迷い込んだのはリリカルな世界 By Build   作:Plusdriver

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ついに絡んでくるあの物語。

いよいよあの子が登場する!



68.ミッドチルダへの帰還

普段と変わらない朝を迎えたはずなのに、この世界から離れたくないと思ってしまう。それは俺が母さんと再会したからなのか、こちらの生活に慣れてしまったのか、自分自身でもよくわかっていない。だけど今言えるのは....

 

 

「葛城さん、二週間程お世話になりました!」

 

「なりました!」

 

『♪~~~~』

 

「ありがとうございました。」

 

「やめてくれ、僕はそういうのは慣れていないんだ。」

 

葛城さんに向かってみんなでお礼をしていた。もう既に準備を終えていよいよ出発になったからだ。

 

「ふむ、じゃあ最後に一つだけ...」

 

『?』

 

葛城さんが口を開いた。

 

「今君が持っているフルボトルは僕が作ったものではない。」

 

「!」

 

そうか!これでつながった!やはりベルカにパンドラボックスが有ったのはそういうことだったんだ!

 

「葛城さん、俺は平行世界の過去でパンドラボックスを見ています。」

 

「!そうか...つまりその時代から現代に転送されたのか...」

 

「多分そうだと思います。」

 

一斗の相手をミカに任せて少し話し込んでしまう。だが、これでまたスタークの正体がわからなくなった。

 

「父さん?」

 

「あ、ああ。行こうか。」

 

俺はエニグマに時計フルボトルをセットしてトリガーを引く。転移先はミッドチルダ、機動六課の近くの桜並木!

 

「開いたか...」

 

上手くゲート越しにスバルたちの訓練が見える。

 

「葛城さん...」

 

「行っておいで」

 

「!...はい!」

 

俺達はゲートをくぐる。

 

「葛城さん、ありがとうございました!」

 

「またおいで。」

 

「またお邪魔させていただきます。」

 

「ハハハ、お手柔らかにね。」

 

『♪~~~~』

 

「君たちもまた会おう。」

 

一斗、ミカにフォレスとフクと次々にゲートをぬけていく。

 

「佐野君。」

 

「はい。」

 

俺は葛城さんに止められていた。

 

「ここから先、君は絶対に怒りに、復讐に飲まれてはいけないよ。僕の、僕たちの希望は君なんだ。だから、幸せになってくれ...!」

 

葛城さんは泣いていたのかもしれない。返事をする前に背中を押されてゲートをくぐり抜けてしまったからどうだったかは分からない。

 

ただ言えるのは...

 

「....この戦いを終わらせる...」

 

「マスター?」

 

「父さん?」

 

この子達の未来のために...

 

「なんでもないさ。さあ、みんなのもとに帰ろう。」

 

「うん!」

 

「はい!」

 

俺は俺の幸せを守るために戦う事を再度決意した。

 

 

_____________

 

「桐生戦兎とターゲットが帰還したみたいだよ。」

 

「そうか、二か月...随分と長かったじゃないか...」

 

彼らの視線の先には以前よりも完成に近づいたベルトとフルボトルがあった。

 

 




気づいた人もいるだろうからの説明。


一斗と戦兎が転移したのは現代よりも少し前の過去です。

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