迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
今回は【♪】というマークが登場します。
マークが登場したらあの曲を流して読み進めてください。
きっと、あのシーンを思い出せると思います。
それでは、どうぞ!
「...何にも、残ってないのか」
戦兎は一人、公園の噴水広場へと向かい歩いていた。
『_今日から活動を開始した新たな___党のグランディアさんのお話を___』
でかでかと街に備わった仮想スクリーンにグランディアが映し出される。
世界が一周した事により
だが先程戦兎には葛城巧から連絡が来ていた。
「急に元の世界に戻された上、そちらの世界への通信が巧君以外出来ない」と。
エボルトとの最終決戦。その後起きた爆発を吸収し、世界を一周させたのは
世界は一周することで原作へと戻り、異物であった人物を元の世界へと飛ばした。勿論、ミッドチルダの人々に『エボルトによって滅ぼされかけた』という記憶はない。
あるのは、スカリエッティ一味による事件だけである。
「グランディアは、こっちの世界で目的を果たしたんだな」
グランディアの目的、それは障害を持った人々に優しい世界へと変える事。自分の子供のためにも、成し遂げたかったことを新世界で成し遂げたのだ。
「スカリエッティはっと、...はぁ~」
スカリエッティは殺されていない。この世界にエボルトは
戦兎は世界を一周させて新たな未来を創ったが、その代わりに大切なものを失った。ふと、見慣れた髪型を見つけてしまった。
「はやてちゃん!?」
「へ?」
戦兎は彼女の名前を呼んだ。いや、読んでしまったのだ。
「あの...どなたですか?」
「あっ、すまない...人違いみたいだ」
戦兎は思い知ってしまったのだ。この世界には、自分の事を覚えている人はいないのだと。
「ただ、一つだけ言わせてくれないか?」
「...ええ、私でよければ」
だから、彼女に伝えたかった事を言う事にした。
「君が無事で...良かった」
「なんやったんやろ、あの人」
はやては一人、久しぶりに全員が休暇を得た家へと帰る。
「なんであんなにも、悲しそうやったんやろ...」
はやて自身も、頬を伝う雫の意味が理解出来なかった。
____________
噴水の脇に腰を下ろし、戦兎は静かに呟いた。
「今度は俺しか記憶がないのか...」
一人孤独を嚙み締める。あの日から始まった桐生戦兎としての人生にはいつも仲間が居た。それが、突然失われたのだ。世界を救うためとはいえ、戦兎にはこの平和を見続けられる自信は無かった。
「戦兎!」
【♪】
聞き覚えのある声が戦兎の耳に届く。そして振り返ると居ないはずの人物が立っていた。
「龍斗!?」
「どうなってんだよこの世界。誰も俺の事を覚えてないし、誰とも通信できなくてよぉ...」
そう言いながら龍斗は噴水の脇に腰を下した。
「何でこの世界に龍斗が?葛城さんの話が合っているなら龍斗は元の世界に戻ったはず...」
「ああ、それなんだけどよ___」
どうやら龍斗はボトルの中に意識を入れていた時にエボルトの力を流し込まれて復活したらしい。何とも曖昧な事である。
「成程、俺が世界を一周させてもこの世界に残っていられたように、お前はエボルトの力を持ってたからこの世界に来られたって訳か」
「エボルトのヤツ、余計な事をしていきやがって...」
消滅覚悟で戦い抜いた龍斗にとっては何とも言えない状況である。
戦兎は静かに微笑みながらビルドフォンを変形させた。
「さて龍斗、最終確認だ。本当に俺についてくるのか?」
「俺はお前を支えなきゃなんねぇ。それが約束だからな!」
バイクは進んでいく。救世主とその相棒を乗せて。
「これは?」
「俺達の戦いの記録だよ。ざっと70のエピソードで物語を作ろうと思うんだ」
「でもこれ、『仮面ライダービルド』ってなっているけど始まりが俺との出会いからになってるぞ?」
「それでいいんだよ。その物語は、『俺達の旅の一部』なんだからさ。さて、今までを振り返りながらっと___」
まだまだ彼らの旅は、終わらない。
これにてアナザールート完結です。
あの曲、[Be The One]を聞きながら読まれた方なら思っていると思いますが、
このアナザールートはビルド本編が完結した為に生まれた原作に限りなく近いルートになっています。
これがやりたかった!と思えるものを描きました。
実を言うとアナザールート最終回は複数考えてありまして、
もしかしたらカタチにするかもしれません。
話したい事が沢山ある。そんな一年間となった今年。
平成に生まれ、仮面ライダーシリーズと共に成長してきた作者も、
気が付けば平成の終わりを感じてしまう始末。
新年から始まるジオウ編を考えながら年を越す事にします。
長々と失礼しました。それでは、新たな物語でお会いしましょう!
良いお年を!!!
2018/12/31