迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
って待てよ。確かスバルの姉のギンガが捕まるのはいつだったっけ?
「戦兎さん?」
「ああ、悪い。考え事してた。」
知っているのに見捨てるのはいつだって辛い。アインスの時も時間があれば...いや、過去への介入はしないことにしたんだ。何があったとしても。
「なのは、俺をこのまま病院に転移させてくれ。」
ユニゾンを解除してデバイスを渡す。
「....はやてちゃんから許可を貰いました。今から転移します。」
「ありがとう。」
俺は病院に転移したのだった。
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結果から伝えよう。
「パパ.....」
ヴィヴィオに懐かれた。ヤベーイ!どうしよう!?
『諦めてください。これが貴方の運命です。』
ここにいないはずのミカの声が聞こえる気がする。念話は使えないはずなんだよな....
『王が眠そうにしています。このままおんぶしてでも機動六課に帰ってきてください。』
んな無茶苦茶な。ってか念話だよなこれ。
『は・や・く!』
「ハイハイ....」
声が出ちまったじゃねえか。俺はヴィヴィオを背負って機動六課に向かった。
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何事もなく無事に帰ってこれたのだが....
「嫌だぁぁぁl!!!!!離れたくないぃぃぃ!!!」
『________』
「え、えと...」
「父さん?」
「巧にぃ?」
ちょ、一斗はこの子が気になっているみたいだけどはやてちゃん、その目はヤバイ。まるで嫉妬の炎が燃えているのがハイライトの消えた目から伺える。
「ヴィヴィオ、悪いけど下りてくれ。離れはしないから。」
「本当?」
「ああ。」
しゃがんで直ぐに下りてくれたのだがすぐさま足にくっついてしまう。
「その子は...」
「病院から連れて帰って来たんだけど、何か懐かれてな...」
『あ~あ。』
えと、皆さん?何を納得しているのですか?
「だってここで子供がいるのは戦兎さんだけだし...」
「お父さんだからね...」
聞こえてますよ~。あと自然に心を読まないでください。
「で、どうするんだ戦兎。このまま話すのか?」
「ん~、しょうがない。話すしかないよな。」
俺達はヴィヴィオ、ギンガも含めた全員で会議室へ向かう。皆が椅子に座ったのを確認してから、戻って来たビルドフォンを机の上に置く。
「ミカ、もういいぞ。」
『はい。』
『!』
皆が驚くなか光り輝くビルドフォンはすぐさま形を変える。
「初めまして。マスターこと桐生戦兎様のデバイス、ビルドフォンことミカと言います。」
机の上にミカがリインフォースサイズで現れる。
『ええ~~~~~!!!!!!!』
仕方が無いよな、まだ龍斗にも説明してなかったし。
「戦兎、ミカが何故ここにいるんだよ!だってアイツは...」
「あ、やべ」
「ベルカの、お前の弟子だったろうが!」
『ベルカ!?』
オイオイ、やばいぞこれ。
「巧にぃ、
『説明してくれるよね?『ださいね?』』
「えっと、どこから話したもんかな...」
俺はなのは達に説明した。旅に出たら古代ベルカの時代に転移したこと。そこでしばらくの間暮らしたこと。そして、あの時代にもスタークが攻めてきたこと。
「スタークって誰ですか?」
「目的不明の危険人物だ。今回の、スカリエッティにも関わっているはずだ。」
以前から知っている人は納得がいっているみたいだ。だけど、知らない人には龍斗が説明してくれた。
「で、ミカ。お前が何故デバイスになったのか、説明を頼む。」
「はい。私は...」
ミカはあの後死にかけていたらしい。その為意識だけをあの時代で作ったビルドフォンのプロトタイプに残したらしい。で、パンドラボックスを本に封印してボトルは未来の葛城さんの研究所に送ったらしい。また俺に会えると信じて。
「私は後に一斗の両親、猿渡夫婦の元に行きビルドフォンの完成を頼みました。」
魔法について研究してたんだよな。それでデバイス制作を行っていて...
「マスター、あの家事は....スタークによって起こりました。」
「......」
ああ、予想はしてたさ...どう考えたってあんな不自然に外側から燃えていたわけだ。
「パパ?」
「父さん?」
「あ、ああ。何でもないよ?」
嫌、全然大丈夫じゃない。あの二人を殺したのがスタークがやった事が分かったのだ...
でも
「俺は復讐には進まないよ。罪を憎んで人を憎まず。償わせるつもりだからね。」
『戦兎さん....』
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ある青年は悩んでいた。
『もうすぐだ、もうすぐで完成するぞ!』
『間もなくエボルドライバーを再び....」
「.....僕の目的は....」
彼の目的は妹の夢を叶えること。そのためになら自分が悪者を演じる。だが、その目的もここでは達成できないのではないのか。彼は悩む。
彼は間もなく決意する。自分の目的を達成する為に。
物語は加速する。
彼が動き出すのは、あと少しなのだから...