波導の勇者がゆゆゆいにINしました。   作:千点数

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 番外編は、このドラゴン主人公視点で進めます。


諏訪地域の巫女はうたのんが好き。

 歌野を治療施設に預けて、廊下にあるソファーでぐでーっとしていたら、なんかとってもオドオドした娘さんが俺の近くにやってきた。

 

 「そ、その、この土地とうたのんを助けてくれてありがとうございます。

 ・・・・・・あ、あの!」

 「はいはい?」

 「あ、貴方がその・・・・・・“大いなる龍“さんですか!?」

 

 ・・・・・・へぁ?

 

 「何その中二心くすぐる超絶ステキネーミング。・・・・・・んでさ、何故あんたがそんな事を俺に聞くのかなんかめっちゃ気になるんだけど」

 「え!?えと、・・・・・・それは・・・・・・ですね・・・・・・その、神託が、ありまして」

 「ちょっとストップ。ゴメンね?・・・・・・よし一旦落ち着こう俺」

 

 さあ、シンキングタイムだ。彼女は今、“神託“・・・・・・そう言った。

 あんな化け物がいる時点で、この世界が普通の地球ではない事も、ポケモンの世界でもない事も流石に解っていた。

 ・・・・・・だが、神様が出てくるとは思わなかったなぁ・・・・・・。しかも恐らくモノホン。こんな気の弱そうで純粋な娘さんが嘘をついているとも、中二病を患っているも思えない。

 え?転生するときに会っただろって?バッカあんなチャラい性格した神様がいてたまるかよ。

 多分ありゃあ神様じゃあない別の存在だ。なんか異様な雰囲気の光ってる人のカタチした何かだ。

 

 「よし、悪かった話を遮って。で?その神託って奴がどうしたって?」

 「ええと、これから更に戦いが激化するから、神々をも殺せる者を異なる世界から複数人派遣する、という内容でして・・・・・・」

 「待ってもう一回ストップ」

 

 え?マジか。さっきの話が本当だとすると、俺が会ったのはマジモンの神様って事になる。・・・・・・神様ってあんなチャラ男みたいな性格だったのん・・・・・・?

 そして、更に神様は、俺と同じ存在をこの世界に複数呼び出して、恐らく、神様若しくはそれに準ずる何かと戦わせようとしている・・・・・・と。

 何その無理ゲー。・・・・・・いや、周囲の空間ごと存在と神格を“あくうせつだん“や“ときのほうこう“で時空間若しくは亜空間の彼方にぶっ飛ばせばワンチャン?

 

 「ゴメン、何回も止めちゃって。ちょっと衝撃的な事が俺の中で起こったもんで。それで、続きをお願いしますはい」

 「は、はい。わかりました。

 そして、別の地域の神様とも協力して、四人、この世界に異なる世界の人を呼んだそうです。

 神託だと、北方の地には“凍える世界“を宿した者、四国には神さえも切り裂く“聖なる剣“の担い手、南西の海に、全てを焼く“青い炎“を操る魔王、そして、この土地の近くには、“流星群“を降らせる、大いなる龍を呼び出す、と」

 「なるほど。大体察した」

 

 確証はないが、恐らく全員俺のように問答無用でポケモンのタイプと技、特性を貰い・・・・・・もとい、押し付けられ、転生した人達だろう。

 何故そう思ったか?

 まず俺。“りゅうせいぐん“を降らせる事が出来ます。そして、ドラゴンタイプ。ここまでは良いな?

 

 そこから考えていくと、“こごえるせかい“から考えるに、氷タイプの力を持った人。

 “せいなるつるぎ“から、格闘タイプ。

 “あおいほのお“から、炎タイプ。

 

 カッコイイ二つ名の中に、ポケモンの技の名前が入っているのだ。 

 タイプは、その技自身のタイプと同じであろうと考えた。

 いや、本当に、確証があるって訳じゃあないけどね?必ずそうだ、とは俺自身も思ってない。あくまでも予想だ。

 “凍える世界“の人が、本当は固有結界みたいなものを持っているのかもしれないし、“聖なる剣“がエクスカリバーや草薙の剣なのかもしれないし、“青い炎“を操れる、モノホンの魔王様が南西の海に呼び出されたのかもしれない。

 

 でも、もしも俺の予想した事が本当だったとしたら、マジで南西の海に呼び出された炎タイプの人に合掌だわ。

 

 *

 

 「うたのん!」

 「みーちゃーん!」

 

 ぎゅー。

 

 ・・・・・・ここ室内なんだけどなぁ・・・・・・本当に、なぜだろうか。百合の花が咲き乱れているのが見える。

 ここは治療施設の一室。そこに今俺と、巫女さん・・・・・・藤森水都、そして、諏訪の勇者である白鳥歌野の三人がいる。

 水都と歌野の二人、実は出来てるんじゃ・・・・・・うん、実に良い。

 男に百合が嫌いな奴はいない。うん。

 

 完全に蚊帳の外だと思っていたら、歌野が俺に話を振ってきた。

 

 「いやぁ本当に助かったよ。あ~、四国にあんな通信入れちゃったからなぁ・・・・・・ちょっと格好悪いけど、生きてる分もうけ物だね!

 あ・・・・・・あと勇者の装束が残念な事になっちゃったな」

 「元気そうで何より。で、勇者家業はどうするんだ?その装束、ズタボロだけど」

 

 壁に掛かっているハンガーには、局部以外ズタボロで、もはや布切れとしか表現のしようのない黄色の勇者装束があった。

 

 「あ~考えてないなぁ。神様がこう、パパッと直してくれると良いんだけど・・・・・・直るのかな?あれ」

 「まあ、直るまで俺が諏訪地域は守りますわ」

 「「え?」」

 「ん?何か問題でも?」

 

 二人共、驚いたような顔をしている。

 いや、何か変な事を言ったっけ?今回は・・・・・・言ってないな!うん。

 

 「そ、その大丈夫なんですか?十分強いのは解っ「ねぇ・・・・・・」うたのん?」

 「どうかしたか?」

 

 水都がワタワタと言っているのに割り込むようにして、低い声で歌野が俺に言う。

 

 「私の勇者装束が直ったら、君はどうするの?」

 「え?そりゃあ・・・・・・」

 「まさか、ここから出て行く、なんて言わないよね?」

 

 その言葉を言った歌野は、それはもう綺麗な笑顔だった。

 ・・・・・・目に光が一切ないが。

 

 「・・・・・・・バッカお前あの化け物の大群に一人で突っ込むようなアホタレを一人に出来るか。

 ・・・・・・まあ、勇者装束が直ってもずっと一緒に居てやるさ」

 

 なぜだろうか。少し寒気が・・・・・・

 引き攣った笑顔で俺がそう言うと、二人は別々の反応をした。

 

 歌野は呆気に取られたような顔をして、顔を真っ赤にし、「あわわ・・・・・・それって・・・・・・」と、なんかブツブツ言い始め、一方水都はと言うと、歌野の反応を見た瞬間に俯いて、

 

 「・・・・・・うたのんが・・・・・・取られる・・・・・・渡さない・・・・・・!」

 

 なんかこちらもぼそぼそ言っていた。

 ・・・・・・何この空間。

 

 というか、さっき、俺また痛い台詞吐いちゃってるな。

 ・・・・・・唐突に毛布に包まって布団の上でゴロゴロ悶えて枕をボスボスしたい気分になった。




 もしも番外編主人公の思っていることが正しければ・・・・・・

 天の神涙目ですね。
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