迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
戦兎のやつ禁断のアイテムに手を出しやがった。
すぐさまビルドドライバーを取り出す。
「リンディさん、俺も出ます!!」
放置する訳にはいかねえ。アイツを止められるのはあれが使えるものだけ。しかも、勝てるか分からないときた。
「ダメよ、龍斗くん。今のあなたじゃ危険すぎる。」
「くっ...」
俺たち仮面ライダーは変身中は魔法がうまく使えなくなる。だが、手はある。戦兎に貰ったスイッチとバットフルボトルだ。
ナイトローグを倒した時の戦利品らしい。あと、このゼリーなら....
「すいません、勝手に行動します!!!」
ビルドドライバーをしまう。
そしてスクラッシュドライバーを装着する。
『スクラッシュドライバー』
「それは何?」
エイミィさんに聞かれたが無視する。
ゼリーのキャップを正面に向けてからベルトにセットする。
『ドラゴンゼリー!』
待機音が鳴り響く。
「変身!」
掛け声と共にベルトについたレンチを押し下げる。
潰されたゼリーから成分が流れ出し、タンクにチャージされる。
「ぐあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
痛みと共にビーカーの形をした物が作られ、
下から成分が入った液体が上がりながら螺旋状に
包まれてアンダースーツを装着する。
頭上から液化装備・ヴァリアブルゼリーを全身に浴びる。
『潰れる』 『流れる』 『溢れ出る!!!!』
頭部、胸部、両肩の装甲・クロスアーマーを形成する。
『ドラゴン in クローズチャージ!』
『ブラァ!!!』
「はっ...はあっ...」
どうやら変身できたらしい。
このベルトはとても危険らしいが。
「龍斗くん、その姿は?」
「すいません、質問に答える時間はありません勝手に出ますから!!!」
戦兎からもらったスイッチを押す。
「「なっ!!」」
俺の下にぽっかりと穴があき、落ちていく。
「説教なら後で聞きます!!!」
ベルトにバットフルボトルをセットしてレンチを押し下げる。
『チャージボトル!』 『チャージクラッシュ!』
コウモリの羽が生えてきたので、それで飛ぶ。
「待ってろ!戦兎!!!」
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「エイミィ、アルカンシェルを使うわよ。」
「!!!!」
リンディさんがとんでもないことを言い出した。
「ですがあれは.....」
「大丈夫よ。戦兎くんの差し入れの中にこれがあったの。」
それはスパークリングの缶に似ていた。
「これは?」
「フルボトルの魔力を貯め込んだ物だそうよ。
切り札として使ってくれって。」
リンディさんが振るとシュワッと音が鳴る。
フルタブを開けると今のビルド並の魔力が溢れてきた。
「これで闇の書、及びビルドを倒せ。だそうよ。」
「なっ!」
こんな物を食らえばビルドでもただでは済まないだろう。
「いくらなんでもそれは.....」
「戦兎くんが言ってたのよ。
[俺の切り札は使うと後戻りできない程のものです。
正直言って使いたくないレベルです。でも、それで八神はやてを、夜天の書を救えるなら。]
って。自己犠牲の多い子よ。あの子は。」
リンディさんはため息をはく。
クロノが吸収されてはいるが諦めてないみたいだ。かく言う私もだが。
「さて、皆。生きて帰るわよ!!!!」
艦長の背中が遠くに見えた。
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先輩が空から飛んできた。アースラから降りて、いや落下してきたのだろう。
以前見た記録の中で落ちていった時間なのだろう。戦兎を止めるために。
だけど、今の先輩じゃ完全には止められない。だからこそ父さんが俺を送り込んだんだ。
「心火だ。心火を燃やしてぶっ潰す!」
ぶっつけ本番だがどうにかなるだろう。
そう思いながらベルトを装着した。
次回、グリスが登場!
更に新たなハザードフォームも登場予定!
誰かクロコダイルクラックボトルを譲ってくれませんかね?