波導の勇者がゆゆゆいにINしました。   作:千点数

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 改訂しました。
 大幅に話の数が減ってしまいましたが、これから挽回しようと思っております。


本編『波導の章』(完結)
目が覚めたら携帯怪物で、


 ビビった。

 自分の姿がいきなり変なのになってたらそりゃあ誰でもビビる。

 たっぷり十分位ワタワタして、ようやく落ち着いた。ふぅ。

 ・・・・・・というか、この手、この足、このシュッとしたしっぽ、何か見覚えが・・・・・・というか、バリバリ見覚えあるわ。

 青と黒の体毛に身を包んだ、鋼、格闘タイプのポケモン。パールの時からの唯一無二の相棒の名前を忘れる訳が無い。

 

 (ルカリオじゃん)

 

 そう、どういう訳かは知らないが、この俺は、何故かこの日、ルカリオになっていた。

 

 *

 

 軽く現実逃避をした後、ほっぺをつねって現実だと実感した後。

 今更ながらに気がついたが、どうやらここ、俺の家でもなけりゃあ地球でもなさそうだ。

 

 周りに広がるのは、色とりどりの木の根っこみたいな何か。

 俺はそれらの内の一つに立っている。

 空は暗い、が、周囲の空間は真っ暗という訳ではなく、良く見える。どうなってんだこれ。

 一通り見回して考えるも、結局良く解らんという結論に至った。

 俺の体がルカリオになっているのもそうだが、俺は今、どんな状況に陥っているのか・・・・・・。

 

 うん、本当に訳解らん。

 

 「・・・・・・!」

 

 不意に、俺の横を何かが超スピードで襲ってきた。

 襲ってきたそれは、真っ白い細長のグミに口だけ加えたかのような、かなり気持ち悪い見た目をしていた。

 それが飛んできた方向を見ると、同じものがウジャウジャといる。

 

 (一匹見たら三十匹いるのはゴキブリだがありゃあ百は軽く超えてるな)

 

 俺の方に、飛んできた奴がまた襲い掛かってきたので、今度は反撃とばかりに腰と脚の回転とキレを利用して、殴る。

 ・・・・・・つい、空手をやっている時の癖でやってしまったが、俺の拳は白熱しながら白いバケモノを襲い、おもいっきり打ち抜いた。

 

 軽い爆発を起こしながら消える白いバケモノ。

 

 (今の“グロウパンチ“・・・・・・俺がやったのか・・・・・・?)

 

 今の技は、使う度に攻撃が上がる技だ。

 ポケモン大好きな俺は空手で突きを使う際に、今の技をイメージしてやっていたのだが、本当にそれらしきものが出せてしまうとは思わなかった。

 ・・・・・・まあ、今のが“グロウパンチ“という確証は無いが。

 ・・・・・・少々、いや、かなり拳が硬くなった気がする。うん、どうやら今のは“グロウパンチ“で合っていたようだ。

 

 (イケる・・・・・・のかこれは)

 

 もしかしたら、今俺の目の前にいるあの白いバケモノを倒せるかもしれない。

 あいつらは、今俺が仲間を撃破した瞬間に、俺に向かうスピードを上げた。俺の今いる場所まで一分も掛からないだろう。

 

 (さて・・・・・・空手以外全く出来ない運動オンチの俺は一体どのくらいやり合えるんだろうな!)

 

 両腕に“グロウパンチ“を発動させ、俺は、まるで星屑のようにも見える。真っ白いバケモノの大群に襲い掛かった。

 

 *

 

 俺が戦う上で最大の懸念事項があった。

 技のPPだ。

 PPが切れると技は使用不可能になる。

 ポケモンは、ゲーム準拠で行くと、技を四つしか覚えられない。

 “グロウパンチ“が一つ目だとして、それ以外がもしもPPの低い技だったりしたら・・・・・・かなりヤバい。こいつらは技でしか倒せないと、俺の当てにならない直感が告げている。

 

 が、そんな事は気にしなくても良かった。

 取り越し苦労だったのだ。

 御都合主義というのは、こういうものを言うのだろうという事を思ってしまう。

 

 恐らく、PPは、無限。

 一発につきPPを一消費する計算で行けば、二十発殴ればPPは尽き、グロウパンチは解ける筈。だが、何回殴っても“グロウパンチ“は解ける気配がなかった。

 一応、二十回、発動させて消してを繰り返しながら殴りもしたが、“グロウパンチ“は二十一回以上ちゃんと発動した。

 

 更に言うと、今の俺は、過去作品含めた、ルカリオがレベルアップ、もしくは技マシンで覚える事の出来る技全てが使える。

 リオルの時にしか覚える事の出来ない技や、それのタマゴ技も使えるようだ。

 ・・・・・・教え技は無理だった。

 

 技の種類が四つまでだという先入観に囚われていた俺は、“グロウパンチ“、“インファイト“、“はっけい“、“はどうだん“を使った後、恐らく“メタルクロー“であろう技が発動してとても驚いた。

 ここはゲームとは違い、現実なのだから、ゲームとかなり違っていても可笑しくない。

 

 というか、一番の懸念事項は、スポーツの中でも割と動ける方である空手の時でさえも“運動オンチ“と呼ばれるような俺の身体能力だが、ここまで戦えているのだ。問題は無いだろう。

 ルカリオというモンスターになった事による恩恵だろうか。

 

 “バレットパンチ“と“しんそく“を同時に発動してうっとおしい白いバケモノを蹴散らしていく。

 そろそろ終わりが見えはじめたその時。

 

 「・・・・・・!?」(ウッソだろおい・・・・・・!?)

 

 明らかにボスモンスターっぽい、天秤のような形をした何かが俺に襲い掛かってきた。

 ちっくしょう油断していた。ここまで接近を許すなんて。

 天秤モンスターは、回転して俺に、天秤の先っぽに付いた鉄球をぶつけて来ようとする。

 

 (死んでたまるかよ・・・!)

 

 技マシンの技も使えるのであれば、あれも使える筈だ。

 ゲームでの解説文からして、余り多用したくはなかったが・・・・・・

 

 (“まもる“!)

 

 俺の周りに、緑色の障壁が展開され、鉄球から身を守る。

 奴は回転を妨害され、一瞬止まる。

 今だ。そう思い、ちょっとした大技を繰り出そうとした瞬間。

 

 「はぁぁぁぁぁああああああああ!」

 

 ザクンッ!ズババババ!

 

 天秤モンスターが一瞬で細切れになった。

 細切れにしたとうの本人である、栗色の髪を後ろで纏めている娘は、溜息を吐きつつ今度は俺に刀を向けてくる。

 よくよく見てみれば周りに鎌を構えた娘やライフル持った娘、斧を両腕に一丁づつ持った娘までいる。

 更に、俺の後ろから更に何人か近づいてくる気配がする。

 いや、マジで誰だよおたくら。

 

 これが、俺と、勇者達の、(主に俺にとって)最悪な出会いだった。

 

 首に鎌を突きつけられるとか、コレどんな拷問?




 カッコイイ棗さんを書こうと、今奮闘中です。次の投稿は今しばらくお待ち下さい。
 (尚、ケモナーなのは変わりません)
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