千恋*万花 Another view   作:ケロもり

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どうも、お久しぶりです。ケロもりです。
前回の更新から時間がかかってしまってすいません
モチベーションだったり忙しかったりこの後の展開に悩んだりコミケ行ったりと色々あって執筆が遅れてしまいました。
まさかこんなにしっかりフラグを回収してしまうとは…

因みに時系列は大則が小宇宙を燃やした後からです。

では14話ですどぞー


第14話

 

 

今日はまさに五月晴れという言葉にふさわしく空は青く澄んでおり、朝のお天気コーナーのお姉さんが見たら間違いなく『今日は洗濯日和』と太鼓判を押してくれるだろう、だが今日はそんな陽気に恨み節を吐いている人がここに一人…

 

「で、結局ヒロくんは何をしたかったんです?」

 

「ハアハアハア…っ…ハア…何でもねえよっ!…エッホエッホ!!」

 

そう言って俺は両手を膝をついて息を荒らげた暖かな陽気も相まって汗がとまらねぇ…

 

「まったく…」

 

そんな様子を見かねたのか茉子がおもむろに懐からハンカチを取りだし俺の汗を拭いてくれた…

…おっふ茉子さぁぁぁん!!顔近い近い近い近い!!パーソナルスペースに美人の顔は毒だよっ!しかもなんかいいにおいするし…今までとは違う理由で心拍数が上がってまうわ!!

 

「ま、茉子さん?自分でできるから…」

 

「…あれ?もしかしてヒロくん照れてます?」

 

そう言ってやんわり茉子との距離をとりろうとしたら鋭く切り返された。くそっ、キラキラしたいい笑顔浮かべやがって……かわいいなくそっ!!

 

「べ、別にっ!?照れてねーし!!」

 

「またまたー素直になっていいんですよー?」

 

「だから照れてねえって!ほら行くぞっ!」

 

「あっ、逃げた」

 

「逃げてない!戦略的撤退だ!」

 

と茉子にからかわれながら二人は目的地である結界の心臓部に向かっていった

 

ということで俺と茉子との決死(主に俺の羞恥心)を賭けたおいかけっこは生憎俺の貴重な小宇宙(スタミナ)を燃やしたものの、俺の持ち前の体力の無さのお陰で茉子に追い付かれた時にはもう息が上がりきっていたのもあるのか茉子に顔の赤さを指摘されることはなかった。やったぜ!

 

 

茉子からの逃走劇セカンドを乗り越えやって来たのは何を隠そう俺ん家である。俺ん家は一応穂織にある唯一の本屋で古い本からラノベ、マンガなど幅広く展開しており、個人商店としてはなかなかの品揃えだと自負している。

が、如何せん立地が穂織の端にあり、そこネックになるのか頻繁にお客が来るわけではない。家の脇に車が無いから恐らく親父が配達に出ているのだろう

 

「たでーま」

 

「いらっしゃ…ってなんだ大則か」

 

そんな事を考えながら閑古鳥の鳴いている我が家に入るとレジで眼鏡をかけて本を読んでいたお袋が反応した

おい、よく見ると紅茶にケーキも有るぞ働く気ねえな…

 

「おい、実の息子にむかってなんだとはなんだ」

 

「ふっ、愚問だな息子よ私のリラックスタイムを妨げた罪は重い…さぁ、お前の罪を数えろ」

 

「えっ、お袋いつの間に悪魔と相乗りを!?」

 

パタンと本を閉じた後ノリノリで決めポーズをきめるお袋に俺もノリノリで答える

お袋は基本ダウナーだがこういう時ノリが良くて本当いいと思う。

 

俺がネタに走りやすいのは絶対この人の血のせいに違いない

 

「うふふ、どうもおばさんこんにちは」

 

「!…あらあら!茉子ちゃんいらっしゃい!わざわざありがとね。あっ、そうだ!ケーキ!ケーキ食べる?」

 

「ありがとうございます」

 

と始めはテンション低めだったお袋が茉子の姿を見たとたんテンションが爆上がりした、お袋茉子のこと好きすぎだろ

てかまだケーキ仕込んでたのか…

 

「おい、お袋。分かっちゃ居るけど俺との態度の差が露骨じゃありません??」

 

「…大則、私は貴方に伝えなければならないことがあるの…」

 

「突然なんだよお袋…」

 

そう言うとお袋は居づまいを正し綺麗な笑顔を浮かべ、茉子がケーキを食べる様子を暖かい目で見つめる

 

茉子は目を輝かせてケーキに手をつけ、幸せそうな笑顔を浮かべていた…なにあれ超癒し系なんだけど……焚き火の映像みたいにこの光景を放映したら絶対視聴率取れるっ…!!

