後、今回のお話は短いです。
あの剣は、ある水神を鎮め払った、神殺しの神剣だ。
神の加護は、通用しない。紙切れを破るように容易く切り裂くだろう。
だが、彼の者ならば、若しくはーーーーーー
*
神樹様に群がる雑魚共を片付ける。
ルカリオが、制限時間が来る前に終わらせる。
任せろ、と、私はそう言ったのだ。
空を駆け、音の速さでバーテックスを切り刻む。
途中、巨大なものもいたが、
「邪魔だぁぁああああああああああ!」
一瞬で切り伏せる。
向こうの方では、赤い衝撃波を伴った斬撃が、四方八方に飛んでいた。
夏凜が暴れているのだろう。
ふと、巨大で、変な刀の形をしたバーテックスを見やる。
何もせず、静観を決めているのは、余裕の表れか、若しくは、様子見か。
目の前に意識を戻す。
突っ込んできた星屑を賽子の形に切り刻み、盾のようなバーテックスを真っ二つにし、魚のようなバーテックスを三枚下ろしにする。
制限時間まで、あと十分。
それまでに、神樹様に纏わり付くバーテックスを蹴散らし、あの刀バーテックスを屠る。
・・・・・・と、その時。
「・・・・・・・・・・・・ーーーーーー!」
刀バーテックスから、金切り声、若しくは金属音のような音がして、たまらず耳を塞ぐ。鼓膜が破れそうだ。
すると、海のようにうねっていた青いオーラが、まるで乱気流のような、灰色のオーラに変化した。
そして、
「ーーーーーーーーーーーー・・・・・・・・・・・・!」
刀バーテックスが、自身の体を縦横無尽に回転させたかと思えば、次の瞬間、爆発と聞き間違うくらいの金属音と共に、辺りにかまいたちが起こり始めた。
「うっ、ぐぅ!?」
バリアのおかげで切り刻まれる事は無かったが、それでも相殺しきれなかったのか知らないが、とてつもない衝撃を全身にもろに受け、意識が遠退いていく。
真っ暗闇に染まる視界の隅で、ルカリオが、刀バーテックスに極太の光線を照射している場面を最後に、私の意識は真っ暗になった。
*
刀野郎を“はかいこうせん“でぶっ飛ばした後、先ほどのかまいたちで気絶した二人を神樹から少し離れた、安全な場所へ運ぶと、傷を“いやしのはどう“で回復させる。
「(後は任せろ。俺が終わらせる)」
・・・・・・さて。
覚悟を決めて、後ろを振り向く。
そこには、もう二~三桁程度くらいしかいなくなった、大小様々な大きさのバーテックスと、先ほどの俺の攻撃で少々傷を負った刀野郎がいた。
“はかいこうせん“であの程度か・・・・・・いくらタイプ不一致とは言え、硬すぎだろう。
俺が最後に見たときとは違う、灰色のオーラを噴出しながら、必死に傷を回復させようとしている。
「(今度は俺の番ってところかね・・・・・・)」
一応俺にも、彼女らが使ったような“切り札“のようなものがある。
ただ、使えるかどうかは解らない。そこは気合いと自身の波導でどうにかするしか無いだろう。
いつかやったゲームでは、別に専用のアイテムが無くても“あれ“は出来ていたのだ。
ならば、俺にも出来る筈だ。
「(よっしゃ、それじゃあやりますか)」
自身の波導を、今自分が使える限界以上まで増幅し、自身の身体に循環させる。
そのうち身体が耐え切れなくなってきて、骨や筋肉が悲鳴を上げ始める。
体中から、虹色のオーラが溢れ出す。それと同時に、自身の波導の出力が上がり、体がオーラに包まれて変化し始める。
体を包むオーラが卵の殻のように丸く俺自身の体を一瞬包みこんだかとおもえば、次の瞬間、それが割れて、
「(・・・・・・メガ、シンカァアアアア!)」
辺りに虹色のオーラが吹き荒れる。
メガシンカ、やっぱり出来たな。
大乱闘のルカリオがメガストーン無しでやってたから、もしかしたらと思ったが、どうやら当たりだったらしい。
身体を動かす。
軽い。
これならば、やれる。
「(さて、波導フルパワーだ。メガシンカした俺の力、とくと見やがれ刀野郎!!)」
俺は、“ビルドアップ“と“つるぎのまい“を積むと、“しんそく“で灰色のオーラを纏う巨大な刀に突貫した。
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