迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
「龍斗様、マスターが目を覚ましたようです。」
「本当か?」
「はい、間違いありません。ですが、何処かへ移動中のようです。」
ゆりかごでの最終決戦から2日が経過した。スカリエッティ、いやスタークによって操られた戦闘機人達により管理局は崩壊寸前だった。何とか町の復興は進み始めている。今は事務の出来ない俺はこの事件、S.S事件の重要参考人である戦兎が目覚めるのを待っていたのだ。
「何処に向かってる?」
「....パンドラボックスの保管場所のようです。」
「何?保管している所は教えていないはずなのに...」
当たり前だ。アイツが気絶してから決まったことだし知る由もないはず。それにシャマルは今ミッドに降りて怪我人の治療に専念しているはずだ。
「取り合えず行くぞ!」
「はい。」
俺達は戦兎が目指している場所に先回りすることにし、走り出した。
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なんでだろうな....知らないはずなのに、足が勝手に動くんだ。
「戦兎!」
「マスター!」
ああ、龍斗にミカの声が聞こえる。だけど、俺は止まらない。止められないんだ。
「ここには、パンドラボックスがある。だけど、お前はここを知らないはずだ。」
「....身体が勝手に動くんだ...」
分からない。何故俺がここに来たのか。どうして身体がゆうことを聞かないのか。
「マスター、これ以上はダメです。貴方の持っているそのボトル、エボルトによって身体を操られているのです。」
そうか...こいつのせいか....
『ビルドドライバー』
「戦兎、一体何を....」
こいつさえいなければ.....
『ハザード・オン』
「!」
『フェニックス』『ロボット』『スーパーベストマッチ』
『ドンテンカーン』『ドンテンカン』
ハンドルを回す。ただそれだけのことだ....
『ARE YOU READY?』
「変身...」
『アンコントロール・スイッチ!』『ブラックハザード!』『ヤベーイ!』
『ドリルクラッシャー』
『ゴリラ』
俺はゴリラフルボトルをドリルクラッシャーにセットしてハンドルを回す。
『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』
『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』
「....エボルト、昔ベルナージュが言ってましたよ。『貴様の最後は無残にも自分の力の一部で終わるだろう』と。」
ミカが何かを言っているが耳に入って来ない。左手の中で暴れ出すボトルを力強く握りしめて狙いを定める。
『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』
『ガタガタゴットン!』『ズッタンズタン!』
『『READY GO』』
『ボルテック・ブレイク!』
『ハザード・アタック!』
音声が静かなアースラの廊下に響き渡る。俺は誰もいない所にコブラエボルボトルを放る。そして、右手に構えたドリルクラッシャーにゴリラの腕のようなオーラを纏う。さらに、不死鳥の炎と機械のオイル、黒い靄も纏っていく。
『やめろおおおぉぉぉぉ!!!!!!!』
スタークの声が飛んでいるボトルから聞こえた気がした。だが、俺は止まらない。
『あああああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!』
ボトルにドリルクラッシャーは当たり、ゴリラの特性である即死が発動する。破壊されたボトルからコブラが出てこようとするが、炎とオイルによって燃やし尽くされた。
「.....サヨナラ、エボルト。次に会うときは_________」
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戦兎によってボトルは破壊された。変身を解除した戦兎に俺は肩を貸しながら医務室へと進んで行く。
「龍斗、俺の旅はここでひと段落した....ここからどうする?」
「......俺は....」
決まっている俺のやりたい事。それは...
「旅を続けることだ。いつか、士さん達にまた会えるように。」
「.....変わらないな...」
「おまえもな。これから、未来の為に戦っていくんだろう?」
「....ああ、ラブ&ピース。これがどれだけ脆い物であっても、それでも歌い続ける。それが俺が幸せなる為に必要な事だ。だから....
俺達の言葉は重なる。
「「これからもよろしく、相棒。」」
俺達の旅はまたここから始まるんだ。
これでこのルートは最終回を迎えます。
ですが、まだまだ物語は続きます。
これからもよろしくお願いします!
それではまた!