そんな様子を見た後お袋はこちらに向き直り髪の毛をかき分け

 

「私……野郎より美少女を愛でたい!!」

 

「わかってたよ畜生!!!」

 

そして更に追い討ちをかける様にお袋は空になったケーキの箱をこちらに見せてきた。

この前ケーキ勝手に食っちまったこと相当根に持ってやがる!子供かっ!!

 

「まあまあヒロくん、そうカリカリせずに一口どうぞ」

 

「茉子さん優しい…じゃあ貰う」

 

「はい、あーん」

 

「へ?」

 

茉子の優しさに思わず目頭が熱くなったがその直後耳を疑う言葉が聞こえてきた…

エッ?アーンッテナニ?プリシラ・アーン?茉子さんいつの間に洋楽に詳しく?

 

「え?」

 

「まあまあ遠慮せずにどうぞ」

 

「え、え!?」

 

「あーん」

 

「いや…ちょ…」

 

「あーーん」

 

「ハイ、イタダキマス」

 

そう言って茉子から差し出されたフォークに大人しく食らいつく。あの目をした茉子に何を言ってもムダだ

それにしても完全に茉子の掌の上で転がされてるな…こんな所誰かに見られたら…あっ

 

「・・・なるほど」

 

「「はっ!?」」

 

お袋に見られていた事をすっかり失念していた俺たちは思わず身構えるがお袋は何か得心したように手を打つと徐に俺たちの方に近づいてきた

…あれ?可笑しい弄って来ないぞ?

 

「二人とも」

 

「いやっお袋、さっきのは違くてその…」

 

「そ、そうです今のは手が滑ったと言いますかなんと言いますか…」

 

「茉子ちゃん、ちょうど紅茶に入れるミルク切らしちゃったから台所から取ってきてくれない?」

 

「ふぇ?あ、はい分かりました…ヒロくん、骨は拾います」

 

「あっ、こら待てっ!」

 

と二人揃ってタジタジになっている中お袋は何を思ったのか茉子を逃がし部屋には俺たち二人だけになった

そして俺の両肩に手を置いて

 

「…避妊だけはちゃんとしなさい」

 

と俺の耳元で爆弾発言をかましてくれやがった

 

「は、はあ!!?ちょっ!?はあぁあ!?」

 

「そうよね気づかなかった私も悪いわよね…男子高校生なんだし脳ミソの90%エロいこととしか考えてないわよね」

 

「酷い風評被害だっ!?」

 

他にも色々かんがえとるわっ!例えばえーっと世界平和とか…世界平和とか…

 

「いやだからお袋…」

 

「皆まで言うな息子よ、分かっている田舎あるあるの所謂、ヤり場所に困ったんでしょこの町には旅館は有ってもそんなピンクなホテルは無いしね」

 

「だ、だから…」

 

「分かっている分かっている私たちに明日の朝まで出ていってほしいんでしょわかってる、わかってるって」

 

「は、話を…」

 

「あ、ゴムは…男子高校生だから財布に忍ばせてるわよね?」

 

「皆まで言わせてぇぇええええええ!!!お願ぁぁぁぁい!!!」

 

とお袋の現役男子高校生の偏見と現状の打破の為に俺は立ち上がったのである まる

 

「うわっ!なによ、もう先走っちゃったの?早い男は嫌われるわよ」

 

「先走ってんのはあんたの思考だだぁぁぁぁ!!この脳内ピンクが歳を考えろ!!」

 

「…カッチーン、このナウでヤングな母親のどこに文句があるっていうの?」

 

「…カタカナの所全部だぁぁぁ!!ツッコミどころしかない!」

 

「…………えっ」

 

俺がそう言った直後お袋はキョトンとした顔をして

 

「芳乃ちゃんと一緒に見てた雑誌にそう書いてあったのに…」

 

「古っ!?」

 

「テレビで見るファッションは私の若い頃流行ってた物がまた流行っているから言葉でも有るもんだと…」

 

