迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
今日で初投稿から丁度一年となりました!
ここまで読んで下さった、影ながらも楽しんで下さった方々、この小説に出会ってくれた方々に感謝を込めて...
主人公を犠牲にします!
では、本編!
戦兎がはやての手から解放されたのは、起床から既に2時間が経過した8時過ぎの頃だった。
今日は休みや、巧にぃを楽しむで!と気合い入れ方を間違えている彼女を尻目に、幼女となった戦兎はミカの話を思い出す。
曰く、昨日の魔法実験で
定期的に記憶が飛んでしまうことが
「...やっぱり恥ずかしい」
今、戦兎ははやてとミカによってアリシアの持っていた白いワンピースに着替えさせられている。外にも出られるように白いサンダルまで用意された。
「...やっぱり、着替えよう」
「なんだ、その格好ではいないのか?勿体無いではないか、折角似合っているというのに」
「えっ」
廊下を歩きながら独り言をつぶやいていただけの戦兎に、特徴的な喋り方声が背後からかけられた。
「なんで、君たちは未来に行ったはず...」
「どうでも良いことだ。今の我にはお前が必要なのだから」
過去で出会い、遥か未来へと旅立った王が、背後で仁王立ちしていたのだ。未だに少女の姿のままで。
「もう10年以上たったよね?」
「い、言うなぁ!!!我だって気にしているんだからなっ!!」
如何やら彼女は事故によりこの時代にきてしまった様だ。しかも、この家の廊下にだ。
「グズン、我、何も悪くないもん...」
「ごめんって...」
料理中に飛ばされて来た為かデバイスもなく、ここが何処なのかすら分からない状態でアタフタしていた所に、覚えのある魔力を感じた為に廊下で待っていたらしい。
手持ちアイテム:エプロンを装備し、王様ことディアーチェは胸を張る。
「さぁ、我を元の時代へ____」
ディアーチェが言葉を続けることはなかった。何故なら廊下が崩壊したからだ。
「戦兎から離れろぉ!!!」
戦兎は壁を破壊した本人を目視し、すぐさま身構えた。一度も会ったこともないはずなのに「彼女はキケンだ」と身体が判断したのだ。
「な、何者だ!」
「...
二人の言葉を聞き現実へと戻ってきた戦兎は思わず、その名前を口にしてしまう。
「え、
「...フフフ、フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!ようやく、また、お前を、
黒いデバイスとして封印されたボトルから復活した少女は、以前異世界で戦った時とその容姿は変わらない。そして、彼女の正体こそがとある異世界で吸収を繰り返し、精神に異常を持った彼、彼女を誕生させたのだ。
「戦兎以外を破壊するっ、何もかも、世界も、次元すらも!それが
エb、えぼたんと名乗った彼女に困惑を隠せない戦兎は取り敢えずディアーチェを連れてこの場を離れることにした。
デバイスを持たない戦兎では明らかに彼女の相手をするのは不可能だからだ。
「ディアーチェ!逃げるぞ!」
「う、ウム」
ディアーチェの手を掴み、戦兎は来た道を引き返す。
様々な視線が、その手に集まっている事に気が付く事はなかった。
はい、あの方完全復活です。もう、滅茶苦茶だぁ