迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
「何で、このボトルがここに...?」
一斗が取り出したボトル、それは戦兎が持っている
「仕方が無いっ」
悩んでいる暇はないと判断し、ボトルを振りキャップを正面に合わせる。
「...父さん、力を借りるよ」
『ラビット』『タンク』『ベストマッチ!』
ボトルをセットした一斗はハンドルを回し、ライドビルダーを展開する。
本来ならば自然体で音声が流れるのを待つのを、戦兎の様にファイティングポーズを取った。
『ARE YOU READY?』
「変身!」
『鋼のムーンサルト!』『ラビットタンク!』『YEAH!』
ライドビルダーに前後から挟み込まれ一斗はビルドへと姿を変える。直ぐに戦っているアインハルト達の元へと走り出すはずだった。
「新たな王の誕生だ。それを邪魔する者は許されない」
「っ!」
「一体、何処からっ」
ティーダとアインハルトの間に割って入った青年は
「おっと失敬。だが私の事はどうでもいいのです」
青年は何処からともなく一冊の本を取り出し開き、その一文をなぞり言葉を続けた。
「祝えっ!過去と未来を切り開き、我が王の隣に立つに相応しいもう一人の王。その名を『仮面ライダービルド』。まさに力を引継ぎし瞬間である!」
「え、俺が、ビルド?」
「今はまだ、我が魔王とは出会ってすらいないご様子。このまま貴方が隣に立ち続ける事を願っているよ」
意味不明な言葉を残し、青年は本を閉じる。次の瞬間青年の姿は消えていた。
「今のは一体...」
「っ、二人共来るぞ!」
考える時間を与える事なくアナザービルドが走って戻ってくる。その手には見覚えのないボトルが握られていた。
「『科学者』、『魔術師』、いただきま~す」
「そのボトルは!?」
ティーダはそのボトルの一本が、戦兎が吸い込まれているものだと気が付いたが、時は遅くそのままアナザービルドが吞み込んでしまった。
「う、うぐぐぐ、ぐぁはははははは....AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!」
ボトルを取り込んだ事でアナザービルドに変化が起こる。苦しみながらその姿を変えているのだ。ラビットタンクからスパークリングに、スパークリングからハザードに。
「...二人共、龍斗さんと合流してこいつを倒す方法を探してくれ」
「っ!?何言ってるんですか!!」
ハザードへと姿を変えたアナザービルドは既に自我を失っており、大きな音を発生させた一斗へと向かい走り出す。
「行かせるかぁ!」
『マスターっ!精々5分持てばいい方だ!』
JIMをセットアップし、ハザードを羽交い締めにしながらバインドを発動する。
「早く、行けっ!」
思ったよりも早くバインドの鎖にヒビが入ったティーダは焦りながらも2人に声を掛ける。
「...行きましょう、一斗さん」
「でも...」
「今の私達ではこのままやられるのが見えてます。一度引きましょう」
アインハルトは直ぐにこの場から離れるべきだと判断していた。このままでは自身だけでなく、一斗までやられてしまうと。
「...分かった。ティーダさん、必ず、助けますからっ!」
ビルドとアインハルトはその場を走り去ってゆく。
「...やれやれ、僕はいつだってこうだな」
『最後まで付き合うぜ、マスター』
バインドは破壊され、羽交い締めからも脱出したアナザービルド・ハザードはローグへと攻撃を開始した。
「うぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
そして黒い靄と全身をとげとげとさせた異形だけが、爆発を背中に受けながら立っていた。
先ずは一言。
ありがとう。これで僕らは救われる。
公式から『仮面ライダーグリス』の発表がありましたよ!!
これを喜ばずにいられるか!?
グリスパーフェクトキングダムっっっ!!!
エモい、ただひたすらにエモいっ!
こうなったら、書くしかないじゃないか!!!
『仮面ライダークローズ』絶対に書ききって、物語を繋げてやるぅ!!!