「なぜそんな薄いソースでいけると思った、てか何で朝武さんにそんな古いの読ましたし」

 

「いや逆に最先端みたいな?」

 

「お袋……朝武さん素直なんだから、後で誤解解いておかないと…てか脱線したけどそんなピンクな展開じゃ無いから第一まだ付き合ってもねぇし…」

 

「バカねぇ…あんないい子今日日いないのに。誰かに取られちゃうわよ」

 

そう言った後お袋は呆れた様に肩をすくめると突然さっきまでのお袋の雰囲気が嘘の様に凛とした真面目なものに変わった

 

「大則、一応確認なんだけど前言ってた''あれ''、やろうとしている訳じゃ無いでしょうね。あれは確かに可能性は有るけど人としても親としても認める訳にはいかない。絶対にね」

 

そう言ってお袋は滅多に見せない真剣な目をして俺を見てきた。

 

「………ふっ、まさかやらないよ」

 

…俺はちゃんと笑えてるだろうか…お袋に隠し事が通用した試しがない、こういう時無駄に素直な表情筋が恨めしい

だから今だけは持ってくれ頼む…

 

「……まあ、わかってるならいいわよ、茉子ちゃんを泣かせないようになさい」

 

その願いが通じたのかそう言うとお袋はいつもの何も無かった様に本を読みはじ…

 

「あっ、ホントにおっぱじめるなら出掛けるから言ってね」

 

「お母様?まだ続けるんすか??」

 

…めるつもりは無さそうです。

 

「私の茉子ちゃん娘化計画に為に…」

 

「…意味深なゲンドウポーズやめい」

 

そうツッコムと同時に店に前に我が家のミニバンが止まる。

どうやら親父が配達から帰ってきたみたいだ

 

「あら、帰って来たわね。息子で遊ぶのも程々にして仕事仕事」

 

そう言ってお袋は立ち上がり店の外で荷台から荷物を下ろしている親父のもとへ歩いていった。

お袋が表の入り口のドアを開けたこと風の通り道ができたのだろう外の風に乗ってかすかに夏の臭いが部屋のなかに吹き込んでくる

 

「…安心しろよお袋誰も、誰も悲しまないようにするからよ」

 

そう風に隠すようにボソリと呟いた。

 

これは誓いだ、根っこがいつも弱虫な自分の為の誓いだ。そうじゃないと逃げ出してしまいたくなるから、全部見なかった振りをしてしまいそうになるから。

そうじゃないとあの人の約束も…破ってしまいそうになるだから…

 

「こら大則、私が働いてるのに働かないとは怠惰よ」

 

そう声をかけられハッと我にかえる。どうやら少し考え込んでしまっていたらしい、声をかけられた方を見るとそこには空いた段ボールを数個持ったお袋と…

 

「ちょ…お母さん多いっ…!もっと持ってよ…あっ、良いところに大則っ…!HELP!HELP!」

 

残りすべての荷物なのだろうそれを半ば強引に持たされ、足が小鹿の様に震えている親父だった。

どんなにきつい状態でも決して本を落とさないその辺り本屋の店主の意地を感じる…

 

「何故ドン○ーコング風?いやいや、お袋…もう少し持ってやれよ」

 

「いや私ぃスプーンより重いもの持ったことないから~」

 

「お袋のぶりっことか誰得だよ…」

 

「あ''?」

 

「いえ何でもありません!!」

 

そうしれっといい放つお袋にボソッとツッコミを入れるが鋭い眼光で睨まれた。

べ、べつにマジレスして晩飯がししゃもになる恐怖に負けた訳じゃない……ホントダヨ

 

てか…

 

「お袋もうスプーンより重いもの持ってるやん」

 

「「はっ!確かに!」」

 

そして俺は苦笑いを浮かべながら親父の手伝いをするために歩きだした。

 

 

 

 

 

背後の廊下に落ちる影に気づかないまま……

 




執筆してたら文字数が増えすぎたので分割投稿です(完成したとは言ってない)
が、がんばります…

そういえば29日に鳥人間コンテストが放送されるそうですね。見なくては…(使命感)

これからもこの亀更新な作者にお付き合いくださいm(_ _)m

読んでみたい話を教えて下さい。※需要調査も兼ねてます

  • 日常系
  • 主人公たちの昔話
  • デート回
  • 男子会 定期レポート
  • 穗織人、都会へ行く
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