波導の勇者がゆゆゆいにINしました。   作:千点数

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 一番書くのが難しい話でした。
 構想練るのに六日、書くのに四日。

 その割には量が無いです・・・・・・すみません・・・・・・


ルカリオと棗。

 俺は今、モフモフされている。

 もう一度言おう。モフモフされている・・・・・・!

 

 俺がこの、“勇者部“と呼ばれる、表向きボランティア部とほぼ変わらないこの部活の部室に来てから数時間後。

 俺は、褐色肌のクールっぽい少女・・・・・・古波蔵棗にめちゃくちゃモフモフされていた。

 

 ・・・・・・クールでカッコイイお前は何処へ消えた!?

 

 *

 

 まあ、最初はモフられる事なんて無く、質問して、されて、答えるみたいな情報交換会が開催されていたんだ。

 

 「とどのつまり、お前はポケモンという生命体で、何故樹海にいたかはわからない・・・・・・と?」

 「(そういう事だ。自分の寝床で寝たかと思えばあのカラフルな空間にいたもんでビックリしたね、本当)」

 

 そのあと、ポケモンが使える技やらタイプやら相性やらについて説明したところ、勇者全員から「ポケモンは神かそれに準ずる何かなのか」という言葉を頂いた。

 ・・・・・・うん、自分でもポケモンの使う技はあらゆる意味で可笑しいのばっかりだと思うし、空間切断するような技をフェアリータイプが何故受けて平気なのかとも思うけど・・・・・・とりあえず、それがポケモンなのだという事で納得してもらった。

 ポケモンの可笑しいところについて上げていたらキリが無い。

 

 そして、今度は今おかれている状況について、彼女らから説明を頂いたのだが・・・・・・神を鎮めろ?

 

 何とまあ無茶なことを・・・・・・神って何タイプなのだろうか。

 岩か鋼かノーマルか・・・・・・はたまたフェアリーか。マルチタイプとかだったら死ぬな。

 

 閑話休題。

 

 という事で、この世界の状況について説明が終わったところで、今度は俺の扱いをどうするか、その話が始まった瞬間、

 

 「・・・・・・私が飼おう」

 

 棗が俺を抱え上げ、モフりながらそう言った。

 いや、目が点になったね。

 

 聞けば、昔棗は犬を飼っていたらしく、それを俺に重ねたのだろうという・・・・・・いや待てやオイ。

 

 俺、犬に見えてるの!?

 おっかしいだろ犬に見えねぇだろ何処からどう見たってヒトガタの狼だろうが!というか飼われる気はねぇから離してマジで。

 

 ・・・・・・ちょっと落ち着け・・・・・・な?

 

 

 結論を先に言おう。

 

 棗の飼い犬(もとい手持ち)になってしまった。

 

 *

 

 手持ちというので思い出した。

 モンスターボールの事である。

 

 あの赤と白のツートンカラーの、野球のボールサイズのあれは、どういう原理かは知らないが、ポケモンを収納し、“持ち運ぶ“形で手持ち出来るのだ。

 

 モンスターボールにも種類があり、黒かったり、青かったり、紫だったりと、色や、それに応じて効果も様々。

 

 さて、何故そんなモンスターボールの事を今更思い出したかと言えば、

 

 「(何故こんな場所にこれがあるんだ・・・・・・)」

 「海が、“ルカリオの記憶を盗み見たときに役に立ちそうだったから作った“って・・・・・・これはなんだ?」

 「(勝手に盗み見てんじゃあねぇよ神サマ!?)」

 

 人気の無いところを通りつつ、人には見られないように精神力を削りつつ棗の住む寮の部屋に、あったのである。

 

 モンスターボールが。

 

 「野球のボール・・・・・・にしては硬いが・・・・・・」

 「(モンスターボールって奴だ。俺を“持ち運ぶ“形で携帯出来る魔法の道具みたいなモンだよ)」

 「なるほど・・・・・・はっ、だからポケットモンスターと言うのか・・・・・・」

 

 モンスターボールを手に取り、まじまじと見る。

 うん。ゲームのフレンドリィショップで200円で売ってる赤白カラーのモンスターボールだ。

 

 色違いのハイパーボールとかだったら神のズサンな再現度に愚痴付けてたぜ。

 

 「ルカリオ、これはどう使うんだ?」

 「(モンスターボールの何か臍みたいに突き出てる部分を俺に押し付けてみ)」

 「こうか?」

 

 俺に向かって棗がモンスターボールを押し付ける。

 すると、何か吸い込まれる感覚がして、次に何か狭い缶詰部屋に入った感じがした。

 何か凄い違和感を感じる。

 

 しばらくして。

 ポン!という音と共に、俺が感じていた違和感が消え去る。

 

 「モンスターボールの中に、本当にルカリオが入った・・・・・・」

 

 モンスターボールの中でも外の声は聞こえるんだな。

 ・・・・・・アニメでもそういう描写があったし今更か。

 

 「・・・・・・どう出せば良いのだろうか・・・・・・」

 

 投げれば良いんだぜ、棗。

 

 そう伝えようとするも、こちらの声は全くあちらには届かない。

 だが、棗は、

 

 「・・・・・・何?投げれば良い・・・・・・?

 では、出て来てくれ!ルカリオ」

 

 何かを察したのか、それとも海の声を聞いたのか。

 虚空に向けて、軽くモンスターボールを放った。

 

 何か外に放り出される感覚と共に、さっきの缶詰部屋のような感じが消え去る。

 

 気がつけば、棗の部屋のベッドに肩膝をついて着地していた。

 

 「隠れて寮まで移動する手間が省けたな」

 「(流石に毎日あれはキツイしな)」

 

 翌日、別に勝手に出る事が出来る事を思い出した俺はモンスターボールから不意に出て来て勇者を驚かせるというドッキリ(悪戯)をしたら、危うく若葉に手刀で落とされそうになったという事があったが、それは別のお話という事で。




 モンスターボール、あれホント不思議に思います。
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