波導の勇者がゆゆゆいにINしました。   作:千点数

25 / 26
 本日二回目。
 はい。めちゃくちゃ短いです。
 一応最終回的な感じです。


記憶

 目を覚ます。

 私、古波蔵棗は、病院のベッドで目を覚ました。

 ・・・・・・私は、四日前、ある戦いに参加し、重傷を負った・・・・・・らしい。

 らしいというのも、ここ数週間の記憶がすっぽりと、完全に抜け落ちているのだ。

 

 だから、私・・・・・・いや、別のベッドで入院している他の勇者達も含めて、私達が、何が、どういう経緯で戦って、どんな敵とぶつかって、ボロボロの重傷になったのか・・・・・・全く分からないのだ。

 大赦の人間も全く解っていないらしい。

 

 現在解っている、戦いがあり、そして辛うじて勝利したという情報も、三日前神託があって、初めて解った事なのだ。

 

 無くした数週間の思い出。

 何か、大切な何かがあった。

 そして出会った、かけがえのない誰かを、忘れている気がして。

 

 でも、全く思い出せない。

 

 他の娘達も、何処か、『喪失感』を感じているようだった。

 大赦にも掛け合った。が、大赦の人間も余す事無く全員、ここ数週間の記憶が抜け落ちていたため、全く何も分からなかった。

 

 ・・・・・・ふと、サイドテーブルにある『あるもの』に視線を向ける。

 赤と白のツートンカラーの、野球のボールよりは小さくて、少々固く、真ん中には黒い筋が走っていて、そこで二つに、カプセルのようにパカッと割れる変わったボール。

 それを手に取り、眺める。

 四日前、ボロボロの私が懐に持っていたものだそうだ。

 安全なものかの確認の為に、今まで検査に出されていたらしい。

 

 ・・・・・・しばらく眺めていると、込み上げるものがあって、一つ、二つと涙が落ちてきた。

 

 それと同時に、確信する。この失った記憶の中で、私は確かに誰かと会ったのだ。だが、その誰か、が思い出せない。

 大切だったように思える誰かを忘れてしまった事に、私は悲しくなって、声を出して泣いた。

 

 

 「うう・・・・・・うぁああああ・・・・・・・・・・・・!」

 

 

 その『誰か』を思い、涙が流れていく。

 

 *

 

 長い、長い夢を見ていた。

 現実では有り得ないような、何処かファンタジーじみた、不思議と現実感が湧いてくるような夢だった。

 

 「まるで映画みたいな夢だな。オイ」

 

 頭を掻きむしって、身体を起こす。

 眩しい朝日が、身体を包む。

 

 だが、何処か、夢では済まさない自分がいるのだ。

 アレは夢じゃあないと、そう思っている自分がいる。

 

 「・・・・・・はっ、何考えてんだか。バカバカしい」

 

 そんな考えを笑い飛ばし、今日も今日とて学校へ行く為の準備をする。

 ・・・・・・ふと、机の上を見る。そこには、ルカリオのぬいぐるみが置かれていた。

 

 「俺がルカリオになる・・・・・・か。

 ・・・・・・まるで不思議のダンジョンみたいな夢だったな」




 これにて閉幕、です。

 番外編を、これからちょくちょく上げて完成させようかと。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。