波導の勇者がゆゆゆいにINしました。   作:千点数

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 短いです。


北海道にて。

  [八十五日前、昼]

 

 何故こうなっているんだ俺は・・・・・・

 

 「何故俺は転生初日から化け物に追われてんだよちっくしょぉおおお!」

 

 この一週間、意味不明な外見の化け物に追われ続けている。

 おかげさまで一睡もしてない上に何も口に出来ていない。

 

 “こごえるかぜ“を放ち、背後に迫る真っ白い口だけ化け物を纏めて足止めする。

 威力が足りないのか、倒すまではいかないようだ。

 

 「だぁぁぁああああああああ!もーこうなりゃあヤケだ!」

 

 俺は化け物がいる方向に振り返り、ある技の準備をする。

 少々溜めが必要だが、とても高威力なあれである。

 

 俺の周囲を、雷と氷の粒が漂う。

 それが段々と大きくなり、しばらくすると、俺の周囲には紫電を纏った氷の塊が空中制止していた。

 

 「さてと、大技の試運転にちぃと付き合えや。

 消え失せろ・・・・・・・・・“フリーズボルト“ォオオオオオオオオオオオオ!」

 

 *

 

 さて、俺は転生者である。

 何言ってんだお前と、良い病院紹介するぞと、まあ、そんな事を言う人間がいるかも知れないが、事実なのだ。事実なのだ!(大事な事なので二回言った)

 

 強盗に撃たれて死んだ俺は、青白い光る玉に、ポケモンの氷タイプの技全てと氷タイプの体、そしてポケモンの特性である“てきおうりょく“を持って転生“させられた“のである。

 

 で、転生先はボロボロの廃墟があるだけで、化け物しかいない、所謂終末世界のようなものだったのだ。

 

 いや、本当に人間いるのかここ?

 俺を転生させた光る玉曰く人間いるらしいが・・・・・・ぜんっぜん確認出来ねぇ・・・・・・。

 気配のケの字もねぇぞ・・・・・・。

 

 廃墟となっている町並みを眺めつつ、めくれ上がったアスファルトの上を歩く。

 所々に草木が生え、湖のような水溜まりが出来ている。

 

 ドコゾの現代ファンタジーっぽいな、この光景。

 そんなどうでも良い事を思いつつ歩いていると、不意にサイレンのようなものが鳴り響いた。

 

 機械音が辺り一帯に響き渡り、そのあと、人間の言葉が聞こえた。

 

 「『避難してください』、か。避難訓練とか、そんなもんじゃねぇよな・・・・・・!」

 

 人間の声が聞こえた、という事は、その音が聞こえてくる方向には人間がいる、という事だ。

 そして、先の言葉から察するに、相当危険な状況下にあるのだろう。

 

 “ある大技“を撃つために溜めをしつつ、声がした方向に走る。

 転生して毛が生えた程度に上がった速力のすべてを総動員して走る。

 

 「だああ~!どちらかといえば耐久性が高い俺のステータスが今はとても恨めしい!」

 

 やっとの思いで声のした場所にたどり着いた時、そこは地獄だった。

 様々な種類の化け物が、町を蹂躙している。

 

 町は、化け物がいない所を探す事が難しい程の惨状だった。

 

 俺の存在に気がついたのだろう。

 何匹かのデカい化け物が、俺に突進してくる。

 

 「“コールドフレア“」

 

 今まで溜めていたエネルギーを放出する。

 氷と炎。同時に存在することがまず無い二つが入り混じった一撃は、向かってきた化け物を撃退するだけに留まらず、化け物の体を貫通し、他の化け物を巻き込んだ大爆発を巻き起こした。

 

 「あ、やり過ぎた」

 

 反省は後。今は、この町にいるであろう生存者を救出するという行為をしなくてはならない。

 

 

 生存者よりもヤバい人間を見つけてしまった。

 ある大きい橋の上で、一人の、俺と同い年くらいの少女が槍を片手に化け物に囲まれて戦っているのである。

 

 「最近の女の子は元気だね・・・・・・」

 

 溜息を吐きつつ、少女の背後に突撃しようとした化け物の群れを“ふぶき“で凍らせる。

 

 「・・・・・・っと。なあ、最近の女の子って女子力を攻撃力に変化させるのが流行っているのかい?」

 

 下らない事を言いつつ、“こごえるせかい“を使い、俺と少女以外の周りの全てを凍らせる。

 

 「そんな訳無いじゃん・・・・・・助かったよ。ありがと。

 ・・・・・・で、貴方も勇者だったり?」

 「そう見えるか?」

 「見えない。どちらかというと見た目からして魔王の方が合ってる気がするにゃあ・・・・・・」

 「オイコラ喧嘩なら高値で勝ってやんぞ」




 氷タイプの人は、結構ワイルドな人みたいです。
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