迷い込んだのはリリカルな世界 By Build 作:Plusdriver
まだ彼等の物語は終わらない。
あの事件、後にS.S事件が終了してから3ヶ月が過ぎていた。
俺は今、とある場所へ向かうためバイクを走らせていた。
俺こと万丈龍斗は今、一斗の成長を見守りながらフリーの魔術師として働いていた。
勿論アイツのデバイスであるミカと共に。
『龍斗様、その先を左折してください。』
「了解だ。」
俺が乗っているのはマシンビルダー。アイツが使っていたバイクだ。
桐生戦兎はエボルトと最期を共にした。
助けられた俺たちにミカが告げたことは実に残酷な事だった。
対最終兵器用のアイテムを使用した副作用で死にかけていたとはいえ、黙って行ってしまうなんて思ってもいなかった。
俺達が沈んでしまうのを戦兎はわかっていたのだろう。遺言を残していた。
それには今迄俺たちに黙っていた事と全員に対する感謝と別れの言葉が残されていた。
桐生戦兎という一人の青年が命をかけて守った全ての次元世界に対する言葉を。
『ラブ&ピースがこの現実でどれだけ弱く、もろい言葉なんて分かってる。
それでも謳うんだ。一人一人がその思いを胸に生きていける世界を創る.....任せたよ次世代』
俺達はそれを公開した。
事件の中で死んた仮面ライダーの言葉として。
今、あの言葉は殆どの人のココロに残っている事だろう。
そしてアイツは、英雄になった。
残された秘密の一つ、『創成王』として。
俺も『龍王』として崇められたさ。でも、すぐさま逃げ出した。アイツが死んでまで遺した事で俺が崇めれるのはおかしいと思ったからだ。
そこから俺はフリーの魔術師として働いている。
なのは達はそれぞれ進む道が異なってはいたが、想いは変わらないだろう。
今俺はフェイトと付き合っている。アイツがみんなの前でばらしやがったんだ。
ん?なのははどうなったかだって?
ユーノといい感じになってるよ。
『間もなく到着です。お疲れさまでした。』
「ありがとな。」
俺はバイクから降りて花束を取り出して歩く。今日は.....
「ひと月振りか、戦兎。」
桐生戦兎の命日で、偽りの墓参りに来たんだ。
教会の人達が何時も掃除しているからかこの墓は綺麗だ。ただ、当の本人はここでは眠っていない。
ゆりかごと共に消滅したはずなのだが、今でも俺はアイツが何処かで生きている気がしてならないんだ。
「今月で機動六課は解散だとよ。お前が支えた生徒達はそれぞれの夢に向かっていってるよ。」
勿論、お前の夢もな。
なのはと付き合い始めたユーノから、一つ相談を受けた。
僕と一緒にビルド式を教える講師にならないか、と。
生前、お前がふと漏らしていた事だ。ビルド式を教えてあげたいと。
そして俺とユーノは学院を回りながら講師をしている。
仕事の合間にだがな。
『龍斗様、はやて様から緊急の連絡です。次元犯罪者が現れたと。』
「俺が一番近くにいるってか....」
俺はビルドドライバーを装着する。アイツの使っていたのは今、厳重に保管されている。
『ボトルバーン!』
『クローズマグマ』
アイツが遺した技術は、きっと世界をよくしていくはずだから。
「変身!」
俺は、俺達は戦い続けるよ。
またお前に会えた時、
胸を張って
やり切ったって言えるように。
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『万丈龍斗』
戦兎の後を継いだ主人公。
一度は絶望により何も出来なくなってしまうも、フェイトが支えとなることで今を生きている。
某破壊者と再会した時に、「成長したな。」と言われ泣き出したらしい。
『桐生一斗』
身体も心もボロボロにされた次世代。それでも、父親の言葉を胸に今を生きている。
夢ができたらしい。
『ラブ&ピース』を守り、謳い続けるっていう夢が。
『鷲田翼』『翔』
互いに誤解が溶けるが、後にエボルトによってどちらも破壊されてしまう。
被害者の中では一番惨い事になった。
『葛城巧』
自分がいる世界から『佐野巧』という人物が居なくなった事に気が付いた人。
隠れながら帰って来た純一郎と奏の暮らしを見守っている。
『佐野純一郎』
妻である奏と再会した。今迄の記憶はなく、完全なる一般人へと戻った。
何故家に一つ部屋が多いのかが最近の疑問。
『ミカ』
ビルド式のデバイスとして最後まで戦兎と共にエボルトと戦い続けた。今は龍斗をマスターとし、普段から仕事まで支えている。一斗の姉のような一面も見られるようになったとか。
『高町ヴィヴィオ』
自分のせいで戦兎が亡くなったと思い込み、一番傷ついたと思われる。それでも今は学校に通いながら、兄を支えに暮らしている。
『高町なのは』
デバイスであるレイジングハートと共に半年に及ぶ入院、リハビリにより復活した管理局のエースオブエース。
ヴィヴィオの正式な親として支えながらも、次世代へ教育を続けている。
全ては、自分が伝えられる事を伝えきるために。
あ、最近ユーノと付き合い始めたとか。
『フェイト・テスタロッサ・ハラオウン』
悲しみを乗り越えて龍斗を支えた。後に付き合いだす。
まぁ、自身の気持ちを遺言でばらされた可哀想な人といってもいいかもしれない。
戦兎への感謝の気持ちに今も昔も変わりはない。これからも龍斗を支えていくだろう。
『ティアナ・ランスター』
夢へ向かって頑張っている。
兄が生きていた事をバネに更なるやる気が見えている。
『ティーダ・ランスター』
罪を償うために更生施設へ。
だが罪が戦兎によって軽くなり、もう直ぐ社会復帰出来るとか。
将来は龍斗とユーノに継いで講師になる予定。
『キャロ・ル・ルシエ』『エリオ・モンディアル』
お互いを支え合い、龍斗も支えた。彼らも夢に向かって頑張っている。
最近、浮かれた話を龍斗が聞いたとか。
『スバル・ナカジマ』
特殊救助隊へ。フォワードトップとして活躍しながら助けた人々にある事を伝えてるとか。
『戦闘機人達』
捜査に協力的な子たちは更生施設へ。原作通りにルーテシア、アギトも一時的だが入っていた。
だが、スカリエッティにのめり込んでいた子たちは精神を崩壊させ、それぞれ別の留置場に入れられている。
『桐生戦兎』『佐野巧』
自らの命を引き換えにエボルトとの決着を果たした。最後は残していく人達への後悔があったが、それでもエボルトと共に消えることを願った。
『仮面ライダー』
事件の中で登場した人々。人によっては兵器、又は平和の象徴として認識されている。
特にその身を犠牲にしてまで救った桐生戦兎は英雄とされ、ベルカ時代の伝説『創成王』として伝わっている。
『ある人が言っていた。俺達仮面ライダーは正義の為に戦うんじゃないと、人間の自由の為に戦うのだと』な。
これにてStS編全てのエンディングが完成しました!
各ルートは
GOOD ENDルートが仮面ライダーの物語
BAD ENDルートがエボルトの物語
TRUE ENDルートが対最終兵器の物語
となっています。
ここまで読んでいただいた皆様、
ここまでありがとうございました!
ですが、まだ物語は続きます。
番外編でお会いしましょう。
ではまた!