迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
パネルを吸収することで全身が白い怪人体へと変貌したエボルトを見た戦兎は、無理矢理立ち上がろうとする。
「だから、そこで見てろって言っただろ」
エボルトはそんな戦兎を蹴り飛ばした。その勢いで戦兎は持っていたボトルの大半を落としてしまう。
「これでお前は変身すら出来なくなったな」
エボルトは巨大なブラックホールを開き、世界を吞み込み始めた。
『エボルト、これで終わりだろ?』
「ああ、世界を一周させる為のエネルギーは集まる。そして最後に____」
純一郎はエボルトに話しかけて、最後の確認を取った。その目的を果たす為に。
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「がっ...」
全身が痛い。これ以上は戦えない。そう思えるほどに戦兎は追い詰められていた。
先のエボルトの蹴りでボトルを落としてしまった為に、戦兎に残されたボトルは3本。
『ラビット』『タンク』そして『ドラゴン』
ベルトのホルダーに刺さっていたボトルのみが残っていたのだ。だが、エボルトに対してベストマッチのフォームにしか変身できない戦兎では勝てない。
その事実に戦兎は悩まされていた。既にベルトに装着されていたハザードトリガーは壊れ起動しない。
ただ、一つだけ、その場に残されているものがあった。それがエンプティボトルだった。
「頼むっ」
戦兎は掛けたのだ、奇跡が起こるかもしれないと。その場に転がっていたビルドフォンにいる、あの王妃に。
『これが、余の最後の力だ___』
「___ああ、必ずエボルトを倒す」
エンプティボトルには見覚えのある
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「よぉ、まだやるのか?」
「お前に、この世界を破壊させない」
『ラビット』『タンク』『ベストマッチ!』
エボルトと対峙した戦兎はベルトにボトルをセットし、ハンドルを回した。
『ARE YOU READY?』
「変身!」
展開されたライドビルダーに挟み込まれることでビルドへと姿を変える。
『フルボトルバスター!』
召喚したバスターにベルナージュが誕生させたボトルをセットする。
『ラビット』『ドラゴン』そして『仮面ライダー』フルボトルを。
『ミラクルマッチで~す!』
ビルドはバスターをエボルトへ向けて構えた。
「そんな攻撃が俺に通用するとでも思っているのかぁ?」
「...思ってるさ」
バスターの抑えられない力に身を任せ、エボルトへと急接近する。だがそれを狙っていたのかエボルトは殴り掛かってくる。それをも予想していたビルドは地面をラビットの足で蹴り高く飛び上がることで回避し、落下する中でバスターをエボルトへと振り下ろした。
「がぁっ!」
「俺や龍斗だけじゃなく、みんなが!」
一度振り下ろしたバスターを再度構えエボルトの反撃を食らう前に切りかかった。
「俺達『仮面ライダー』をつくってくれたからなぁ!!!!!!!!!!」
『ミラクルマッチ・ブレイク!』
その一撃を食らっても倒れないエボルトの動きが、いきなり鈍くなる。そしてその場で動けなくなってしまった。
「何故だ!?、うごけ、ない」
そして、バスターにセットしていたボトルが輝きその姿を変えた。
『よぉ戦兎。なんだ?一人じゃエボルトは倒せないってか』
「!龍斗!お前、一体何処から...」
『サッサとバスターを見てみろ!』
ボトルが変化したことで消滅した龍斗の意識が一時的にボトルへと宿ったのだ。
「色が変わってる?」
『俺はお前を、お前は俺を。士さん達との約束だ。忘れてないだろ?』
龍斗に言われて戦兎は思い出した。お互いに支え合った
「...最悪だ。お前に思い出さされるなんてな」
『偶には良いだろ?サッサとエボルト倒して、風麺奢れ』
戦兎はバスターからボトルを2本抜き取り、それを両手に持ってエボルトの方へ向いた。
「さぁ、『実験を始めようか』」
『ラビット』『ドラゴン』
トライアルフォーム。それは必殺技が使えず、フォームとしての決定打がない状態。ビルドドライバーのシステムで出来たがしてこなかった有機物同士の組み合わせ。展開されたライドビルダーには金と銀のハーフボディが形成された。
『ARE YOU READY?』
「ビルドアップ」
二度と変身できないであろう奇跡のフォームへと姿を変える。
『♪~~~~~~』『ベストマッチ!』
「「勝利の法則は、決まった!!」」
クローズとビルドのポーズを取り、再びハンドルを回す。
『READY GO!』
「ぬぅ!?」
ラビットタンクのボルテック・フィニッシュの様にグラフ型の滑走路が作られ、その途中にいるエボルトにキックを放つ。
『ボルテック・アタック!』
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」
「はぁああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
キックを食らい続けるエボルトは、笑っていた。
「これで、俺は消える。俺達の目的も、達成だ」
「なに!?」
エボルトの口から語られたのは衝撃の事実だった。
「俺は元々消えるつもりだったんだ。世界を一周させる為に」
エボルトも考えていたのだ。破壊しか出来なかった自身が、相棒を持ち、他人の為に戦えた。それでも、今まで自分がしてきた事の落とし前を付けなくては、と。
「相棒だって賛成してくれたんだぜ。だからよ、戦兎...」
エボルトは静かに抵抗を辞めた。
「
「う、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」
ラビットドラゴンからラビットタンクへと姿を変えながらもキックを放ち続ける。
その速度を加速させ続け、次元の壁へと叩き付けた。
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兎が飛び跳ねる高原に一人の青年が倒れていた。
「ここは...?」
意識がはっきりしない中で、その場に立ち上がろうとする。
「なんで、こんな所にいるんだ?」
だが、青年は一気に現実に戻されることとなった。
「パンドラタワーが、ない...」
ミッドチルダの街の真ん中に建てられた破滅の塔。その存在がまるでなかったかのように消えていたのだ。
「...世界が、一周したのか」
青年は、桐生戦兎はその答えに辿り着いた。他に何が起こったのかを確認するためにマシンビルダーを展開して高原から街へと向かう。
ビルドフォンからは、
一周した世界を見て回る戦兎。
だが、その世界の人々は戦兎の事を知らなかった。
そこへ______
次回、『
アナザールート、完結。