迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
いやはや、お待たせしました。
アナザービルドと一斗達の戦いは、何処までもアナザービルドが有利だった。なぜなら本物を手に入れているのだ。その力を余すことなく使えるだろう。ハザード化していなければ、だが。
「ちぃ!」
ツインブレイカーとフォレスを使い乱射乱撃をしつつ、その上で攻撃に動くジオウとウォズのサポートもこなす。
日頃から様々な人達と戦う事が出来た一斗の新たな闘い方である。
「ソウゴ、ウォズ!」
「ああ!」
「分かっているとも」
彼等にとってもそれは同じ。
ジオウ、ウォズ、グリスによって四肢を拘束されたアナザービルドは脱出しようと暴れ出す。
「今だ!ハルっ!!!!」
「はいっ!」
異形な胸部装甲にアインハルトの鋭い一撃が刺さる。だがしかし、それはアナザービルドの動きを一瞬止める事しか出来なかった。
腕の拘束が緩んだのを見逃さなかったアナザービルドはそのままジオウとウォズを振り払い、アインハルトへと殴り掛かる。
「アブねぇ!!!!」
「っ、一斗さん!!!」
その攻撃を背中で受け止めた一斗は、一瞬意識を失ってしまう。何とか持ちこたえた彼はアインハルトがその場から離れるのを待っている。
いくらバリアジャケットがあろうと今のアナザービルドの一撃をもらえば、ただでは済まない。それが仮面ライダーだったとしてもだ。
「早くっ、行け!!」
鎧にノイズが走り、一部からは一斗の姿が確認できる。アナザービルドはハザード化したことにより新たな能力を手に入れていた。成分採取とその成分の利用に対して、破壊が追加されているのだ。アナザービルドはグリス、ロボットゼリーの成分の一部を破壊したのだ。それにより装甲が安定しない状態となった一斗は今、追撃を貰えば装甲を失う事になり兼ねない。
グリスの装甲の破壊に成功したと思いアナザービルドはエンプティボトルを取り出す。それはオリジナルのものとは異なり、人であれ何であれ、破壊して採取することができる異常な物。
キャップを回し、その口をグリスへと向けようとする。それにいち早く気が付いたアインハルトは____
「ハルっ!!」
とっさにジオウとウォズがその採取を止めようとアナザービルドへと攻撃し、その手からボトルを落とさせるが、採取が止まることはなかった。既に魔力を吸われ大人モードは解除され、制服に戻っている。
「____________勝って下さい」
そして彼女はボトルへと吸い込まれていった___
最後に見た彼女の顔はとても清々しいものだった。それは、彼女が知っているからこそできたことだったのだ。何があっても、一斗が助けてくれるという、彼女の信頼の形。彼女は覚悟していたのだ。この戦いで明らかに自身が足を引っ張っている為、責めて彼に何かを残してから撤退したいと。
「一斗...」
「一斗君...」
ボトルを拾い手にしたまま動かない一斗は、その場で変身を解除する。
「...ごめん、また君に無茶させちゃったね...」
何時もそうだ、と一斗は言葉を繋げる。彼女を守れているのだろうか。そう考えるのもおかしくはない。
あの時も、あの時も、あの時も、あの時も。
静かに立ち上がり一斗へと向かって走り出すアナザービルド。それに気が付いたウォズが止めようと動き出すがジオウに止められる。
「前にも言ったけどさ、一斗はビルドの名前を継いでても、そうじゃないんだ」
ウォズはカマモードとなったジカンデスピアを下ろしながら問い掛ける。
「と、言うと?」
ジオウは目の前で起こるであろう景色にどこか懐かしさを覚えていた。決して見たことなどないはずなのに。
「一斗は
「我が魔王...」
彼らの視線の先には、向かってきたアナザービルドを返り討ちにしているグリスの姿があった。
「あんたが何者であれ、俺はもう止まらねぇ!!!!!!!!!」
アインハルトの覚悟/ソウゴの未来
過去に世界を救った彼らにソウゴは憧れた。自分もそんな王になりたいと。
そんな彼が初めてであったのが同じクラスとなった一斗だった。
いかがでしょうか。ソウゴが憧れた一斗が大切なものを守るために何度でも立ち上がる。
一度は憧れた人物が目の前で再び立ち上がるシーンを見てみたいものです。
マンホール編と続いてカブト編、戦いの神再び。
いやはや、地獄兄弟が登場し変身してくれただけでこちらは満足です。
マンホールで色々持ってかれてたからね、仕方がないね。
次回は一体誰がカブトに変身するのでしょうか?今からでも楽しみです。
感想お待ちしてます。それではまた!
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男は望んだ。この世界を変えたいと。
女は与えた。この世界を変えられる王の力を。
異形となった彼は、王になるために
本来の目的を忘れて。
「いけるな、ソウゴ」
「勿論、いつも通り頼むよウォズ」
そして響く声_____
「祝え!!」
次回、「ベストマッチ2017」
「僕が___」