迷い込んだのはリリカルな世界 By Build   作:Plusdriver

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近未来の物語を多々修正し、A`s編に変更しました。

この話でA`s編は完結です。


43.終わりの音が鳴り響く

「博士たちの息子の名前は猿渡一斗。生きているとすれば未来で生きているはずなんだ。あのエニグマは未来へ繋ぐ研究に使用されていたからな。」

 

「じゃあ、こっちもエニグマを使えば..」

 

なのはがそう言うがそれは出来ない。

 

「俺のエニグマは過去、現在、未来と安定して転移することができないんだ。」

 

「それじゃあ...」

 

はやてちゃん、ごめんね。

 

「俺は旅に出るつもりだ。」

 

『!』

 

「....俺もついていくからな...」

 

龍斗はついていくと言ってくれる。嬉しい限りだ。

 

「巧にぃ、またどこか行ってしまうん?」

 

「ごめんね。でももう君は一人じゃない。離れていても俺達は家族だよ。」

 

「.....」

 

頭を撫でることしか出来ない俺を許してくれ。それに...

 

「リインフォース。」

 

「はい、貴方は気づいていたんですね。」

 

「....お前も旅に出るんだろう?」

 

「はい。」

 

『!』

 

リインフォースは自分の中にまだ闇の書の闇が残っていて自分が消えることで全てが終わると話した。

___________

 

アースラに転移した俺は早速だがリンディさんに土下座していた。

 

「勝手に抜け出して申し訳ございませんでした!」

 

「いいのよ。それよりもビルドのことなんだけど...」

 

この事件では龍斗が協力者という事にして俺のことは隠密にされた。このままだと封印もあり得たらしい。リンディさん様様だ。

 

「アルハザード出身じゃないそうね。」

 

「ええ、俺と龍斗は別の平行世界出身です。」

 

「そう...後悔しないようにね。」

 

「はい。」

 

俺は司令室から出てすぐにクロノに会った。

 

「今日行くのか?」

 

「ああ。」

 

「そうか...何かあったら連絡しろ。」

 

「わかってるさ。ありがとな。」

 

「.......」

 

俺は魔法陣を展開し家に帰った。

 

__________

 

 

「士さん、また俺達は旅に出ます。」

 

龍斗はまた光写真館の跡地に来ていた。思えばここが彼らが出会うきっかけを作った場所でもある。

 

「俺は支えきってみせますよ。あなた達に会うまで。その先も....」

 

 

最後の方は殆ど聞き取ることが出来ない程に小さな声で呟いていた。

 

________________

 

大家さんに来年2月には出ていく事を話した。これでもうここを離れることは出来る。だけど....

 

「これでよかったのかな...」

 

 

一人で準備を進める中、部屋に切なく響いただけだった。

 

_________

 

 

「嫌や!リインフォースも巧にぃも、折角会えたのに...」

 

俺達は移動して街を一望できる丘へと来ていた。

 

「すみません、主。」

 

リインフォースははやてを引き離しシグナム達に預ける。

 

「夜天の魔導書の終焉の時だ。」

 

なのはとフェイトがデバイスを起動させ、魔法陣を展開する。

 

[Ready to set.][Stand by.]

 

「短い間でしたが皆さんに世話になりました。」

 

[Don`t worry.][Take a good dream.]

 

「主はやて。」

 

「...なに?」

 

泣きながらでも答えようとするはやて。

 

「最後の最後に、私はあなたから綺麗な名前と心を頂きました。」

 

「....」

 

「騎士たちも傍にいます。だから、私は笑って旅立てます。」

 

「これから..もっと幸せにしなきゃあかんのに....」

 

リインフォースははやてに近づいていく。

 

「大丈夫です。私は世界で一番幸福な魔導書ですから。」

 

「リインフォース....」

 

「主はやて、一つお願いがあります。」

 

涙をぬぐってからはやては話す。

 

「なに?」

 

「私は消えて小さな無力なかけらに変わりますが、そのかけらにではなく、貴方がいずれ手にするであろう魔導の器に私の名を送っていただけますか?」

 

「祝福の風、リインフォース。私の心はきっとその子に宿ります。」

 

「リインフォース....」

 

はやての返事を待たずにリインフォースは離れていく。

 

「主はやて、守護騎士達、小さな勇者達。そしてかの戦士達よ。ありがとう。そして、さようなら。」

 

その言葉を最後に闇の書は白い粒子に変わり天に昇って行った。そして空からかけらが落ちてきた。

 

「忘れないよ、絶対に...」

 

はやてはそれを拾い上げると抱き締めた。

 

 

___________

 

リインフォースは先に旅立った。だから俺たちもそろそろ出発だ。少しずつ人がここに集まり始めた。俺はユーノに声を掛ける。

 

「ユーノ、これから無限書庫で頑張れよ。」

 

「はい!」

 

「姉弟子、フェイトを頼みます。」

 

「わかったの!」

 

「えっ!?」

 

俺達は旅立つ前にみんなに別れを告げていた。

 

「シグナム、シャマル、ヴィータ、ザフィーラ。はやてちゃんの事を頼んだよ。」

 

『はい。』『おう。』

 

「リンディさん、大変お世話になりました!」

 

「いいのよ。元気でね。」

 

『はい!』

 

「クロノ、エイミィさんと仲良くな?」

 

「な、なにを言っているんだ...またな」

 

「おう。」

 

「姉弟子の友人たちもお元気で」

 

「またね。」「風邪引くんじゃないわよ。」

 

「なのは、魔法少女頑張れよ。」

 

「にゃはははは。あと、アリサちゃんたちが話があるって..」

 

何だろうか?

 

「話?何かな?」

 

「ブラッドスタークから伝言。アルハザードで待つですって。」

 

「.....わかった、ありがとう。」

 

スターク....今度は何を...ん?

 

「恭也さん...」

 

「何かを決心した目だな。行って来い。」

 

「はい!」

 

 

みんなとの話は進んでいく。

 

最後に...

 

 

「はやてちゃん、君にはこれから沢山大変な事が待っている。」

 

「うん。」

 

「それでも諦めないで。君の未来でまた会おう。」

 

「っうん!」

 

泣きながらでもちゃんと返してくれるはやてちゃん。ホントは離れたくない。だけど、やらなきゃならないんだと自分に言い聞かせる。

 

「龍斗、最終確認だ。本当に俺についてくるのか?」

 

わかってる。それでも聞きたかったんだ。

 

「俺はお前を支えなきゃなんねぇ。それが約束だからな!」

 

「...ありがとう。それじゃあ皆、未来で!!!」

 

『未来で!!!』

 

俺はエニグマを起動させた。

 

 

 

__________

 

戦兎さん達が行ってしまった。

 

『『はやて』ちゃん...』

 

「もう大丈夫やで。さあ皆、家に帰ろうか!」

 

笑顔で振り向くはやての手には皆が写った画像が表示されたカメラがあった。

 




次回より新たな空白期間を始めます。

感想お待ちしております。

これからもよろしくお願いします。

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