迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
俺は六課の外に出ていた。勿論、さっきのティーダからの連絡があったからだ。
「待たせたね、ビルド....」
ボロボロになりながらもギンガは無傷で運んで来たティーダ。
「どういうことだ?お前がスターク達を裏切るなんて...」
「僕の目的が果たせそうになくなったからね。これ以上は、ティアナから離れるのも無理だし...」
シスコンここに極まれりってか。
「兄さん!」
「ティアナ....」
ティアナがティーダの元へ走る。俺はギンガを預かり背中を押す。
「感動の再会だ。邪魔はしないよ。」
「ありがとう...」
抱きついたティアナは泣き出す。
「何で...生きていたなら連絡してよ...」
「僕の身を隠さないといけなかったんだ...」
ティーダは語った。自分は死なず、スターク達に助けられたらしい。自由に過ごせと言われたためティアナの夢をかなえるために力を尽くそうとしたらしい。自らが悪者、ローグになることによって。
「そんなの....私が叶えることなのに...」
「僕はあの時死んだんだ。今は人間じゃないしね。」
「!」
ティアナはスバルと共にライダーシステムを使用すために必要な事を知っている。今は自分の兄の発言が納得いかないんだろう。
「兄さんは...兵器じゃない。仮面ライダーなんだから...またみんなの為に、戦って!」
「僕は...罪を犯し過ぎた...」
口は出さないつもりだったんだがな。
「ティーダ、君はこの事件の後に、罪を償うんだ。妹を、ティアナをこれ以上悲しませないように...」
「う、うあぁぁ!!!!!!!」
みんなが様子を伺いに来た時には仲良しな兄妹がベンチでなきつかれて寝ていた。
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俺はギンガを医務室へ連れて行った。
「特に異常は見られないわね。」
「そうか...」
シャマルはそう話すが、如何やら目が覚める様子はうかがえない。暫くは眠ったままだろう。
「ギン姉!」
「スバル、静かに。」
「あ、はい。」
スバルは走ってきた為に息を整える。
「良かった...ギン姉...」
俺はシャマルに後は任せて医務室を後にした。
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感動の再会には余り時間がなかった。目を覚ましたティーダから話を聞こうとすると緊急の連絡が入ったのだ。
『戦兎、スカリエッティ一味のアジトが見つかった!』
「いよいよか...」
スカリエッティ一味、スターク達との戦いは終盤を迎えている。終止符が打たれるまでに次々と心が折れる出来事がある。これからの未来のために俺はそれを乗り越えてみせる。だがスカリエッティは、出し惜しみするつもりはないのか、管理局側の気持ちを砕く為に更なる一手を使ってきた。ルールーの召喚が確認出来たと思うと、彼女が召喚した無数の虫達が地鳴りを起こし始める。それと同時にスカリエッティからの映像も流れ始めた。
『さあ、いよいよ復活の時だ!私のスポンサー諸氏、こんな世界を作り出した管理局の諸君、偽善の平和を謳う聖王教会の諸君....見えるかい?君達が危惧しながら恐れていた絶対的な力を!』
「しまった!ゆりかごが起動したんだ!」
ティーダは、作戦を聞いてきたみたいだが、この感じだと余り説明されてないみたいだ。
スクリーンには破壊された地面の一部が浮かび上がる。
『旧暦の時代、一度は世界を席巻し、そして破壊した古代ベルカの悪夢の英知!』
名前は『聖王のゆりかご』。
古代ベルカ時代にに聖王軍から開発を手伝ってほしいと言われたものだ。勝利へと導いた超大型質量兵器。あれがスカリエッティの切り札か?じゃあスタークは何を...
『見えるかい? 待ち望んだ主を得て古代の技術と英知の結晶は今その力をがっ!!!』
そこで画面は切り替わり、何故か苦しむスカリエッティが映し出される。
『な、何を...!』
『お前は用済みだ....じゃあな。』
『がぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!』
スタークによって毒を撃ち込まれ、紫色の粒子となって消滅する。
『さあ、ショータイムの始まりだ!!!!!!!』
聖王のゆりかごの内部と思われる映像を映し出され玉座のような場所に浮かぶひとつの小さな影。目を閉じて玉座に座っている幼い顔立ちと金色の髪の少女は、つい先日まで俺達と共にに居たヴィヴィオだった。
『...!?痛い...いや、怖いよ! ママ、パパぁぁ!』
泣いているヴィヴィオの傍にいてやれないのが、悔しくてしょうがない。
『うぅ...痛い、痛いよぉぉぉ! ママぁぁぁ、パパぁぁぁぁ!』
...スターク、俺はぜってぇお前を許さねえ。
俺の手に握られていたフルフルボトルは少しずつだが熱を帯びていた。
これからが書きずらくなっていく。
それでも、最終回まだ描き続けます。
今後ともよろしくお願いいたします。