迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
「ごめん、巧にぃ。あれから1年もたってるんやね。」
「ああ。長い時間忘れていてごめん。」
はやてが泣きやんでから話を進める。だけど、
「こんな時期の朝は冷えるからね。転移で移動するよ。」
大きなビルドマークがある魔法陣を展開し全員を家に転移させる。
「ただいま、龍斗。」
「!やっと帰ってきたか、戦兎。って全員集合かよ!」
龍斗がソファーでくつろいでいる所に帰ってきたせいか、慌ててソファーから飛び起きる。
「お前、なんか吹っ切れたか?」
「ああ、記憶を取り戻したよ。あ、あとゼリーをクローズに食べさせてくれ。」
「ん?わかった、やってみる。」
『♪~~~~~~~~~~』
急にドラゴンが消え、龍斗の目が赤くなる。
「ん?どこ行った?」
「ユニゾンできたみたいだな。」
「なに、こいつユニゾンできたのか?」
「俺からのプレゼントさ。止めてくれてありがとう。」
「....また暴走したら、止めてやる。」
「ああ、そうしてくれ」
全員に温かい飲み物を出して、俺は自分の過去を語り始めた。
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今から一年前、俺がまだ佐野巧だった時。俺は葛城巧と最上魁星の研究の助手のアルバイトをしていた。
そんな中で学生だった俺は夏休みに入った。だから、長期間のバイトをすることにした。
最上博士の知り合いが平行世界でとある研究をして、子供が産まれて人手が足りなくなったので俺が行くことになった。
だが、転移中に事故が起こってしまう。エニグマが熱暴走し、知り合いの家ではなく全く違う場所に転移してしまった。
さらに、そのショックからか俺は一部の記憶を失った。そんな時、ある少女に出会った。
それが、はやてちゃんだった。自分が何者であるかも忘れてしまった俺を3ヶ月間一緒に暮らさせてくれた。
暮らしていたある日、俺は街を歩いていると、ある夫婦に会ったんだ。
猿渡研究所、俺のバイト先になるはずだった所に住んでいる博士達だったんだ。どうやら最上博士達があの事故の後すぐに連絡をしてくれたみたいで俺を探していたらしい。
お陰で、博士達からの連絡で記憶を取り戻した。が、はやてちゃんの元を離れることになった。
だけど、俺ははやてちゃんの元を離れなかった。たった一人で暮らすには若すぎると思ったからだ。
その為、はやてちゃんには仕事に就いたと話して研究所と行き来した。
そんなある日、研究所が何者かに狙われた。未だに何者かはわかってはいない。
俺は実験用に持たされたビルドドライバーを使い、ファイアーヘッジホッグに変身して助けに向かった。
既に研究所は炎に包まれていた。それでも俺は助けに向かった。でも、誰も助けることが出来なかった。
俺は使う事が出来なかったはずのフルボトルを使い暴走した。そのまま強制的に元の世界に強制的に転移された。
勿論、はやてちゃんにも連絡できずに。
元の世界で俺が立ち直れない中で博士達が政府に狙われた。政府が研究データから新たな兵器を開発しようとしていたのだ。
俺も狙われた。それを見かねた最上博士が俺の記憶を一時的に消して平行世界に転移させる事にしたのだ。
俺はそれを受けた。猿渡博士達が研究していた魔法の力。それを頼る様にね。
平行世界はそれぞれ時間の流れるスピードが異なることがある。その為俺の世界の2週間がこちらの世界では一年が過ぎ去っていたのだ。
こうして俺はこの世界で再び暮らし始める事になった。
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「ざっとこんなもんかな....」
『........................』
お茶を飲みながら一息入れる。皆は黙りきってしまった。
「...この話には続きがある。」
『!?』
俺はとある可能性について話す。
「猿渡博士達の息子が、何処かで生きている可能性があるんだ。」
この話は『レスキュー剣山』を読んでいただくと
さらに理解できると思います。